(1)ターミナルでも自立
私の経験だが、地域包括からの紹介で申請中の末期がんの方を担当したことがある。とりあえず暫定で訪問介護だけ入れた。始まってすぐの事だったが連絡が取れなくなり、あちこち手配したところ入院していたことが判明。しかも要介護認定は自立だったことも分かった。
訪問介護は自費で解決したが、私の居宅の方は無報酬。しかも入院してしまい区分変更も出来ないという事になった。
後になって、その地域包括の職員から詫びを入れられたが、個人的には駆け出しで勉強のつもりだったから構わないのだが、要介護認定という制度は厄介だと思った出来事だった。
(2)軽くなる要介護認定
平成18年だったと思うが、要支援が新しく「要支援1.2」という二段階になった。そこで起こったことは今まで要介護1,2くらいの人が軒並み要支援になったという事だ。
要支援になると今までのサービス量からずっと減らされる。
本来であれば、要介護認定というのは軽くなれば身体状況も良くなったことだからおめでたいことではある。しかし高齢者本人は良くなったという自覚も無いままにサービスが減らされるという目に会えば、そりゃ頭に来るというもの。
そしてその怒りの矛先にされたケアマネは多かっただろうと思う。
現場からの見方をすれば、膨れ上がる介護費を抑えるには給付抑制は仕方ないかもしれない。しかしそれが利用者や介護職員にモロに打撃を与えている。
抑制されるべきは、こうした介護現場を支えるという名目の天下り団体である。不必要な研修などを行うお金があるなら、それを現場に還元しろと言いたい人は多いはずだ。
(3)減税?or給付?
今年の参議院選挙で争点になった事でもある、減税か給付かという事。介護の業界にも様々な給付金や補助があるが、そうしたことをするなら本体の報酬を上げれば良いだけと思う人は少なくないだろう。
しかしお上というのは「お金をくれてやってる」というモノが欲しいのだろうと思ってしまうくらい傲慢だ。
それでも給付を受けた側は、お上に感謝なんてしない。やる気のある元気な業界ならそうかもしれないが、介護の世界ではそんな風に思う人はいない。
まあ、要介護認定の話に戻せば、区の財政によって要介護認定に差が出るなんてことは無いよね?と勘ぐってしまうのも当然だろうと思うくらい、現場と役所の信頼関係は無いと言ったところか。