九十五歳の母が 今の特別養護老人ホームに
お世話になって 4か月近くが 過ぎました。
思えば 2年前までは マンションで 一人で
暮らしていた母。
買い物帰りに 転倒し 圧迫骨折して
ひと月近く 入院してから 急速に
状況が 悪化していきました。
認知症が出てきて 徐々にひどくなって
いきました。
いったん 退院したものの 一人で生活する
ことが 難しくなり ヘルパーさんをお願い
したり お弁当を配達してもらったりー
私も ほぼ毎日 通いました。
そのうち 部屋で転んだり
ひどい 低温やけどで 両足が 腫れ上がり
すぐ 病院へ。
ケアマネと相談して 介護付きのホームへ
いったん入ってもらいました。
その後も いろいろなことがありましたが
今は ようやく 特別養護老人ホームで
落ち着いています。
私も 母を施設にお願いすることでは
さんざん考え 悩みました。
でも 今は おかげさまで 母も 嫌がらず
施設に慣れてきて ホッとしています。

親の介護は 多くの人々が 経験する
問題でしょう。
そして その時 みんな どうすれば 一番
いいのか 考え 悩みます。
罪悪感に苛まれたり 苛立ったり 不安に
推しつぶれそうになったりー
でも きっと これが正解という 答えは
無いのだと思います。
私は 母にとって どうすることが いいのか
そして 自分もつぶれないように
と 考えました。
誰にとっても 100パーセントいい方法は
なかなか 見つからないけど
無理せず 妥協点を見つければ
いいんだと思います。

今も 時々 問題は発生するけど
なるべく 時間のある時は
母のところに行って
お茶しながら おしゃべりをする
時間を 大切にしようと思っています。

食べたことを忘れたり、
同じことを 何回もきいたり、
ちんぷんかんぷんなことを
言ったりするけど
不思議と 人生哲学については
しっかりと 話します。
台湾で生まれ 育ち、 戦争を経験して
日本に引き揚げて 激動の時代を生きて
きた母。
自分の生命を 人生を
細くとも 一本 しっかりと筋を通す
お金や物がなくても 幸せになれる
今日も 母は そんなことを 私に
話しました。
そして いつも ああ 有り難い、幸せ と
言うのです。
私も お母さんに感謝してるよと
素直に 言えます。
母との こんな時間を 大切にしたいと
つくづく 思います。