シルバー新報より
東京都あきる野市は、社会福祉法人緑愛会(奥秋利郎理事長)が運営する特養ホーム「あたご苑」に対し、30歳代の男性介護主任が入居者の排泄する姿などを無断で携帯電話で撮影していたことが高齢者虐待法に基づく「心理的虐待」などに当たると11日付で認定した。職員は1月末時点で懲戒解雇処分を受けた。市高齢者支援課によると、虐待認定のきっかけとなったのは施設関係者からの通報という。(以下略)
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少なくともバカだなあとは思う。
でも、こうしたことに及んだのはなぜか?というところに問題の本質がある。
私が思うに
それは処分狙いの指導であると思われる。
介護の場は全く事故が起こらないわけではない。
目眩がする、急に脱力する・・・様々な要素が事故を引き起こす可能性がある。
そんなことで記録は重要な証拠になる。
だから事細かに記録を残しなさい、というのが指導する側の言い分である。
確かに正論である。これだけ見ればまったく否定のしようがない。
しかし、処分、というと話は別だ。
ちょっとしたことで介護報酬の返還、という事になれば大きな責任問題だ。
だからその処分を恐れて、施設によっては利用者との会話一言一句まで残せ、ぐらいに介護職員に強要しているところもあると聞く。
会話一つ一つなど覚えていないし、そんなに証拠が重要なら動画で残しておけばいいじゃないか、と曲解する人がいてもおかしくはない。
しかしながらこの考えは間違っているとは思う。
でも、人員数の事、業務範囲の事、施設の方針に対する感情などを考えれば、やけくそになる職員の気持ちも分からないではない。
頭ごなしに「介護職員が悪い」と言えない事例だと思う。