私は、静岡市の田町という所で生を受けた。そして歩いて10分くらいの

所にある幼稚園に1年間通った。

小学校1年生のときに起こしたちょとした出来事を今でも鮮明に覚えている。

右の片足を椅子の上に引っ掛けて授業を聞いていたときのことであった。

今思えば、小学一年生が行う態度ではないと思う。

先生、女性の先生だった、が私の格好を見つけてわたしの所に近付いて来た。

そして何も言わずに、持っていた手ぬぐいで、私の足と椅子の上部とをくくりつけてしまい、私は授業が終わるまでそのままの状態でいたことを覚えている。

途中で、手ぬぐいをほどこうとしたら、「ほどいたら駄目だ!」と先生に怒られた

事を覚えている。授業が終わった後、先生がやって来て、「何で縛られたのか反省しなさい」というような事は何も言わずにてぬぐいをほどいた。

自分としては、未だ小学校一年生で6歳だから、別に他意はなく、ふざけていたのではないかと思う。

しかし他の生徒はちゃんと椅子に腰掛けているのに、私だけが、ふざけた格好で

椅子に腰掛けていたのだから、先生に怒られても当たり前であったのであろう。

私は、これまでの人生の中で、ある劣等感を心の深奥に封印してきた。

私は中学生の頃から劣等感をもって毎日を過ごして来た。

この劣等感は常に、私の頭を離れることなく、私の心を支配してきた。

抑さえても抑えても、消え去る事はなかった。忘れようとしても、常にこの

劣等感と戦い続けていたのである。何時かは封印を解いて吐き出さない限り

私はその呪縛から逃れられないのではないか?

しかし、それを吐き出す勇気が私には無かった。自分の生い立ちに素直に立ち向かう勇気、そしてそれをそのまま素直に受け入れる勇気、言うは易しいが行うは難しであった。しかし、何時かはその現実を受け入れない限り、私は自由になれない。何時までも負い目を感じながら生きていくのはつらい事だ。

私は、私の劣等感の根源となっているものに立ち向かと遂に一大決心をした。

これから綴っていく事は、私が私に向けた鎮魂歌そのものであると思う。