「老いる」という事 | 50代からのちょうどいい生き方|自分色にReデザイン

50代からのちょうどいい生き方|自分色にReデザイン

20年の会社員を経て49歳でライフコーチへ。これまで頑張ってきた女性たちの心をゆるめ、オリジナル「生き方Reデザイン®ノート」で、人生後半を“自分色に輝かせる”サポートを展開中!人生の折り返しから、自分の価値観で幸せを選び取る女性を増やしたい!

 

夜、8時過ぎても、車の多い通り。

上がったと思った途端、すぐに鳴りだす踏切。

 

その踏切を超えた先に、

おばあちゃんが、車いすを押しています。

 

「アレ、大丈夫かな?」と思い、

足を早めて追いつきました。

 

 

 

後ろ姿を見た時は、

いわゆる「老々介護」で、

車いすにはおじいちゃんが座っているものと

想像していました。

 

見ると、車いすには、

ペットボトルに巾着袋。

 

どうやら、車いすは、

おばあちゃんの買い物カート替わり。

 

また、瞬間、チラリと頭に浮かんだのは、

おうちの方の知らない間に

外出しているのではないか。

 

 

 

「大丈夫ですか?」

と声をかけてみました。

 

少し間があって、

 

「かわいいわね」

 

視線の先には、

私の腕の中にいるチャップ。

 

「私も飼っていたのよ、犬も猫も、たくさん」

と言いながら、

チャップを撫でてくれます。

 

撫でるご様子は、

動物の扱いに慣れていて、

たくさんの動物を飼ってきた、

 

それが伝わってきます。

 

昼間の会話であれば、

 

「うちにも、猫もいたんですよ~」

と返したと思います。

 

が、

「大丈夫ですか?この辺りにお住まいですか?」

「家に帰る途中ですか?」

 

と重ねて、おたずねしました。

 

 

 

ぽつりぽつりと、

 

「欲しいお薬があったんだけど、

 

この辺の薬局じゃ、売っていなくて、

 

〇〇まで行ってきたんだけど、無くって・・・」

 

〇〇というのは、

近くの大きな街ですが、

私の足でも15分ほどかかります。

 

車いすを押しながらでは、

どのくらいかかったことか・・・。

 

1時間?

あるいはもっと・・・。

 

「お薬あったんですか?」

 

と思わずおききしたら

 

「昔の薬だから今は無いみたい、 嫌んなっちゃう」

 

場合によっては、

家までお送りしたいと思い、

 

もう一度、

「家はお近くですか?」

とおたずねした所、

 

「あなたは近く?」

と逆に聞かれました。

 

「ハイ、すぐそこのマンションです」

 

そうお答えしたら、

 

「まあ、ホントに可愛いわね」

とチャップを再びナデナデ。

 

そして、「私も近くよ」と。

 

どのあたりにお住まいなのか、

手がかりを得たいと思って、

「また、お散歩の時に会えるかもしれませんね」

と、言ったら、

 

「この辺まで来ることもあるから、会えるかもね」

とおばあちゃん。

 

その答えを聞いて、

ここからも、もう少し家まで距離はありそうだな、

と思いました。

 

もう少しがどの程度なのか・・・

 

無理やり送っていくか、

それとも、大丈夫なのか

 

瞬間的に、迷いました。

 

すると、おばあちゃんが、

「声掛けてくれてありがとう」

 

その声の調子の中に

ややきっぱりしたものを感じ、

 

気にかかりながらも、

「お気をつけて」

と言って、

 

結局、どのあたりにお住まいなのか、

ご家族と一緒なのか、

わからないまま

お別れしました。

 

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翌朝、目が覚めた時、

 

あっ、お薬の名前を聞いて、

あの場でスマホで検索したら、

ネットで買えるかどうか、

 

そもそも、

現在でも、販売されている商品なのか

確認できたのに。

 

そうしたら、

おばあちゃんも、これ以上探さなくて済んだのに。

 

頭が回らなかったな

 

そんな事が浮かびました。

 

 

 

おばあちゃん、無事に帰れたかな

 

気にかかりましたが、

 

それでも、

車いすを杖がわりに、

自力で自分の欲しい物を探しに行く

 

そのおばあちゃんの自立したお気持ちを尊重した事は、

良かったはず

 

そんな風に、

自分に言って聞かせました。

 

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老いる事は、

20代、30代の頃よりも、

 

そして、40代の頃よりも、

 

私の中で身近になってきました。

 

たくさんの不自由、不便、不快が

あるのだろうな。

 

それは、カラダ、気持ち、生活、経済・・・

 

全部かもしれないし、一部かもしれない。

 

情報量も変わってくるでしょう。

 

人のお力を借りる機会も

増えるかもしれません。

 

それでも、

 

心は自立し続けたい

今も、将来も。

 

そう思っています。

 

 

 

あの時のおばあちゃんから、

私は、気持ちの自立を感じました。

 

無理やり送っていかなかったのは、

将来の自分と重ねあわせて、

おばあちゃんの意向を優先したのかもしれないな

 

そんな思いも、うっすらと浮かびました。

 

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今日の記事は、

何をお伝えしたかったのかな・・・。

 

もしかしたら、私の気持ちを、

みなさんに聞いてもらいたかったのかもしれません。

 

私の信条である、

 

不安のタネを不安に思っていても、

いい事はない。

 

できる備えをしつつ、今を楽しむ事。

 

それを、今、不安で苦しむ人に

お伝えしたい気持ちもあります。

 

 

動物のお世話をする、

仕事をする

行きたいお店に買い物に行く

自分の用事をこなす

家事を当たり前にできる

人のために何かができる

 

どれも今は当たり前

 

当たり前だけど、素晴らしい事

ありがたい事

 

何から何までありがとう