いつもありがとうございます
突然ですが…
寝かせるとお目目を閉じ
起こすとぱっちり開く
リアルな女の子の人形
リボーンドール？ベビードール？
見たことありますか？
数あるヘルパー経験の中
人間の体の不思議さを知った
少しぞわっと…のお話です
とってもやさしい旦那さんと
仲良く暮らしていた
パーキンソン病の友子さん（仮名）
40代でとっても美人
家の中もいつも綺麗で
きちんと整理され
ご病気なのに完璧な主婦
お子さんには恵まれず
代わりにお人形を
愛情たっぷりに可愛がっていた
ヘルパーの任務は
朝 旦那さんを送り出したあと
薬を飲んで寝ている友子さんを
起こして服薬介助すること
しっかり目覚めるまで
転倒しないように付き合うこと
その日により
すでに目覚めているが体が動かない日
お声掛けにも無反応で
まったく目覚めないまま退室の日
半分目覚めかけていて
数分でスパッと目覚める日
毎回違う友子さんがいた
忘れられないあの日は
なかなか目覚められず
時間がたつばかり
旦那さん伝授の手書きメモ
「早く目覚めさせる方法」
を見ながら試みる
足の外側をポンポンと叩いたり
ポイントの頭？に触れたりしたが
どうしても遠慮がちになり
まったく目覚める気配がない
ふと
和室の床の間を見ると
人形がいつもより多いのに気づいた
いつもの女の子の他にも
2人の女の子が増えて
3人で仲良く並んで寝ていた
赤やピンクの可愛い
お布団がかかっていて
シーンと静かで整然とした部屋に
そこだけ不自然で異様に思えた
早く目覚めさせてあげなきゃと
焦れば焦るほど
無表情な友子さんの横で
どうしよう…
私が嫌いで目覚めるの嫌なのかなぁ
と自信がなくなる
メモにあった最終手段！
肩から背中の下に斜めに
右手を滑らせて支え
左手はひざ下を支え
いち にの さん！！
無理やり座ってもらおうと試みたが
体は石のようにカチンカチンで
腰も膝も曲がらない
旦那さんは力もあるし
ラブラブだから目覚めるのかも
頭からつま先まで平行一直線なまま
友子さんは無表情のまま
もうタイムリミットが近づき
半分あきらめて気晴らしに
お人形たちに話しかけてみようと思った
とりあえずいつもの顔見知りの
真ん中の子に話しかけてみた
あらおはよう
はたから見たら私おかしいよね～
すると
友子さんが反応した！
まぶたがピクッと動いたのだ！
さぁ起きましょね
だんだん慣れてきた
図々しく抱っこしてみると
友子さんの体で悪戦苦闘していたので
軽すぎてびっくり
お目目がパチリと開いて
私を見ている
その時！！
友子さんが苛立ったように
言葉を発した
「起こして！」
「おねがい！」
「起こして！」
辛そうではあったが
どうにか座ることに成功！
起きる瞬間
人形のと同じように
お目目がパチリと開いて
私を見つめた
正直ぞっとした
友子さんは急に屈伸運動をして
私に新しい娘を紹介したかったの
と名前を教えてくれた
「○○ちゃん（お人形）歩きましょ」
「１、２、１、２ あんよがじょうず～」
”あんよ”って今の時代通じるのかな
畳の上をお散歩させていたのだが
びっくりしたのは
足の運びが人間の子供の動きにそっくりで
よくできた人形だなと感心した
「○○さん（私の名前）みてみて～
あたし歩けるようになったの～」
「えらいね あんよ じょうずだね」
と言いながら苦笑い
でも目覚めてよかった
任務を果たせてよかった
いったん目覚めさえすれば
体操選手みたいに足が上がり
家事をテキパキと始める美人妻
素敵な笑顔の友子さんにご挨拶した後
人間って
不思議不思議不思議
といつも思っていた
今も不思議ですが
解ったことは
人間の体と脳とは
まちがいなく
密接に連携していること
日々頭をやわらか～くして
ストレスを溜めないようにしよう
最後までお読みくださり
ありがとうございました