日本の成人年齢が変わる!その時、障がいのある子の親はどうする? | カイとわたしの場合~オーストラリアx自閉症xシンプルライフ

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高校生になった自閉症児カイと、シングルマザーのわたし。オーストラリアはメルボルンにて、ふたり暮らし。そんな私たちの毎日を綴っています。

今日は午前中に散歩に行きました。
よい天気!
先日、こんなルール知らなかった・・・ということで書きましたが、その後同じようにこのルールの存在を知った人たちから苦情や質問が沢山集まったんでしょうか。
 
このルール、無くなりました。
 
エクササイズのために、公園まで車で行ってもよくなりましたよ。ちゃんと市民の声を聞いてルール変えてくれてよかった~。
 
ロックダウン中は、こんな風にルールの変更や解釈が変わったりもあるので、毎日会見やニュースのチェックはかかせませんね。
 
 
これからも、この公園にお散歩に出かけられます^^
 
ステージ4終了予定日まで、あと3週間と2日!!!
 
 
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今日は、本の紹介です。
先日山本加津子さん・かっこちゃんのメルマガでも紹介されていて、気になってチェックしていた本です。
 
 
そして今朝別の方もFacebookで紹介していたので、19日に発売になっていたことに気づき、さっそく購入してみました。
 
 
タイトルはずばり、『障害のある子が「親なき後」も幸せに暮らせる本』
 
ダウン症の娘さんをもつ「相続のプロ」である著者の鹿内さんが、障がいのある子を持つ親が知っているべき財産管理のしくみを、ものすごく具体的に教えてくれている本です。
 
今朝Kindleで購入して、夜までには読み終わりました(笑)
 
 
このテーマ、もう何年も気になっていて、こちらでもワークショップに参加したり、似たような日本の本を読んでみたり。
 
 
この鹿内さんの本は、本当にいろんなパターンを想定して、あらゆる場合にも対応できるように具体的に書かれているので、未成年のお子さんがいらっしゃる場合は、すごく参考になるし今すぐに実行したほうがいいと思います。
 
なによりびっくりしたのは、日本では成人になる年齢というのが、2022年に20歳から18歳に引き下げられるのですね。
 
 
え、2022年の4月1日の時点で18歳19歳の人は、そこから突然成人になっちゃうってことなんだ!
 
これって、通常でもけっこう混乱しますよね。。。。
 
 
しかし、知的障がいのある子をもつ親にとっては、これ本当に大問題!!
 
そして、今までよく知らなかった日本の後見人制度・・・・こんな仕組みなの?!と、これまた衝撃でした。
 
子どもが成人になってからだと、親は後見人を選べない??
自分たちが子どもの後見人になるには、未成年のうちにやっておかなければならないことがある!!
 
知らなかったことだらけで、目からウロコがボロボロ落ちながら、「これ知らなかったら大変では・・・」という事実に、背筋が寒くもなりました。
 
 
もちろん、オーストラリアの制度は日本のものとだいぶ違います。
 
こちらでは成人となる年齢はもともと18歳。そして障害年金の受給開始年齢は16歳ですから、さらに早~い!
 
財産管理の仕組みも違うので、この本の内容がオーストラリアでも直接当てはまったり、まったく同じように参考にするということは出来ないのですが・・・
 
考え方とか、家族構成によって起きる問題点や、事前に考慮しておかないといけないことなどはとても参考になりました。
 
 
印象に残ったのが:
 
知的障がいのある子にとって、幸せで豊かな人生とは何か?
 
それは、子どもがお金を持っていることではなく、「子どものためにお金を使ってくれる人がそばにいること」
 
 
これには、首ぶんぶん縦に振って全力で同意します。
 
いくら大金を残しても、それだけではダメなんですよ・・・・。
これについては実例があって、別記事で書きたいと思います。ほんとうに悲しくなる。
 
 
また、鹿内さんは、障がいのある子には、大金も不動産も持たせないことが基本だと仰っています。
 
私もここ最近、お金のことや投資について少し学びましたが、学べば学ぶほど、カイには不動産の形で資産を遺すのは難しいなと思います。
 
カイには自分では管理出来ないから、カイ名義にはできないし。不動産は簡単に売ったりもできないものだし。
 
その他にも、遺書のこと、私が死んではいないけど認知に問題が出て適切な判断が出来なくなってしまった時のこと。
いろいろ考えて準備しておかないといけないことは沢山あるんです。
 
ということを、この本を読んで改めて実感しました・・・・。泣ける・・・。
 
 
 
しかし、私には遺書の執行人をお願いできるような人も、カイを理解しつつ財産をカイに一番良い使い方をしてくれるであろう管財人適任者も今のところいないのです・・・。
 
ここが一番の問題で、いつもここで躓きます(涙)
 
 
 
でも、やっぱり頭で考えているだけじゃあダメなんだよなと思いました。
 
 
 
娘さんが生まれた当時は、会計事務所のマネージャーをやっていたという鹿内さん。
世の中のほとんどのことはお金で解決がつくと考えていたところがあったそうです。
 
でも、娘さんの誕生で、「世の中にはお金で買えないものがある」と初めて気づいたと。
 
本当に本当にそうなんです。もう一度言うけど、障がいがあるからって、大金を遺せばよい訳じゃない。
そして成人してしまったら、どんなにお金があったとしてももう時間は取り戻せないし。
 
 
 
なんか考えただけでめげそうにもなりますが、鹿内さんは「障がい者の親は絶対にあきらめてはいけない」とも仰っています。
 
 
 
本で紹介されていた、神学者「ニーバの祈り」の言葉。
 
 
変えられないものを受け入れる冷静さ
変えられるものを変える勇気
 
 
子どもに障がいがある事実は変わらないし、法の仕組みや制度とかも、私ひとりで変えることもできないです。そこは冷静に受け止めよう。
 
その上で、自分の状況の中でも出来ること、変えられることはきっとある。
今は、そこにフォーカスしていこうと思います。
 
 
日本で未成年の障がいのあるお子さん育てている方、この本読んでおいた方がよいと思います。時間はお金では買えませんから。
 
日本に住んでいない障がい児ママさんパパさんは、この本ではいろんな事例を想定しているので参考に、自分の国の仕組みや法律を調べてみてくださいね。
 
そして、変えられないものを冷静に受け入れて、変えられる部分は変えるべく、今から動いていきましょう。
 
 
まだ子どもが未成年のうちに、参考にできるこの本が出たこと、読めたことはとても幸運ですね。
 
住んでいる国と制度は違うけど、読んでよかった一冊です。