メインストリームのプログラムに行けなくなった理由 | カイとわたしの場合~オーストラリアx自閉症xシンプルライフ

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高校生になった自閉症児カイと、シングルマザーのわたし。オーストラリアはメルボルンにて、ふたり暮らし。そんな私たちの毎日を綴っています。

前記事の話の続きです。

あれは11月の半ばのこと。

「そろそろメインストリームのホリデープログラムから、
次のホリデーのスケジュールが送られてくる頃かな♪」
と思っていたら・・・・
(メインストリームのプログラムとはこれのことです)

普段はEメールで連絡をしてくるコーディネーターさんが、
珍しく携帯電話に連絡してきました。

「実は来年からプログラムに変更点がいくつかあるので、
その説明をするために直接お会いしたいのですが・・・・
来週の月曜日か火曜日に来られますか?」


わざわざ直接会って説明してくれるなんて、
よっぽど重要な変更点なんだろうなぁと思い
学校帰りのカイくんを連れてセンターに行ってきました。

センターに着くと、コーディネーターのRさんが出迎えてくれて、
部屋の中には会ったことのないマネジャーらしき男女が二人。

微妙な雰囲気に、なんだか嫌~~な予感がしました・・・。

お互いの自己紹介の後、マネジャーの男性がまず口を開き、話し始めました。

「えーーー・・・・
来年1月から、色々と法律に変更点がありまして・・・・
予算の変更もいろいろありまして・・・・

まず、これまで障がいのある子は18歳までお預かりしていましたが、
この年齢制限が13歳に引き下げられました」


あらら。カイくんここに18歳まで通えると思っていたのに、
13歳までになってしまうのか~~

そしてマネジャーさんは続けます。

「そして、法律の変更に伴って、
今後はバウンダリー(境界線)をきちんと設けることになりました。

そのバウンダリーとは・・・・子供へのサービスと、
障がい者へのサービスの間のバウンダリーです。

しっかりしたバウンダリーを設けるということ自体は、
とても良いことなんですよ、うん。

このセンターは、公共の場でオープンな環境です。
駐車場もすぐ近くにあるし、その他の設備もあります。

このセンターは障がい者専門のセンターではないですし、
障がいのある子には安全な環境ではありません・・・・・

また、法律の変更により、
これまで以上にサポートワーカーの労働環境にも配慮がされることになりまして・・・・・
これはとても良いことなんですよ、うん。

ただ、そのためには、
今後はスペシャルニーズのある子へ今までのような一対一のケアを提供するのが難しくなります・・・・

そこで我々は、お子さん達の中でも特にケアを必要とする子の親御さんをお呼びして、
お話しをさせていただこうと・・・・・・・・・」


嫌な予感、的中

ものすごーく言いにくそうに、ものすごーく遠回しに回りくどく言おうとしていたので、
私が一言

「つまり・・・次のホリデーからは
ここでカイを預かることが出来ないということですか?」

とズバリ聞くと

またものすごーーく言いにくそうに・・・・

「その通りです・・・・・」

「スペシャルニーズの子は全て預かれなくなるんですか?」

「いえ、一対一のケアが必要でない軽度の子は大丈夫です」

「そうですか・・・・」
沈 黙
カイくん、プログラムから切られてしまった・・・・・。
だからわざわざミーティング開いてまで説明しなきゃいけなかったんですね。
そりゃあ、こんな話、電話越しでさくっと言われても納得いかないわ・・・。

このセンターはたくさんのスペシャルニーズの子を受け入れていて、
私の見る限りでは、カイくんよりずっと障がいの重い子も結構いました。

みんなそれぞれに一対一のサポートワーカーさんがついていましたので、
カイくんが切られたということは、
他にも相当数切られた子がいるに違いない・・・と思いました。

そりゃあ、やっぱりショックでしたね。
自分の子は手がかかるからもう面倒みられないと言われた訳ですから。

でも私には、「なぜですか?!酷い!!shokopon 」なんてこの人達を責めることは出来ませんでした・・・。

なぜなら、私は障がい児の親であると同時に
障がい者福祉関係の仕事をしている人間でもあるので・・・。

私達は、法律が変わったり政府の予算が減ったりしたら、
それに従わないとダメなんですよね。無力です。。。

法律変わって予算もないから人は足りないけど、
それでも今まで通り預かれますよ~なんてことは出来ないのです。
そんなことをしたら違反ですし、何よりすべての人にとって危険な状況になってしまいます

このマネジャーさんやコーディネーターさんも、
こんな決断したくてしたわけじゃあないのですよね。

その辺がよく分かってしまうだけに、私は何も言えなかったのです・・・。


そこで私が、実は自分も福祉関係の仕事をしていること、
だから事情は理解できることを伝えると
みなさんそれまでの緊張した表情が一斉にホッとしたものに変わってました。

あとで聞いたら、親御さんの中にはこの宣告をされて泣きだしたり、
罵ったりする人もいたようで・・・・
上の立場の人たちも楽ではないですね・・・・。

でもでも、そうしてしまった親御さんの気持ちも痛いほど分かるのですよ。

スペシャルニーズの子は、ホリデー中はただでさえ預け先が少ないのに、
受け入れしているプログラムから切られたら、
行き場がなくなってしまう子達がたくさんいるんですよね。

年齢が高く、障がいが重くなればなるほど行く先がかなり限られてくるし・・・。

あのメインストリームのプログラムにしか通っていなかった子の親御さんは、
相当ショックだったと思いますよ。
もうすぐホリデーに入ってしまうというこの時期にこの宣告。
預けるつもりですでに色々予定を立てていたりしたと思うし・・・


カイくんはもともと他にも一日預かってもらえるホリデープログラムに通えているので、
まだ恵まれているのよね。

でもまあ、大抵障がい児向けのプログラムは、
預かってくれる日数にかなり限りがあるんですけどね

今までは障がい児向けプログラムとメインストリームのプログラムをうまく組み合わせて
ホリデー中も私は仕事に今まで通り行ったり出来ていたのです。

それが、これからは障がい児向けのものしか無くなってしまった~~
しかも、そっちは6週間の休みのうちに5日間しか預かってもらえない~~~

とりあえずボスに相談して、1月は勤務日を変更してもらいました。

そして、これから他にもプログラム探すかなぁ・・・ という時に
学校のニュースレターで新しいホリデープログラムを目にしたので
試しに申し込みしてみたというわけなのでした。

もちろんきめ細かいサポートのある少人数の障がい児向けプログラムは良いです。
でも、今回メインストリームのプログラムに行けなくなってしまったのは
個人的に本当に残念でなりません。

あそこは、普段はスペシャルスクールに通うカイくんが
定型発達の子どもたちと一緒に1日を過ごせる唯一の機会だったのになぁ

とてもとても残念ですが、でもプログラムのマネジメントチームに恨みはなく・・・

文句を言うとしたら、もっと上のほう、

アボット政権じゃ~~~

彼が首相になってからというもの、
なんだか福祉と障がい児教育の分野でロクな話を聞かないですよ。
いろいろなところで予算が削られているようで、
他にも「え~ 」というような話を聞いたりしています。
(ビクトリア州だけ??)


はあ、なんか、障がい児の親にとって先行き不安な今日この頃・・・・・・・・


でもカイくんは、元気に障がい児向けのプログラムのほうに通っていますよ。

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火曜日は、ベリーピッキングに行ってきたようです。{07303FA3-2502-484B-806C-B20E1BB337F8:01}
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水曜日
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今日

今週は、新しいのと地域のプログラムで合わせて4日間ホリデープログラムに通いましたが、
来週と再来週はたった1日ずつ、のみ・・・・・。

スクールホリデー、長すぎ 早く終わってくれ~~