幼虫たちのその後 | 私のプリズムワールド

私のプリズムワールド

東日本大震災・コロナ騒動を経て、すっかり世界観が変わり、生き方が変わりました。時々ヨガインストラクターの松森由美です。

このブログは、私というプリズムを通して見る世界を、自由に綴ったエッセイです。

これは前回のブログの続き。
ほんとに色濃い1カ月間で。
(〃^ー^〃)

ナミアゲハの幼虫ちゃん達♡

あのコ達の生き様とともに、
伴走して過ごした日々は、
私に課された命のレッスン。

かなり長文になるけど、
その一部始終を、綴ります。

***   ***   ***

☆黄緑色の幼虫達との日々☆

あの目玉模様の着ぐるみを、
初めて見た時はなんじゃあ!?
(@_@)
正直びびってしまったけど。

卵から孵ると、その卵を食べて、
そこに生まれたという痕を消し、

黒い鳥の糞を模した幼虫期には、
私、鳥の糞ですよ。と身を守り、

脱皮した後は、脱け殻も食べて、
そこに居たという痕跡を消して、

黄緑色になります。(5/29頃)

この時の脱皮の後の、あの、
すっとんきょうな着ぐるみは、
纏うことで体を大きく見せて、
外敵から身を守るのだそうな。


本当の頭はその下にあって、


小さい頭と小さいお手々が、
何かお祈りでもするように、
合掌しながら、眠るのです。

お祈りですか!(@_@)

その敬虔な姿を見るたびに、
私の不遜な心が鎮まります。

すごい!こうして眠るんだ!
(@_@)

長い間こんこんと眠った後、
目が覚めるや葉っぱを探し、
大好きな葉っぱをモリモリ。

端から端へとキレイに食べ、
始めに戻ってまたモリモリ、
規則正しく食べ尽くします。

そしてコロコロ糞を落とす、
その量たるや。
葉っぱをよい肥料に変えて、
金柑にお返ししてるのです。

すごい!本物の循環!(@_@)

食べて眠って糞を出し、
食べて眠って糞を出し、

行く手を遮る糞あれば、
自らお手々を使って、
転がし落としお掃除も!

キレイ好きなのね!(@_@)

このコ達は、
食べて体を作るのがお仕事。

そこには、
喜びと幸せしかありません。
もりもり、もりもり。
日に日に大きく育ってきて、
見てる私も幸せになります。

どんどけ食べるか見ていると、
突如終了のお知らせが降りて、
その合図でふっと食べ止まる。

そして、
葉っぱにスリスリ頬ずりし、
ありがとう、ありがとう、
名残惜しそうにお別れして、

おぉ、これは、
恵みへの感謝です!(@_@)

それから、
小さなお手々とお腹の足で、
近くの茎に縦長に掴まって、
またこんこんと眠りにつく。

このコ達は天から愛されてる♡

満腹の眠りが気持ちよすぎて、
着ぐるみの頭はのけぞっては、
おっとっと、と戻ってきて、
正面の茎にゴンッと頭を打ち、

また後ろにのけぞっては戻り、
正面の茎にゴンッと頭を打ち、
なんどもなんども、おいおい。

( *´艸`)

私をクスクス笑せるのでした。

なんて可愛らしい生き物なの!
(*^ー^)ノ♪

***   ***   ***

☆歩き回りが止まらない!☆

そのうち、葉っぱはついにスカスカ、
身を隠す場所もなくなってきました。

幼虫達は、
葉っぱの無くなった茎に、
ガジガジかじりついたり、
古く固くなった葉っぱを、
ガジガジ音を立てて齧り、

かわいそうに。(T_T)

本来は消化できないものまで、
消化しようとするかのように、
ゆっくり頑張って食べました。

柑橘の葉っぱしか食べないのです!
間に合うかしら、必要なご飯の量。

これと相俟って、(6/3頃)
体が強くしっかりしてくると、
お腹の足もしっかりしてきて、
金柑の木の登り降りが始まり、

ほどなく、

金柑のポット鉢の薄い縁まで、
お腹の足は足取りしっかりと、
器用に綱渡りするようになり、

ほどなく、

隣家との境の壁を登っていき、
ツルツルしてるもんだから、
そのうちポタリと落ちてくる。

えーっ!落ちたよ。(@_@)
2m下のコンクリート床に。

鉢の縁を綱渡りするコ達も、
いつ落ちるかと私をハラハラさせ、

堪えきれず、

2月に食べたポン柑の種を植えた、
小さなポット鉢に転がし入れると、

出たばかりの双葉に見向きもせず、
2匹とも仲良く並んで死んだふり。
しばらく横向きに丸くなるのです。

えーっ!死んだふり?(@_@)
無抵抗・無防備このうえなく、
おったまげてしまうのでした。

それ、全然効果ないからさ!
(@_@)

普通、身の危険にさらされると、
オレンジ色のツノを出して、
その匂いで身を守るんですって。

私はツノを出されたことがないので、
捕食者とは思われてなかったのかも。

さて、
壁に張りつきポトリ落ちたコ達。
助けなきゃ~!と、
棒の先にレモンの枝葉をつけた、
救助棒を私に作らせるのでした。

くぅ。手がかかるぞ。(@_@)

これを、隙間から、
落ちた場所に差し込んでいくと、

乗っかって引き出されて戻るコと、
無視してスタスタ遠くへ行くコと。

あれ?食べない。(@_@)
戻っても来ない。
えーっ!大丈夫?
戻っておいでー!

ある時、

フラワースタンドの柱にいたコを、
例によってポット鉢に転がし入れ、
金柑の木の根元に戻してあげると、

どうもいつもと様子が異なります。
死んだふりもせず起き上がります。

あれ?(@_@)

なんてことしてくれるんだよ!と、
何かを台無しにされ慌ててる様子。

レモンの葉っぱを差し出すと、
違う!
と思い切りのけぞられました。

怒られた~。
なんでや~。(>_<)/~~

そして、
同じく転がし回収されたもう一匹と、
驚異的な背筋でお互いに立ち上がり、
やんややんや何かを伝達してる様子。

今思えば、
アイツに気をつけろ!
と伝達してたのかも。
(苦笑)

片方は金柑の木を登って帰路につき、
(アイツに気をつけろ!の伝言かしら)
片方はまた木を離れて歩き回ります。

強い意思です。(@_@)
ちっこい体に、
不屈の精神です。

予備知識が全くゼロだったので、
食べものを求めて動き回ってる?
あるいは、
ここはこのコ達にとって遊園地。
遊んでるだけと思ったのですが、

違いました。(@_@)

サナギの時期が来ると、
育った木は天敵に見つかりやすいので、
安心してサナギになれる安全な場所を、
探して幼虫達は放浪するのだそうです。

ごめんよ、ごめんよ。
(@_@)
私ったら余計な手出しを。
せっかく見つけた場所を、
追い出してしまいました。

結局、最後はそのコも、
ツルツルの壁を登って、

ポトリ。

落ちた音が聞こえました。

余計なストレスをかけられ、
体力を使い果たしたのでは?
(>_<)

助けたいのをぐっとこらえ、
手出しはせず、救助もせず、
もう任せるしかありません。

どうか、良い場所を見つけておくれ。

***   ***   ***

☆サナギから蝶へ☆

6/7、
探してみると、近場にサナギが7個。
猫耳の、可愛らしい形のサナギです。

幼虫時代の半分の大きさでしょうか。
色は、場所の背景に溶け込んでます。

うち、1匹は、
適当な所が見つからずウロウロして、
みるからに弱ってきたので見かねて、

春先に隣家からもらったタラの枝に、
運んであげるとサナギになりました。
色も質感も、タラの枝そのものです!

すごいね!(@_@)

この後、羽化の時にもう一個見つけ、
8匹8様、場所は見事分散しました。

すごいね。(@_@)

あえて、同じ場所を選ばない。
その分散の理由を、
この後、知ることになります。

当初、10匹いた幼虫のうち、

最初の2匹は敷地外脱走で見つからず、
残りの8匹中5匹が、
サナギの中で一度ドロドロに溶けた後、
美しいアゲハ蝶に生まれ変わりました。

おぉ!\(^o^)/
奇跡だー!

そのうち一羽は、
休んでた場所を移動させようとした時、
嫌がって飛び立ち、
どこかに止まってくれてると思いきや、
なんとベランダの手すりを乗り越えて、
上には飛ばず落ちてしまったようです。

えーっ!(@_@)

その後、
落ちたと思われるあたりを探したけど、
痕跡は見当たらず。
またもや余計な事をしてしまいました。

低空飛行でも飛べてたらいいのだけど。
カラスやスズメに襲われてないかしら。

愛情を持ってるのはこちらの一方通行。
アゲハにとっては怖くて逃げたいよね。
(>_<)

次に来てもらったら、気をつけよう。
また来てもらいたい!また会いたい♡

そんな勝手な欲から、

アゲハたちがサナギから蝶になる頃、
山椒の枝葉をたくさんもらってきて、
挿し木にして、空きスペースに準備。

幼虫の食べる葉っぱがあれば、
卵を産みに戻ってくれるかな?

それが、
不幸の始まりでした。
後悔、先に立たず。
(>_<)

一体どんだけの犠牲を払わせながら、
私は程よい距離感を学ぶのだろうか。

***   ***   ***

☆とんだ天敵が現れる☆

それまで喜びと幸せに満ちた楽園を、

変転させたのは、
突如現れた蟻んこのような黒い羽虫。

それが、
サナギにおんぶしてるのを目撃して、
追い払っても二度三度しつこいので、
調べたことから悪夢が始まりました。

アオムシコバチ。(>_<)

サナギの無防備な状態をつけ狙って、
サナギの中に卵を産み込む寄生バチ。
のち、
100、200というすごい数のコバチが、
サナギを食い破って出てくるそうな。

10匹のうち1匹が、
よりによって、皆が離れた危険な場所、
産まれ育った金柑の枝でサナギになり、

そこに無知な私が、
よかれと思って金柑の隣の空き場所に、
もらった山椒の枝葉を大量に、挿し木。
ベランダには山椒の良い香りが漂った。

この香りが、
アオムシコバチを呼び寄せてしまった?
だってそれまでは平穏無事だったもの。
(>_<)

金柑にいたコがすぐに見つけられて、
しつこく何度も狙われたようでした。

その後、
私がタラの木に保護した迷子のコも、
完璧な擬態をして枝の一部になり、
羽化目前にもかかわらずおんぶされ、

えーっ!(@_@)

すぐ追い払ったけど、
これはいかん、と即、

あげはちゃんハウスを段ボールで作り、
中を確認する透明ビニールの窓も貼り、
おんぶされないよう対策保護しました。

ところが、
予定日を過ぎても蝶々に成れてません。
(T_T)

それどころか、
どちらも色が変わり小さくなってます。
生きてますかー?つついても反応なし。

そんな・・・。(T_T)

でも、諦めきれません。
可愛らしいコ達でした。

蝶にさせてあげたいよ。
蝶になるの見たいよー。
(T_T)

この2匹はそれぞれを、
ペットボトルで作ったお部屋に移して、
もう少し様子を見守ろう、と思います。

アオムシコバチ、
そんなのがいるなんて、知らなかった。

アホな考え無しの私が、
山椒の枝葉で呼び寄せ、

本来ならばあのコ達がちゃんと本能で、
自ら選ぶ安全安心な環境を危険に晒し、

またしても、

幼虫達に要らぬ犠牲を払わせてしまい、
私自身もひどく自己嫌悪に苛まれつつ、

こうして、学びを心に刻むのでした。
幼虫達に任せ、コントロールするな。
あんた、神じゃないんだから。
神様は幼虫一人一人の内にいるから。

その証拠に、見てみ。

あのサナギの糸の強靭な張り方。
誰かが教えたわけでもないのに、
内なる神がわかっているんだよ。

サナギの1つを保護する時に、
縫い糸とマスキングテープで、
その糸かけに似せてみたけど、
真似しても到底かないません。

とはいえ、
アゲハの幼虫達を確実に蝶にするには、
室内に保護しないといけないだろうな。

寄生バチ含め多くの天敵がいるからね。

蝶になる確率は1~2%と低いのです。

晴れて蝶になっても、蜘蛛だの鳥だの。

それを思えば、
隠れる場所もないスカスカの金柑の木で、
幼虫時代を安全に過ごせただけでも、
奇跡的で幸運なことだったかもしれない。

ごめんね、ごめんね。
(T_T)


アオムシコバチは網戸に止まってたので、
コイツまだ居るんか!(>_<)
迷いなく潰して仇を取ってしまいました。

***   ***   ***

☆終わりに☆

突然、嵐のようにやって来て、
嵐のように居なくなっていく。


そんなあのコ達の営みは、
感謝と祈りの日々でした。

モリモリ丁寧に食べると、
葉っぱに頬ずりして、
ありがとう、ありがとう。
別れを惜しんでから、

小さな頭とお手々で合掌、
祈るように眠りについて、

生まれると鳥の黒い糞のような外見、
緑色に脱皮すると着ぐるみを授かり、
サナギになると周りの色に同化して、

神様が与えたそのデザインは、
がんばれがんばれの応援です。
天から愛されてるコ達でした。

そして、
自由自在に空を舞う、
華麗なアゲハ蝶に変貌。

どうしてそうなるのぉ?
面影を探しても、無い。
まるで別人のスペック。

奇跡だぁ!(@_@)

柑橘の葉っぱだけ食べて、
お花の蜜を吸って、
肉食しないところも好き♡

その命の、
一部始終を見せてくれた幼虫達には、
感謝しかありません。

本来は子供の頃に触れあっておくもの?
でも私は子供時代全く興味がなかった。
むしろ、
大人になって今だからこそ感性豊かに、
呼び覚まされることのほうが多いかも。

今、出会えたことに感謝。(〃^ー^〃)

10匹中、
5匹がアゲハ蝶へと成長。
2匹が脱走、羽化を期待。
1匹がサナギ化に失敗(?)
    (最初から白く隙間あり)
2匹が寄生の可能性あり。

夏至のピークを過ぎ、
翌日の満月も越えて、
梅雨に入った6/23(日)、

サナギの脱け殻を6つと、
あげはちゃんハウス撤去。

一区切り、一段落です。

金柑の木もよくがんばりました。
食べ物となりベッドとなり、

10匹も育ててくれました。
あとで栄養たっぷりお礼します。

金柑は金柑の戦略で、
全部を食べられてしまわないように、
食べにくい固い葉を残してるのかも。

アゲハのお母さんはお母さんで、
この金柑なら10匹いけるかも!と、
卵を産んでいったのかもしれません。

いつでもウェルカムですが、

幼虫たちの大量の糞を糧に、
金柑の緑が回復した暁には、
お手柔らかに、
5匹程度にお願いしたいです。
(^-^)ゝ゛