(1)要介護度について
要介護度と実際に必要な介護サービス量と言うのは必ずしも一致するものでは無い。
要介護度が重くても家族がいるから介護サービス量はさほど必要ない人もいれば、要介護度が軽くても独居でそれなりの介入が必要な人もいる。
とはいえ、そういう個別の案件で無制限に介護サービスを使えるとなったら、それこそ今問題になっている囲い込みなどで財政がパンクするだろう。
そうすると身体状況に応じて使えるサービス量を調整しなければならない。それが要介護度における支給限度額である。
しかし介護保険における要介護度と言うのは実に厄介だ。
特に要介護度が軽くなった時、利用者の理解を得るのは難しい。高齢者は悪くなることはあっても良くなることは無いと思っているからだ。
(2)区分変更について
要介護度については、判定された結果に納得が出来なければ不服申し立ても出来るし、多くは区分変更を行う。
そして申請書には理由を書く欄があるから「訪問介護の回数を増やしたい」など書くことになる。
つまりはその要介護度では単位が足りないので、見直してください、という事だ。
それで通る場合もあれば、逆に軽くなる時もある。
人によっては何度も区分変更をする人がいるようだが、ハッキリ言って要支援~要介護1辺りは行ったり来たりでどの判定が出てもおかしくない。
困るのは要支援(介護予防)は担当しない居宅介護支援事業所の時だ。そうすると要支援の時はA事業所、要介護になったらB事業所と担当が変わる事もありうる。
(3)実態に合った要介護認定は
記事のように施設に入っている人で状況が変われば、当然介助量も増えることから区分変更をするのは当然であるが、要介護度が高くなれば費用も上がるので、区分変更を拒否するというケースは当然あると思う。
だから申請というのも善し悪しだ。
受益負担という事を考えると、本来は受けたサービスに応じて費用が決まるというものだと思う。
だから排泄介助何点、食事介助何点という具合に、細かく設定されるものなんだろう。それを要介護度と言うふんわりとした括りで費用徴収しているからこういうことが起こるのだろうが、費用が月によってまちまちになるとはいえ、本来の受益負担と言うのはこういう形だと思う。
今後、機器のはったうにより、そういう事になるのだろうが、今はこんな問題を施設側が我慢しなければならないという、そんな時代なのかもしれない。