米Moderna社が開発中の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン(mRNA-1273、くすり×リテラシー2020年3月17日、5月19日)のフェーズⅠ試験(NCT04283461)の予備的な結果が、7月14日にNEJMに発表されました(NEJM. published July 14, 2020. DOI: 10.1056/NEJMoa2022483、プレスリリースはModerna2020年7月14日、pdf)。まずは第一段階を突破した、という感じです。
18~55歳の健康な男女計45人を対象に、3種類の用量(25μg、100μg、250μg)のワクチンを、それぞれ2回接種した(各群15人)ところ、全員が抗体を獲得しました。有害事象は全体として、量が多くなるほど多くみられましたが、試験の遂行に支障を来すほどではありませんでした。被験者の半数以上に見られた有害事象は、倦怠感、悪寒、頭痛、筋肉痛、注射部位の痛みでした。25μg群の1人が一過性の蕁麻疹で中断しました。
ClinicalTrials.govを「mRNA-1273」で検索したところ、3件ヒットしました。
・NCT04283461:上記のフェーズⅠ試験
・NCT04405076:フェーズⅡ試験(7月15日時点でActive, not recruiting)
18歳以上の計600人を対象に、50μg(18~54歳)、50μg(55歳以上)、100μg(18~54歳)、100μg(55歳g)の4通りで、それぞれワクチン群とプラセボ群を比較するランダム化比較試験(RCT)。主要評価項目は安全性、副次評価項目で有効性(中和抗体)
・NCT04470427:フェーズⅢ試験(7月15日時点でNot yet recruiting)18歳以上の3万人を対象に、100μg群とプラセボ群を比較するRCT。主要評価項目は2回目接種の14日以降にCOVID-19が発症した数
(2020年11月12日追記)
上記論文がNEJM2020年11月12日号に掲載されました(NEJM. 2020;383:1920-31.)。