32.津田かぶ漬け(島根県) | 全国いろいろ発酵食品

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島根県松江市の津田地区で栽培されるまが玉(赤カブ)を使った漬物になります。出雲神話の三種の神器の勾玉(まが玉)に似ていて、地上部は赤紫・地下部は白へグラデーションになっている尻細の長カブになります。出雲地方の冬の名物ともなっています。

 

滋賀県日野市で栽培されていた日野菜が元になっており参勤交代の際に伝わってきたといわれています。

日野菜は滋賀県発祥の野菜の中では全国に広まった最も有名な野菜で現在は九州から北陸にかけて栽培されています。

 

参勤交代とは江戸時代に全国250名いる大名家が2年江戸へ出仕するというものですが、これに使われたのが街道になります。

各街道の周辺には宿場町ができ栄えていきました。

ここで人以外のものも流通していくことになります。このような歴史の中で島根に伝わってきたものでしょう。


旧街道の中で島根と滋賀を結ぶ街道は五街道の中にはありませんが、京都から丹波を経て山陰地方を通り現在の山口県(周防国)で西国街道と合流している山陰街道があります。

また滋賀と京都と滋賀(近江国)を結ぶ志賀越道がありました。

推測にはなってしまいますが、このような街道を通って伝わり、またそれに改良を加えたものが定着していったのではないでしょうか。

 

旧街道を見ていくことで物の流れを見ていくことが出来るかもしれません。

 

東海道・中山道・甲州道中・日光道中・奥州道中の五街道と
それから分岐する脇街道などが整備されました

 

古くは京都を起点とした太宰府街道(山陽道)・東海道・東山道・北陸道・山陰道。また江戸を起点とした東海道・中山道・甲州街道・日光道中・奥州道中の五街道が賑わいました。

そこから分岐する脇道などが整備されました。

 

津田かぶ漬けは収穫された津田かぶを水洗いしてから根の先端を切り落とし、葉を縛って天日干しにし、寒風に当てる「はで干し」という作業を行ったあとに、葉ごとぬか漬けにしたものである。

 

漬物には発酵漬物と無発酵漬物があります。

発酵漬物は乳酸菌や酵母により発酵させたものになります。

塩漬け・ぬか漬け・麹漬けなどがその例になります。

 

津田かぶは収穫された津田かぶを水洗いしてから根の先端を切り落とし、葉を天日干しではで干しをし葉ごとぬか漬けにしたものです。自宅で漬ける場合は、甘酢漬けもおすすめです。

 

かぶにも様々な種類があり、千枚漬けに使われる聖護院かぶ(京都)や、皮が赤く中身が白い滋賀の伝統野菜の万木(ゆるぎ)かぶやもあります。

 

津田かぶは島根松江市の特産ですが、伝わってきたものがその土地にあった改良を加えられたものなのかもしれません。