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脳卒中・脳梗塞ランキング
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⭕筋肉の線維化から筋肉の再生のメカニズム+周辺組織の変性−1


3回に分けて投稿しています。

内容は


→筋肉の線維化から筋肉の再生のメカニズム−1


→筋肉周辺組織(筋膜・靭帯・腱・関節・関節周辺組織・皮膚)の変性のメカニズム−2


まとめ−筋肉の線維化から筋肉の再生のメカニズム+周辺組織の変性−3


以上です。

…………………………………………………

脳梗塞後遺症による痙縮状態(前回に説明あり)が続くと、筋肉(骨格筋)の収縮による筋肉ポンプが働かずに筋肉(骨格筋)の血流障害・低酸素状態を起こします。


筋肉(骨格筋)の線維化のメカニズム→


筋肉は一般的に、筋肉線維とそれらの間を埋める結合組織が筋膜によって包まれた構造をしています(図1)。良い状態の筋肉では筋肉線維が太く発達しています。


しかし、脳梗塞による痙縮状態が続くと、筋肉の収縮による筋肉ポンプが働かずに筋肉(骨格筋)の血流障害・低酸素状態・慢性的な炎症などが影響して、過剰な損傷修復反応になり、伸縮性に富む筋肉線維が細くなり、代わりに筋線維芽細胞によるコラーゲンが吸収されずに沈着することで、線維状タンパク質からなる筋肉よりも伸縮性の低い結合組織が異常に増えてしまいます。生来あった組織(筋肉線維や細胞など)と置き換わって筋肉が線維化します。

そして筋肉の短縮が起こり、クロートゥや内反尖足などの様々な問題を生み出すことになります。



図1 一般的な筋肉の構造


筋肉の再生のメカニズム→

ビューティーローラーなどの繰り返しの激しい刺激や激しい運動をすると筋肉が損傷します。

しかしながら、再生する力が私達の身体にはあります。


そのメカニズムは筋線維の周囲に存在するサテライト細胞が、通常眠った状態(休止期)で存在しているのですが、筋肉がダメージを受けて損傷すると速やかに損傷した筋肉から漏出する成分(=損傷筋線維由来因子・DMDFs)により


目覚め活性化

増殖を繰り返し

筋分化する


この3つのステップによって損傷した筋線維がを再生されます。


これは筋肉の線維化からの脱却を意味します。 

 

参考図 2・3・4  


 損傷した筋肉から漏出する成分(=損傷筋線維由来因子・DMDFs)の活躍説明図




図2

損傷筋線維から漏出した成分によりサテライト細胞は活性化されることの説明図→ 


●物理的に損傷させた筋繊維と単一筋繊維を一緒に培養液に入れて増やすと損傷した筋肉から漏出する成分=損傷筋線維由来因子・DMDFs)により

目覚め活性化

増殖を繰り返し

筋分化する


図3

筋肉の損傷からの再生のメカニズム



図4 筋肉の損傷から漏出する成分損傷筋線維由来因子・DMDFs)により

目覚め活性化

増殖を繰り返し

筋分化する


正常化した筋肉からは正常なフィードバックが行われて、生き残った脳組織のペナンブラ領域に新しい回路を作成(脳神経細胞のシナプス結合によるネットワーク形成)することを促します。


それは、脳からの指令(=正常なフィードフォワード)に繋がり末端の筋肉に働きかけます。=好循環


同時に正常な筋肉からは筋肉ホルモンのマイオカインが放出されて脳の活性化に貢献します。

(私見)