塩漬けにした魚をさらにぬか漬けにした伝統的な保存食で福井県若狭地方の特産品です。
京都の丹後地方でも作られており、サバ・イワシ・フグなどが使われていますが、最も生産量が多いのはサバです。
ぬか漬けは米ぬかに塩と水をまぜたもの。平安時代には貴族の上流階級の人たちに好まれた高級品で、江戸時代になり精米技術の発展により玄米から白米が食べられるようになり一般庶民にも広まりました。
ぬかに含まれるビタミンB1が白米に不足することから補う意味でも食されました。
へしこの発酵には乳酸菌と酵母が主にはたらきます。
発酵によって魚に含まれるたんぱく質が分解されアミノ酸になり、揮発性塩基、有機酸、アルコールが増加します。
生魚に比べるとアミノ酸は何倍にも増加します。
ぬか床に繁殖する菌
●産膜酵母
●乳酸菌
●酢酸菌
産膜酵母は好気性(酸素を好む)環境下で繁殖するため、ぬか床の上部で繁殖します。
独特の臭気があるため臭いと感じる場合はこの産膜酵母が繁殖し過ぎた可能性があります。
これに対し乳酸菌は嫌気性(酸素が少ないところを好む)環境下で繁殖し中央から下の部分で繁殖していきます。
酸味と爽やかな風味はこれによるものです。
ぬか床の最下層部で繁殖するのは嫌気性(酸素のないところ)で繁殖する酢酸菌になります。
ぬか床をかき混ぜるのは菌の偏りをなくすためです。
ぬか床は状態が良いと1gに10億個もの乳酸菌が繁殖していると言われています。
ぬか漬けを含む漬物は一説には日本全国で600種類もあると言われています。
漬物には発酵しているものと発酵していないものがあります。
乳酸菌が糖分をエサに発酵し雑菌を防ぎ保存性を高めます。
漬物の整腸効果も注目されています。
過酷な環境下でも強い乳酸菌は善玉菌を増やすとともに大腸菌の悪玉菌の繁殖抑制にはたらきます。
プロバイオティクスとして腸の中ではたらきます。
プロバイオティクスとはからだに良い働きをする微生物です。
生きたまま腸に届く菌だけでなく菌の死骸も善玉菌のエサとなって腸内細菌のバランスを整えます。
免疫機能の活性化やコレステロールの低下、高血圧の予防など多くのメリットが期待できます。
日本では野菜に限らず、肉・魚、キノコ、海藻などあらゆる食材が材料として使われ、
漬け汁もバリエーション豊かで醤油・米酢・みりんに加え、糠・麹・酒粕・味噌など様々です。
先人の様々な工夫が詰め込まれた食品なのかもしれません。