ヘルパーって本当に素晴らしい仕事です。
時に人生のお師匠さんとの出逢いがあります。
お一人暮らしの90歳。A様。
毎朝通っている近所の銭湯から自転車で帰られるタイミングで週1日訪問していました。
お坊さんのような丸刈りの頭からは、まだほっかほっかの湯気が出ていた…(ように私には見えました)
私がお掃除を始めると、A様はお仏壇のお掃除をされます。
(基本、お仏壇の掃除は認められていないので)
お互いに手は動かしながらもたくさんお話をしました。驚いて手が止まることもよくありましたが。
癌を3回も克服された話。
「悪いものは、とっちゃえばいいんだよ。」
「また出てきたら、またとっちゃえばいいんだ。」
「過去・現在・来世 は わかりやすく言うと
昨日・今日・明日と同じ。」
「今日の仕事はなるべく今日で終わらせること。」
「明日(来世)に持ち越さないようにな。」
若い頃は仕事であちこち飛びまわり、女房を孤独にさせた。行った街で着物の姉ちゃんが三味線を弾いてくれるのをお酒を飲んで楽しんでいた。金遣いも荒かった。でも女房は何も言わなかった…と。
奥様は認知症を発症し、夫もわからなくなり数年前に旅立たれたとのことでした。最期まで側にいてあげられてよかった。と穏やかな笑顔でおっしゃっていました。
「どんな結果にも必ず原因がある。」
「自分でまいたタネは生きているうちに
自分でどうにかしないとな。」
自分で飯作ってテレビ見てお茶飲んで。あなた達に助けてもらって。今幸せなんだよ。
でもまだやり残したことがある
そうおっしゃった時の、全身からあふれていたオーラ(私には見えた)は一生忘れることはないでしょう。
ヘルパーとしてたまたま出逢った家族でもない私に大切なことをたくさん教えて下さった人生のお師匠さん。A様。
あちらの世界でも熱いお風呂と、熱いお茶がお好きなのかな。
夢でもいい。会いたいと思うこの頃です。
書きたいことがまだありますが、またの機会にします。
本当にありがとうございました。