(1)「思い出行き」「あの頃」という名の駅
大学生活が様々な経験をすることが出来て素晴らしい4年間であった前に1年間の浪人生活も自分にとっては意義深いものであった。
浪人が決まった高校3年生の終わり、とてつもない絶望感に打ちひしがれた。勉強を頑張ったわけではないから当然であるが、人生で挫折を味わうというのはそういう事だと思う。
4月になり予備校に通い。高校の時の同級生もいて遊んだりもしたが、何か面白くもない。そんなことをしていて良いのかという気持ちと、そんな時期ならではの遊んでいても面白くないという感情に包まれた。
夏になり、夏期講習。暑い中、毎日予備校に通う。空き時間は自習室にこもり、ひたすらに知識を詰め込む。
秋になり、いよいよ志望校を決める。
当時は「4当5落」と言って、4時間睡眠で一生懸命勉強すれば合格、5時間得たら不合格と言われた時代だ。秋口からは本当にその言葉を信じて4時間睡眠で頑張った。
年が明けラストスパート。
結果として地方の大学に合格する事が出来た。
3月は初めての引っ越し準備、アルバイト。
(2)「62番のバス」
大学で初めて地方都市へ行く。
今までとは違うバスの色。少し行くと一変する景色。初めて親元を離れるという事もあり、喜びと悲しみと、門限のない自由な時間の使い方が出来る喜びと、同時に浪人していた1年間の疲れと、今思えば熱中症になった後のダウンの状態のようだが、そんな様々な感情が入り混じる場面から始まった。
大学で書いておかなければならないのはやはり好きになった人の事だろう。
初めて会った時の印象は今でも覚えている。
小さくて可愛くて。
何回も告白したけど結局実らずに卒業した。
(3)「私が主人公」
そんなこんなで自分は今も生きている。
自分の人生で、自分が主人公であることを忘れさせるような場面も経験する。
おそらく格好の良い生き方ではない。
他人に誇れるとも思えない。
でも、あの人はどう見てくれるかな。
いつか、もし会えるとするならば
自分が主人公で頑張ったんだよって言いたい。