大叔母が亡くなりました。

 

ずっと・・・30年近く会ってなかったのに、

亡くなると淋しいです。

子どものころ、可愛がってくださいました。

特に、高校が大叔母の家から近かったので、

一人で遊びに行ったりしてました。

 

 

とても内気な叔母なので、内心どうだったのかな、と

今になってみればドキドキしますけど、

歓待してくれた、と記憶しています。

 

 

親戚中で、大叔母の家に泊まったことがあるのは、

私一人だと思う。

 

もしかして、素の大叔母を知っていたのも、

私くらいかも。

すごくかわいい人でしたよ。

大人の女性を「可愛い」と思ったことがなかったので、

当時はとまどいましたが、

今思っても、少女のような人でした。

 

すごい美人なんですよ。

 

えーと。

私と血がつながってるのは大叔父の方です。

祖母の弟が大叔父。

ちなみに、ピアノをくれた大叔母は祖母の妹です。

 

 

祖母もピアノの大叔母も亡くなりました。

大叔父は存命ですが、大叔母の葬式をあげる元気はなくて、

火葬式というのを、甥っ子たち後見人で揚げたそうです。

 

甥っ子の一人が、私の実家の父。もう一人は従兄。

従兄の方が本家になります。

大叔父夫婦には子どもがいないのです。

 

 

子どもがいないのに、大叔父のことを「パパ」と呼んでいた大叔母。

当時も私は、「どうしてパパなのかなあ」と

思ってはいました。口にしたことはないけど。

「パパ」「パパ」と呼んで、頼りにして、立てていましたね。

嫁しては夫に従い、ってところでしょうかね。

 

 

住んでいたマンションには大叔母の「自室」があって、

母に部屋などないのが当たり前だと思っていた私は、

その点でもびっくりしたのですが、

ちょこちょこと、可愛い感じの・・・。

 

 

私はもうなんというか「母ちゃん」をやっていて、

少女のような大人になる道は絶たれてる 笑 のですが、

選ばなかった人生というか、

経験していないのに、懐かしいというか。

 

ベランダにも部屋にも植物がいっぱいで、

小鳥を可愛がっていた大叔母。

叔父といっしょじゃなきゃ、外になんか出ない感じ。

 

一人でどこへでも行く私と、まったく共通点がないわ 笑

 

母が言うには、マンションにはおばさんの荷物は何もなかったんだって。

鞄も服も、何も。

(お棺に入れるつもりで、見に行ったもよう・・・)

 

晩年は認知症で長いこと施設で暮らしていました。

 

母は、「おじさんは自分のモノばっかり買って、

おばさんに何も買ってなかったのかしら!」とご立腹でしたが、

私はそうは思わなかった。

 

おしゃれして外へ行きたいとか、

大叔母さんはまったく思ってなかったと思う。

おじさんはそんな気持ちをちゃんと汲んで、

そうしてあげてたんだと思う。守ってあげてたと思う。

 

おじさんが外で見た面白い話を、おばさんは聞くの大好きだった。

カッコつけで見栄っ張りのおじさんだけど、

かっこいいおじさんが大好きだったんだと思う。

 

ご実家は、ずいぶん前に何も付き合いがなかったと聞いていました。

 

大叔母さんには「パパ」しかなかったんだな。

 

おじさんも、もう体が自由にならずに、

施設に入ってしまったので、

二人が住んでいたマンションは、そのままガランとあるようです。


 

火葬式をやった甥っ子たちは、後見人で、

おじさんがもうちょっと元気だったころに、

喧嘩しながらも協議をして、

二人が亡くなった後のことは、すでに相談済だそうです。

なんといっても高齢ですから。

二人ともアラ卒です。甥っ子だってアラ傘です。。

 

おばさんは認知症で、ずいぶん前から、おじさんの顔もわからなく

なっていたと聞いていますが、

おじさんは、ずいぶん淋しい思いを、今、してると思う。

 

それでも、おばさんが先で良かったと私は思う。

おじさんの為にも。

 

子どもがいないおじさんとおばさんは、

本家のお墓に入れてもらえることが決まってるそうです。

 

マンションはどうするのかなあ、と

私が心配することじゃないのに、思ってしまう。

二人が楽しく暮らしていたあのマンション。

たくさん観葉植物があって、小鳥がいて、

トーストとコーヒーの朝ごはんだった叔父の家。

 

だれか、縁者が住んだらいいのにな、と思う。

 

いつのころからか、親戚のことにも大叔父は一人で来るようになり、

大叔母が入院したときも「見舞いに来なくていい」と言われた私。

母は「ぜんぜん変わっちゃったよ」とだけ言っていました。

 

横顔のキレイな、毎日楽しく「パパ」の話をしていた

大叔母のまま、私は覚えてる。

それが望まれたのかな、と思ってる。

 

亡くなったと聞いて、うちにある大叔母さんの写真を出した。

結婚式の時の写真。

ニコッと笑ってピースしてくれてる。

披露宴の時に弟が回って全員分撮ってくれた写真だけど、

ピースなんかしてるの、大叔母さんだけだったよー!笑

 

あの日は楽しかったね。

 

ちっちゃいときから、たくさんかわいがってくれて、ありがとう。

たまこおばさん、私はおばさんが、大好きだったよ。

ずっとずっと、大好きだよ。

おじさんも、もう高齢だけど、もう少し元気じゃないかと思うので、

少しの間、待っててあげてね。

ゆっくりしていてね。