いつもありがとうございます
コロナ前の
試食ができた時の話
視覚障害の
外出支援(ガイドヘルパー)
の資格を
とりたてホヤホヤで
先輩ヘルパーから引き継いだ私
1人暮らしの60歳の女性
の
アパートにお迎えに行き
デパートの開店に合わせて
緊張しながら商店街を歩いた
○m先に信号があります
信号が赤です止まります
青です進みます
○㎝くらいの段差があります
学んだ通りに誘導していたら
あなたいちいちうるさいわね
音とニオイでわかるわよ
怒られた
それもそのはず
勝手知ったる商店街
今 花屋の前よね!
そろそろお茶屋よね!
視えなくても音やニオイといった
感覚でわかるそうで…
すごい
デパートに行く目的は
朝食
ビュッフェやカフェじゃないですよ
デパ地下の
試食
週3回ですよ
実演販売員のおばちゃん達
また来た~とは言わないが
露骨に嫌な顔をした
本人は視えないので…
「ひとつ いいですか?」
ヘルパーが聞くと
「どうぞ~」
全然どうぞじゃない顔
中には
試食品を隠す人もいた
本人には視えない …
爪楊枝に刺した食品を渡すと
うんおいしい ごちそうさま~
次は何たべる?
右に曲がると漬物があるよ
食べてばかりだと
のどかわく
そろそろお茶がほしいよね
お茶やコーヒー
スイーツまで試食し
気に入ったところに再び戻る
買う気なんか全くない
散々食べたあげく
朝はこれくらいでちょうどいい
もう 帰ろ!
おばちゃん達の
視線の圧
私が責められてる気がした
本人は視えないので…
イヤな仕事だなと
ストレスを感じていたある日
私はあることに気が付いた
ヘルパーは眼の代わりなんだ
ってことは
その人が視てる!ってこと!?
私が視えている光景を
ありのまま伝える
のが
任務なんだ
そして
その人に言いました
「実演販売の人たち嫌な顔してました」
「他のお客さんも嫌な顔してました」
「私たちを見て試食隠す人いました」
帰り道は最悪
よく覚えてないが
これだけは残っている
言われなくても
空気でわかってたわよ
わかってたの?
怒られたけど
笑われてるような気がした
そして
予想通り出禁になり
代わりのヘルパーもいなくて
他の事業所へ変わっていった
週3回の試食くらい
黙って付き合ってもよかったかな
いやいや無理無理
風の便りで
その人は超節約魔で
お生まれの田舎に家を建てて
引越したと聞いた
だいたい
先輩ヘルパーも 実演販売員も
何も言わす知らんふりしてたのが
ガッカリしたんですけど
たかが試食
されど試食
試食にも誘導にも慣れない
ヘルパーの私も試されたのかもね
経験させてもらって感謝です
<試食の豆知識>
試食はお店が許可してお客さんに
無償で提供されるもの
お腹を満たすことが目的ではなく
あくまでその食品を
購入するか否かを判断するために
試しに味見することが目的
その日は買う気がなくても
今度来たときに
思い出して買うこともあり
販売員の腕の見せ所でもあるそう
しかしお店の想定外に1人で大量
食べると違法になることや
販売員にしつこく試食を要求すると
犯罪に当たる可能性もあるそう
なんか結局グレーゾーン?
社会的な常識を踏まえ
お店に訴えられない範囲
ってことかな
最後までお読みいただき
ありがとうございました