空のかけら② | 島村寺子屋まなび塾&ハポス治療院  公式ブログ

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国家資格の柔道整復師であり、心とからだのセラピスト歴28年のハポス田島があなたのつらい痛みを一緒に治して行きます。

あなたのその繰り返す痛みと辛さは???
自分自身に向き合う方法を、一緒に考えて行きましょう。

「分かった!私がなんとかしてあげる!」
愛莉ちゃんはすっくと立ち上がると、空のかけらに向かって言いました。
「ありがとう、愛莉ちゃん」
空のかけらも立ち上がりました。
「でも、どうやって空に戻してあげればいいの?」
愛莉ちゃんは首をかしげました。
「シャボン玉って作れる?」
空のかけらが聞きました。
「うん、作れるよ。こーんなにおっきいの」
愛莉ちゃんは両手をいっぱいに広げて言いました。
「それじゃあ、夜になったら外で大きなシャボン玉を作ってくれない?僕、それに乗ってお空に帰るよ!」
と、空のかけらが言いました。
「シャボン玉でお空に帰れるの?」
「空にいた頃にシャボン玉が僕の所まで飛んでくるのを見たことがあるんだ。だからきっと大丈夫だよ!」
空のかけらは自信満々です。
「わかった!じゃあ私頑張ってシャボン玉作るね」
愛莉ちゃんがそう言うと、空のかけらは愛莉ちゃんの周りをぐるぐる回って喜びました。
 そして、その夜。
愛莉ちゃんはベッドからこっそり抜け出し、外にでました。
外は真っ暗でお月様の光でぼんやりと辺りが見えるだけです。
愛莉ちゃんは怖くなってしまいましたが、大事なお友達のためにと勇気を出して歩き出しました。
昼間のうちに庭に隠しておいたシャボン玉の液とストローを持って来ると、愛莉ちゃんはポケットから空のかけらを出して、肩に乗せました。
「シャボン玉ができたら、肩からジャンプして飛び乗ってね。」
愛莉ちゃんはヒソヒソ声で空のかけらに言いました。
「分かった!」
空のかけらもヒソヒソ声で言いました。
「いくよ!」
愛莉ちゃんはシャボン玉の液をたっぷりとつけると、ふぅっと息を吹きました。
シャボン玉は今まで見た事ないぐらい大きくなって、空に浮かびました。
「えいっ!」
空のかけらがかけ声とともに愛莉ちゃんの肩からシャボン玉に飛び移りました。
シャボン玉は割れる事なく空に吸い込まれるようにどんどん空に向かってのぼっていきます。
「愛莉ちゃん、ありがとう」
シャボン玉はもう愛莉ちゃんには届かない遠いところに行ってしまいましたが、空のかけらの声だけはしっかりと愛莉ちゃんの耳に届きました。
愛莉ちゃんはシャボン玉が見えなくなるまで、ずっとずっと手をふって空のかけらを見送りました。
そして、すっかり見えなくなると愛莉ちゃんは急に怖くなって急いで家に戻り、 そぉっと布団にもぐりこみました。
「空のかけらさん、ちゃんとお空に帰れるといいな」
愛莉ちゃんは、そう思っているうちにいつのまにか眠ってしまいました。

 空のかけらがいなくなり、しばらくすると愛莉ちゃんは空のかけらに出会ったことを忘れてしまいました。
保育園を卒業し、愛莉ちゃんは小学生になっていました。
愛莉ちゃんは友達と仲良くおしゃべりしながら手をつないで家へと帰っていました。
すると、道端に何か青く光る物を見つけました。
愛莉ちゃんは近寄ってみました。
そこには粉々になった青いガラスのようなものが落ちていました。
愛莉ちゃんは空のかけらのことを思い出し、触ってみました。
ガラスの破片かと思ったものは少しもチクチクしませんでした 。
「空のかけらさん」
愛莉ちゃんは友達に聞こえないように小さな声で話しかけましたが、かけらはこたえてくれません。
愛莉ちゃんはそのかけらたちを丁寧にティッシュに包むと、家に持って帰り、画用紙のうえに糊で一つずつはりつけました。
そして、その下に大きく
「空のかけら」
と書いて、壁に貼っていつまでも大事に飾っておきました。



おしまい