米CDCは1月21日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンのブースター接種(くすり×リテラシー2021年9月15日9月18日10月20日10月28日2022年1月15日)に関する新しい研究結果を発表しました(CDC2022年1月21日MMWR2022年1月21日CNN日本版2022年1月22日)。

 

2021年8月26日から2022年1月5日までの間に全米の373の救急部門/緊急ケアクリニックを受診した22万2772件(デルタ主体時期20万4745件、オミクロン主体時期1万8027件)を分析しました。デルタ株が主体だった2021年8月~12月半ばでは、救急/緊急クリニック受診に対するワクチンの効果VE(vaccine effectiveness)は、2回接種後14~179日の人では86%、2回接種後180日超の人では76%、3回目接種後14日以上の人では94%でした。オミクロン株が主体の時期では、VEは順に52%、38%、82%でした。2回接種後半年以上たつとVEが下がりますが、ブースター接種によりVEが再び上がりました。ただし、オミクロン株主体の時期はデルタ株主体の時期より、VEはやや低い結果です。

 

同様に、入院した8万7904件(デルタ主体時期8万6327件、オミクロン主体時期1577件)の分析からは、入院に対するVEは、デルタ株が主体だった時期では順に90%、81%、94%、オミクロン株が主体の時期では順に81%、57%、90%でした。やはり、ブースター接種によりVEが再び上がっていました。ブースター接種はオミクロン株に対しても有効なようです。CDCはこれらの結果から、2回接種済みの人も、適格であれば3回目接種を受けるべきと考察しています。 

 

この分析を行ったのはVISION Networkという研究グループです。CDCが資金提供し、コロラド大学やカイザーパーマネンテなど複数の機関が協働しています。

 

医療従事者や高齢者には3回目接種が既に始まっています。筆者自身の3回目接種がいつになるかはまだわかりません。たぶんオミクロン株の流行時期には間に合わないでしょう。