しばらく前の話になりますが、米FDAは4月14日に、呼気を用いた新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診断検査(InspectIR Covid-19 Breathalyzer)に対して緊急時使用許可(EUA)を認めました(FDA2022年4月14日、プレスリリース、レター、紹介記事はJAMA. 2022;327(19):1860.)。
プレスリリースによると、この検査は感度91.2%、特異度99.3%と性能が高く、事前確率4.2%の集団における陰性的中率(NPV、検査陰性であった場合にほんとうに感染していない割合)99.6%だったということです。呼気で検査できるので侵襲性がなく、かつ3分で結果が出るというので、交通機関やイベント会場などで便利に使えそうです。でもまあそのうちCOVID-19がエンデミック(くすり×リテラシー2022年1月23日、5月3日)になってくると、会場で検査をすること自体が下火になっていくかもしれませんが(!)。
呼気を用いたCOVID-19検査に関しては、島津製作所が東北大学と組んで開発していました(島津製作所2020年10月16日)。こちらは上記の米国のとは異なる技術(呼気オミックス)を用いており、研究用(医療機器ではない)です。