ロックバンドとオーケストラの実験的な試みは60年代から断片的に試されてきました。ハードロックの多くはクラシック音楽からの影響を受けていて、それらオーケストラとの融合は違和感なく聴衆にも受け入れられてきました。ハードロックのオレンジの手法のひとつに、クラシックの曲から一種のパロディのような引用で取り入れられることがあります。

 

音楽アーティストの中には、敬意をこめてこれらクラシックの曲のコード進行を利用して新たに作曲する人もいます。クラシックの曲はメロディーが明確でコード進行も不規則な部分がないので、8ビートのような平均的なリズムであれば自然に溶け込ませることができます。このようなクラシック音楽の融合はのちにプログレッシブロックの台頭でさらに進化を極め、音楽アーティストによってはクラシックの組曲をロックの手法で再現する大々的なアプローチも行われています。プログレッシブロックはもともと様々な音楽の融合を試みる実験的なバンドが多く、幅広い音楽性を有するミュージシャンたちで構成されていました。

 

プログレッシブロックは基本的に、ミュージシャン同士のテクニックのぶつかり合いが曲の構成として盛り込まれています。このため長いアドリブやドラムソロといった部分は、楽器に詳しくない人には非常にわかりにくい部分です。曲も長く難解で複雑な構成の曲を受け入れる聴衆は一部のマニアに限られる可能性もあります。一部のバンドは構成の原理を巧みに変化させて、クラシックの楽曲を巧みに織り交ぜたり滑稽なメロディを交えたりして、緊張感をほぐすような演出を巧みに取り入れました。ドラマチックなプログレッシブロックのひな型が完成した70年代中盤では、多くのバンドが長いインプロヴィゼーションを取り入れた演奏を繰り返しました。多くはジャズのインタープレイを参考にしたものですが、フュージョンバンドの多くは逆に曲から無駄な部分を省いていき、シンプルな構成による演奏が定着していきました。