米Modernaは7月27日、開発中の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンのフェーズⅢ試験(NCT04470427くすり×リテラシー2020年7月15日7月22日)を開始したと発表しました(Moderna2020年7月27日日経2020年7月28日)。日経記事には、実用化目標時期として、先行する英Oxford大/Astrazenecaが2020年9月、Moderna/NIAIDが2020年秋と書かれています。

 

 日経記事では、米PfizerがドイツのBioNTech社と組んで開発中のRNAワクチン(BNT162)についても触れられていました。ClinicalTrials.govの当該試験(NCT04368728、7月29日時点でリクルートはまだ)の説明によると、フェーズⅠ/Ⅱ/Ⅲをまとめて行う試験(!)のようで、目標症例数は3万2000人です。

 

 また、英Oxford大のワクチンのフェーズⅠ/Ⅱ試験の予備的な結果(くすり×リテラシー2020年7月21日)が発表された7月20日に、中国CanSino社が開発中のアデノウイルスベクターワクチンのフェーズⅡ試験(NCT04341389)の結果もLancetに発表されました(Lancet. published July 20, 2020. DOI: 10.1016/S0140-6736(20)31605-6.)。このワクチンはまだ開発中なのに、既に中国人民解放軍にワクチンを供給する許可を得た(!)そうです(日経2020年7月14日)。

 

 COVID-19ワクチンの開発競争はいよいよ最終段階に入ってきました。開発されたワクチンを誰(どの国)に供給するかが次の焦点です。