要介護認定、介護保険の根本的なガン | ケアマネ時々卓球、時々その他

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仕事は介護、プライベートでは卓球を中心に、その他もろもろ思いつくままに書いてみます。テキトーな独り言です。

 

 

(1)期限までに要介護度が出ないことが増えてきた。

要介護認定は基本的に30日で出すことになっている。すでに介護認定を受けている方の更新申請は期限が切れる60日前から申請が可能になっている。

ケアマネは申請が下りてから関わることが多いので新規申請についてはよく分からないが、更新申請で60日前に申請を出したにもかかわらず、期限切れになっても認定が下りない時が増えてきたように思う。

要介護認定のタイムスケジュールは目安の通りなのだろうが、まずそうならないのは理由がある。

 

(2)要介護認定過程における問題点

①主治医意見書の遅れ・・・実はそれなりに多いのが主治医意見書が遅れるというもの。事務のところで止まっていたり、医師の書類の山に埋もれていたりという事だ。

②認定審査会の遅れ・・・認定審査会は調査員の調査票と主治医意見書が揃わないと開催できない。それで揃ったとしても自治体に確認するとずいぶん後回しにさせられる時も多い。要はそれだけ申請者数がいるという事。

実は審査会は毎日夜遅くまで行われている。それでも期限までに間に合わない人が多いというのは仕組み自体に欠陥があるといわざるを得ない。

 

苦肉の策として、人によっては有効期間が4年という人も出てきた。

 

(3)要介護度とは

そもそも要介護度というのは重く出たからバンザーイというものではない。

 

高齢者の置かれている状況を考えれば、要支援でも頻繁に介入すす必要がある人もいるし、要介護度が重い人でもさほどサービスがいらない人もいる。

 

まあ、要介護度がつくことによって支給限度額が決まり、その中でやりくりするというのは理解できる。しかし更新で軽く判定されてしまうと、利用者の方も納得いっていないことが多い。その為にケアマネに文句を言う人もいるくらいだ。

 

だから基本的には最初の判定で出た要介護度でサービス料を決める。その内にサービス料がもっと必要であれば区分変更するという二段階くらいで良いのではないかとも思う。

 

要介護3以上になれば特養申請の対象になったり、おむつが支給になったりと、高齢者支援のサービスが手厚くなるというのは、その上での話で良いだろうと思う。

 

(4)人に言うのは簡単。まして「参考まで」とは

厚労省は表のようなことを言うだろうが、実際に審査会を行うのは自治体である。自治体の立場から言えば、そんなことわかっているよという程度のものだろう。

あと、介護職側から見れば、それこそ30日という期限があるのに、それが出来なかったら処分されないの?という不満もある。

 

介護職側はそういうミスは一切許されなく、返礼処分となるのが当たり前だ。行政側はできなくても良いのか?と思うのも当然だ。さらに言えばこのように認定が遅れることにより、我々ケアマネはケアプランを暫定的に作らなけれなばならない。この「暫定プラン」の為に担当者会議を行い、最悪なのはその要介護度を見越して作っても、その要介護度にならずサービスを減らさなければならない時だ。その時も担当者会議を行って、という何重にも根回しや利用者や家族への説得が必要になる。

 

ついでに言えば、暫定プランを作らなければ減算だ。こちらの手落ちでないことに対して、こちらが処分されるというのもいかがなものかと思う所以はここにもある。

 

まあ、人にこうやれ、ああやれというのは簡単だ。しかも「あくまで参考」などというものであれば、そうした会議は不要だし、それにかかわる費用も無駄だ。

 

介護保険が25年を迎えた今年、こうした様々なことが明るみになってきた。それとSNSの進歩で現場の意見も伝えられるようになってきた。

 

この制度がこれからどのような形で続くのか、注目の一つかもしれない。