2024年改訂での激震は何と言っても訪問介護の報酬引き下げだろう。プラス改定なのになんで?と思ったが、どうも経営実態調査で「利益率が高かった」というのが根拠らしい。勿論、保険事業だから利益が多かったらいけないかもしれないが、なぜ利益が出たのかを考える必要がある。
以前に出したような気もするが、2023年は訪問介護の倒産件数が過去最多となっている。それでも利益率が高くなったという理由である。
まずは生活援助や介護予防を受けないという事である。
介護報酬は身体介護と生活援助とに分かれている。勿論、身体介護の方が介護報酬が高い。つまりは報酬の高い身体介護をうけ、必要性は感じながらも安い生活援助は受けないという事である。
そして過酷な効率化である。
私のエリアでも、県で一番事業所が多いと言われている会社。滅茶苦茶こき使われる。結構なエリアをカバーして、あっちこっちを奔走。
これだけやればそれなりに利益は出るだろうと思う。
そしてこれからの事である。
国は「処遇改善加算を合わせれば良い」と言うが、どうもこの加算、取れるところはあるのかなと思う位ハードルが高い。
加えて、そういう人材を確保するなら求人活動は欠かせない。広告費だってバカにならないし、それを出す基本報酬が引き下げられるってどういう事?って思うのである。
2024年度は更に訪問介護の淘汰が進むのだろう。
そして介護予防や生活援助は切り捨てられるのだろうか。
在宅に住む高齢者にとって「ピン シャン コロリ」を実現するためには生活援助は欠かせないと思う。勿論、共に行う家事も大事だ。それは身体介護に含まれる場合もあるが、ちょっと手伝ってくれれば家での生活が出来るのに、という人まで切り捨てることにならないか、ケアマネとしては思う所である。
そうした人はごく少数だから切り捨てる、というのであればこの国の介護は随分冷たいんだなと思う。かつて故田中角栄総理が演説の中で「年寄りを若者が世話しないでどうするんですか!」と
叫んでいたが、今まさにそんな時代が来るような気がする。