「三体」見ました。
どもーーーー。
話題のSF小説「三体」の映像化。面白いと聞いていたのだけど分厚い本を読む気にはならなかったので待ってた。Netflix版、テンセント版(中国制作)両方見たけれど、結局どちらも途中までだった!なのでネットでレビューやあらすじをいろいろ読んでなんとなく全体を理解しました。特にあらすじは説明しませんが感想みたいなものを。
●宇宙のまばたきと悟り
汪淼(ワン・ミャオ)と同じく、わたしは「宇宙の瞬き」を見たことがある。わたしが体験した「悟り」は「物理学は存在しない」ということを思い知らされるような出来事だった。真っ暗な宇宙というか空間に放り出され、まばたきを見せられた。全てが消えてまた現れた。生じては滅する宇宙を目の当たりにして、今までわたしの生きてきた「現実」とは、単なる生滅現象の繰り返しだと知った。
さらに衝撃だったのは、宇宙には規則的にまばたきをしている自分一人しか存在していなかったこと。本当に驚いたし、これが「悟り」なのだとはっきりと理解した。結局全てが幻想で意味など無かったという気づき。
今までの現実が崩れ去るというか、今まで信じていたものが無になるとか。わたしの体験したような「悟り」ではなくとも、現実の様相が一変するような出来事は全て「悟り」のようなものなのかもしれない。
●心の変化と現実の変化
宇宙が自分だけの為にまばたきをすることも、葉文潔(イエ・ウェンジエ)が文化大革命で父親を殺されたことも、三体問題に解がないことが証明されたことも、人が絶望した時世界は大きく変化していく。小さな変化から大きな変化へ。心の変化から現実の変化へ。
スケールが変わりながら何度も同じことが起きるのが宇宙。目に見えない心と目に見える現実は入れ子状態になっている。それが「三体世界」。
●宇宙のイメージ
三体問題を解こうとしていた魏成(ウェイ・チョン)の3つの球の宇宙イメージがわたしの宇宙のイメージと似ていた。魏成は死のイメージを持っていたようだが、わたしのイメージは生だ。わたしの宇宙イメージはこんなかんじ。柏手を三回打つ動作を思い出してほしい。1回目で現れ、2回目で分裂、3回目で森羅万象が領域展開する。心臓の鼓動毎にそれが起きてるのが宇宙。
●3はなぜだか難しい
ひとつだったものがふたつに、そしてみっつになると物事は途端に複雑になる。人間はなんで「3」だと理解できなくなるんでしょう。理解できないから滅亡する。それが「三体世界」。
「三体世界」とは心の中の世界で、太陽が三つある場所。恒紀と乱紀、脱水と再水化。カオスなのにカオスじゃない。心はつかみどころがないからとても難しい。
●11次元のはなし
で、驚いたこと。最近ふと思いついたやつと同じじゃんこれ???原作の文章かな。↓
この宇宙では、マクロ世界の三次元+時間以外にマクロに折り畳まれた7つの次元の合計11次元が利用可能だが地球文明は四つの次元しか使えていないが三体文明は11の次元を使いこなしているのではないか。
わたくしの見解↓
超弦理論の11次元の意味がわかったかもしんない
— ぱんちゃん (@hapinemiku) November 16, 2023
観測者(3次元の空間+1次元の時間)
観測者のコピー×7(それぞれ折り畳まれた1次元の時間)
で11次元
そう、三体人(観測者)は11次元を使いこなせる。わたしは『11次元の使い方』を、この記事の続きで書ければいいなと思ってる。なかなかぜんぜん筆が進まないけれども!!毎日ワードプレス開いては閉じてる!!
●結局三体人ってなんなのか
わたし的ネタバレというか、結局三体人とは何だったのかというはなしをしたい。物語の中では詳しく説明が無いようだ。
三体人は地球の科学技術発展を阻止するために陽子を2つ飛ばした。それが智子(ソフォン)というAI。地球を覆い幻想を見せ、常に監視しているのだ。
その2つの陽子は、男(陽)と女(陰)のメタファーである。その2つは性質が全く違うもので相容れないもの。わたしたちはその2つを正反対だと思っているし、それが調和するとは思っていない。
けれど三体人は2つが相反していることこそが調和だと知っている。わかり易く言えば戦争と平和が同時に存在するような状態が調和なのだ。
わたしたちが「平和(善)」を求めるのは何故だろうか?「戦争(悪)」を知っているからである。「戦争(悪)」が存在しなければ「平和(善)」だって存在しない。
そのことを受け入れない限り人間は三体人のことは理解できないし「宇宙の謎は永遠に解けない」という言葉も送られてしまう。
「平和(善)」も「戦争(悪)」もあることが調和であること。『調和』という言葉には良い意味も悪い意味もない。調和とは法のようなもの。それを美と呼ぶ人もいる。
智子(ソフォン)は2つの陽子(陽と陰)で地球を監視している。けれどそれをコントロールしているのは1つの陽子。1(陽)・2(陰)・3(陰陽をコントロールするもの)。
陽と陰を含んだ存在が3(陰陽)。それが宇宙にたった一人だけ存在している孤独な三体人である。陽を3つ持つ者。2つの陽子は幻想を見せ、3つの太陽を隠しているのだ。
わたしたちは人間の皮を被っている。だから男と女という性別がある。陽か陰かどちらかの立場しかとれない。
実は、人間の祖先は三体人である。人間が三体人であることを思い出すまで、智子(ソフォン)の攻撃は続く。智子の攻撃は、染色(科学への嫌悪、恐怖の植え付け)と奇跡(超自然的、非科学的な力による思考の瓦解)である。
人間は自分自身が三体人であることを受け入れることができないから、智子に自らを攻撃をさせる。智子の攻撃に翻弄され、宇宙の謎が解けないわたしたち。いいかげん三体人であることを認めようじゃないか。認めないなら三体人は地球を滅しに乗り込んでくるよ。
●つづきはUOZAブログで!
というわけで、三体もいいけれど、同じく「3」というキーワードでいろいろ書いているUOZAブログもぜひお読みください。
よーさんの3つの世界とETOの3つの派閥は同じだ。降臨派、救済派、生存派。主(三体人)を知った時3つの世界に分かれる。どの派閥に属するかよりも、なぜ3つなのか。
物語をはじめたのは葉文潔、物語をおわらせたのは程心。最初も最後も女で、女のわたしとしては申し訳ない気持ちがあったりする。でも最初は葉文潔(1人)で最後は程心・関一帆・智子(3人)で宇宙に返す。実にお後がよろしい。
物語には隙のない完璧さがある。あとはじっくりと読み解くだけ。けれどそれには少しの勇気がいるから剣を携えて取り掛かろうかね。