私は幼稚園に上がる前までは、しょっちゅう母親の実家のある田舎に遊びに行き、田舎で過ごしていたお爺さん子、お婆さん子だった。だから、お婆さんが家に来たときには嬉しかった。なぜなら、一晩だけ泊まって翌日には、田舎へ帰るのだが、帰るときには、必ず私も一緒にお婆さんについて田舎へ行けるのが嬉しかった。私が住んでいた家から田舎の家までは約一里(4km)あり、お婆さんはリヤカーを引いて帰るのである。

私はリヤカーに乗かって田舎に向かうのであるが、

途中、安倍川という川に差し掛かる手前が上り坂になっており、この時には、

リヤカーから降りて後押しをよくしたものだ。そうすると、お婆ちゃんは必ず

駄賃をくれた。その駄賃を貰うのが嬉しくて嬉しくてたまらなかった。

こんなわけで、お婆ちゃんと一緒に田舎へ行くのが実に楽しかった。