要介護認定に思う | ケアマネ時々卓球、時々その他

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仕事は介護、プライベートでは卓球を中心に、その他もろもろ思いつくままに書いてみます。テキトーな独り言です。

 

(1)要介護認定

介護保険サービスを使う時、まず役所に要介護認定の申し込みをする。そこで調査員が派遣され、以下の認定調査項目の聞き取りが行われる。

1.身体機能 13問

2.生活機能 12問

3.認知機能 9問

4.精神・行動障害 15問

5.社会生活の適応 6問

それ以外では現在のサービスを何を利用しているか、特別な医療があるかなどを聞き取る。

 

第一次判定ではこれらをコンピューター判定をして結果を出し、その後主治医の意見書と合わせて第二次判定が行われ、要介護認定が行われる。そしてこの結果が出るまで約1か月~1か月半かかる。

 

要介護認定は自立から要介護5まで8つの段階があり、それぞれに支給限度額が設定されており、いくらでもサービスを使えるわけでは無い。

 

今回はその第一次判定について見直しが行われるとの事だが、これは16年ぶりとの事である。

 

(2)在宅でのデータが反映されていなかった

さて、この介護認定だがよく「自分は〇〇という病気だから」と言われることがあるが、あくまでもその時の身体状況に応じての判定となる。だから末期がんの人でも「自立」で判定されたこともある。確かにその方は調査時には歩けて買い物も行けたし、日常生活で特に不自由もなかった。しかし判定が下りた直後状態が急変し、そのまま亡くなったというケースを経験したこともある。

 

それとこの要介護度によって、在宅サービスがカバー出来うるかと言えば必ずしもそうではない。

 

確かに要介護度が重くなればそれだけ家族の負担が増えるので利用する介護サービス量は増えるが、要介護度が軽いからと言って介護サービス量が少なくて良いという事にはならない。

 

特に認知症があっても要介護認定が低く出ることはよくある。

 

だから要介護認定によって、その人に適切なサービス量が確保できるという保証が実は全くないというのが現状の介護認定であることは、多くの人が実感していることだろうと思う。

 

(3)納得いかない要介護認定

よく「私は年をどんどん取って体は悪くなっていっているのに、何で要介護が軽くなるんだ!」とクレームをつけられることは多い。高齢者にすればその通りだ。

 

頑張ってリハビリをして、身体状況が軽くなれば要介護認定は低くなる。今まで使えていたサービス量を使えなくなるのだ。

 

本来であれば、身体状況が良くなって、人の世話にならずに生活できるようになれば「おめでとうございます」といってご卒業という事になろうが、自分が納得いっていない状況でサービスを減らされるわけだからそりゃ頭に来る。

 

まあ、そんなぐちゃぐちゃした中でケアマネも頭を絞っているのだから大変な仕事であることは間違いない。

 

世の中のコンセンサスが取れていない正論とも言えないものを、さも正しいこととして行っていかなければならないというのは苦労でしかないわ。