自閉症の恵さん(仮名)
推し活が順調にすすみ
野球好きのとあるコミュニティに
入ったらしい
そして
なんとびっくり
「推しを語る会」なるものに参加
1人で電車を乗り継ぎ
渋谷にいったらしい
カラオケにも行き
「熱き星たちよ」
という(知りませんが…)
ベイスターズの応援ソングを歌って
85点も出したらしい
びっくりしすぎて
あんぐり口を開けている私に
でも女ばっかだった
彼氏ほしいのに
寄ってくるのは女ばっかで
私にレズになれっていうこと?
やばいやばい
話の方向性がズレていく
ネガティブスイッチに蓋をした
でもすごいよ!
よく一人で都会に行けたね
電車混んでなかった?
男でも女でも
友達ができてよかったと思わない?
うん
なんせ友達がいなかった恵さん
いつも周りに
おばさんしかいないと
嘆いていた
頼もしすぎる
うれしすぎる
そして月一回のカウンセリングに
付き添った
待ち合わせ場所に
1時間も早く来て待っていた恵さん
最初は
1対1でカウンセリングを受け
先生からお声がかかり
後半の10分ほどヘルパーが加わる
すると
恵さん豹変していた!!
来年は三十路なのに
彼氏ができないのはなんで!
私になんの問題があるというの!
オタクはイヤだ
野球に興味ない奴はキライだ
絵が下手な奴はキライだ
眼鏡と太っている奴と
背が低い奴は門前払いだ
興奮し熱くなった恵さんと
PSを打ちながら
淡々と聞いているカウンセラー
(若くて綺麗な女性だ)
とりあえず私は
1人でできるようになったこと
友達ができたこと
に焦点を当て近況を伝える
そうそう料理も少し覚えたよ
でも…いったん
ネガティブモードのスイッチが
ONになるとなかなか抜け出せない
帰りも熱量が冷めず
電車のカップルに苛立ち
綺麗なお姉さんに苛立ち
私が次の仕事のため
一緒にランチできないことに苛立ち
いつもの恵さんに戻った――
カウンセリングの帰りに
どういうことなのか
もしかしたら
推し活をがんばりすぎて
どこかで
発散したかったのかもしれない
どんなに楽しいことでも
「変化」に対応するのもストレスに
なるらしい
自閉症の人はなおさらだ
豆腐メンタルと言ってた恵さんも
変化を経験して
確実に強くなっている
今年の正月明け
「富士山に登る夢をみたよ!」
と言った恵さんの笑顔を思い出した
富士山5合目までは
ほんとに登ったのかもしれないね
がんばっている恵さんを
来年も応援活!?します
コミュニティが
広がっていくかもしれないし
希望をもって過ごそうね
一年間ありがとう
みなさんも一年間
本当にありがとうございました