接客業の楽しさと実情…的な? | Happiness & Emotion 

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なぎこの「お仕事 ときどき徒然」ブログ。
お仕事のこと以外にも、日々の徒然や韓ドラ(主に史劇)愛、宝塚愛もつぶやきたくて
2023年リニューアル。

ちょっと久しぶりにお仕事の話をしてみる。

 

 

接客マナーやコミュニケーションの講義を担当させていただいて、もう4年のご縁をいただいている北東北の、とあるホテル様の口コミ、レビューがだんだんと上がってきていることは嬉しく見てきたけれども、とうとうお客様から「スタッフさんがディズニーキャストかと思うほど…」というご感想が上がっていた。

ニヤニヤしてしまった反面、でも目指しているのはそこじゃないよね、という気持ちもある。

確かに私の経験してきたディズニーの接客技術やお客様に向ける思いは、接客業の原点だと思っているし誇りもある。

けれども、私が求められているものは決して「全テーマパーク化」ではないのは明白なわけで。

 

 

 

私の研修は、テーマパークでの経験を活かした接客技術を伝えながら、その良いところを取り出して施設様に活かしてもらうこと。さらにその施設様の、もっと言えばそこで働くスタッフの皆さんがお客様への限りない幸せの提供を通して、やりがいや自分自身の幸せを感じてもらうことにあるのだ。

 

もともとこのホテル様とディズニーの考え方の行きつく先や経営の理念はとても似ていて(…というかほぼ一緒。何ならたぶん同じところに起源があると思う。)、共通している部分もたくさんあるのだけれど、ホテルをテーマパーク化することはできないし、接客方法やお客様のご要望、もちろん経営方法だって全然違う。

ホテルコンセプトももちろんあるし、そこを分かった上でないとその施設の研修はできない。

 

幸い4年間担当させていただいていることで、スタッフさんお一人お一人の顔も名前も一致するようになって、研修に関する忌憚のない意見ももらえるようになった。

時々研修後にこの頃の仕事の悩みを打ち明けてくださる方もいたり、良いところも悪いところも見せあえる関係になっているかもしれないと時々思う。

なんならそのホテルの、私もいち従業員かもしれないとも思っている。(迷惑)(笑)


とにかく、こちらのホテル様の良いところは、働く人全員が同じ方向を向けるようにしているところだと思う。

たとえパートの清掃の方でも、時給を出して社員と同じ研修を受けてもらい、自分たちの仕事が行き着く先がなんであるのか、そのために自分の仕事やチームでのワークをどう構築していくかを考えられるようにしているのだ。

そうしていると短い時間の仕事だろうが、お客様との接点があまりない仕事だろうが、「私たちの仕事がこの施設を回している」という自負ができ、目標と達成感を感じられる仕事ができるようになる。

だから私はこの施設様の掲げる経営理念を大事に考え、ベースにして、手を変え言葉を変えて毎回話すし、色んな角度から分析して受講する方々に考え、動いてもらう。

決して聴くだけ書くだけの研修にはしない。

動くから考えるから、身についていくし自然と意識も高くなり、お客様評価も上がっていく。

素直に私を信頼して聴いて下さる人間性を持つスタッフの皆さまにも、本当に助けられていると思う。

 

 

 

で。

こういった研修をしていると、地元の観光施設やそこで働く人たちの意識の低さにやりきれなくなることが多々ある。。

 

私が毎冬働いている施設でも、第3セクターという大船(実は泥船か…?)に頼り切った人件費や経営、季節雇用で働く 昔からのやり方や考え方をアップデートできないオジオバの集合体、変革意識のない社員が目に付く。

なんていうか…こうして何も変わらないまま5年後10年後が迎えられる気でいるのだろうか。

本当に小さい経営をしている私でも、地元の人口減少、若い働き手担い手がいないこと、地球の高温化による天候の激的な変化や災害、円高やインフレによるお客さまの変化さえ解るのに、ここの多くの観光施設はそういったことにわざと目をつぶってやり過ごそうとしているように思えて仕方がない。

 観光地としてものすごく盛り上がった時代があっただけに、「ほっておいてもお客様が来る」という意識が、実際今でも多くの施設で見られる。

今は一時的に台湾、中国、韓国やタイ、他アジア圏のお客様がまた戻ってきているし、円高でヨーロッパ、アメリカからのお客様も多い。

怖いのは日本中に目立ってきた「外資の全施設買取」だし、そうなってしまってお客様からの評価がめちゃくちゃになり、日本人のお客様から見放されてしまった施設も多い。

どの施設も営業さんがいてマーケティングはしているだろうし、いろいろなイベント、集客策もしているのだろうけれど、なんだか的外れに見えるし、じっさい閑古鳥が鳴いているか、雪のない短いシーズンの商売だけに頼り切っている。

 

 

 

 

そして何より「そこで働く人」がアップデートできていないのだ。

 

これは今働いている施設の例だけど、古くから働いている人たちの力があまりに強くて、社員も口を出せない(というか避けている、または同化している)。

自然と全てがその人たちのやり方となり、新しい提案をしようものならシーズン中は口をきいてもらえなかったり、無視されたり。…子供か?!

新しく若い子が入ってきたとしても、休憩中に催される誰かの悪口大会に入っていかないと、今度は自分が悪口の標的にされるので、空しく相槌を打つ側に回る。または精神をやられて辞めてしまう。

(私?)(伊達にコミュニケーションを教えてる側の人間じゃないぞよ)

(まあ何だな、だいたいは無視。またはボソッと正論のち笑顔)

 

そんなわけで若い子が来ない。毎年募集をかけてもこの人手不足の折集まらないし、さらに一人一人の負担が多くなり、お局は忙しさに人を怒鳴り弱い者いじめが始まる。それがさらに悪循環を生む。

一緒にやっているはずの誰かの仕事は雑になり、それはいつかお客様にご迷惑をかける事態を生む。お客様離れはどういうところから起きるのかわからない経営者が多すぎる。

 

 

もう書いていてなんだかアップデートより「リセット」が必要な気がしてきたぞ。

まだ若い人たちが一から始めた方が、斬新で面白いアイディアや目標ができるんじゃないか?

 

 

でもこれはここだけの話ではない。

地方観光地の多くに見られる現象。

でも先ほど述べたような、これからの時代の懸念事項を打破するために必要なのは、賢い経営者ならみんな分かっている。

変化しないで生き残れる、やり過ごせる、去年と同じことができると思っている経営だと感じたら、そこから離れた方が無難だということ。

 

資本があったりファンがついているだけではなく、星野リゾートや東京ディズニーリゾート、リッツ・カールトンホテルなどのように「目指す経営目標や方針がしっかりあって、そこで働く人みんなが意識して同じ方向を見るからこそ、お客様の長い信頼を得られる」ということを知ってほしい。

「それは理想」だとか「できるわけない」は、やってみてから言いましょうか。

現にやれている会社があり、業種が違ってもそこを真似るだけで一歩でも前進できることが分かっていて、やらないのはなぜですか?

 

 

あと。

「掟・習わし・悪しき習慣」「体罰や無視、いじめ」を体現している人は、貴方の会社の最悪の病魔ですよ。

仕事ができようが何しようが、広がらないうちに切除されるか、強い薬で小さくされることをおススメします(笑)。

 

 

 

接客業の仕事の先には、接客が好きな人の目線の先には必ずお客様の幸せがあって(目標)、その幸せが何から来るのかを理解していて(方針)、そのためには何をしなければいけないのかを自分なりに把握できて(行動)、それを通して自分の幸せややりがいを感じる(還元)。

そういう会社や集合体をたくさん増やしていきたい。

そんな施設様のお手伝いをしたいと考えている私です。

 

仕事ください。(結局そこ)