ワシみたいな上手いとか下手とか関係ないタイプのバンドボーカリストは当然だけどボイトレに通ったことはない。

 

バンドを始めてから28年間、年間150本ぐらいのライブをずっとやっとるんだで、ボイトレは不要なんよ。

 

生涯通算ライブ数は数えたことないけど3000本ぐらいはやっとると思う。

 

でもそんぐらいライブやれない人にとってはボイトレは重要。

 

でも巷のボイトレの多くはカラオケで点数が取れるようになるためのボイトレ。

 

だでアーティスト志望の人にとっては下手すると遠回りになる。

 

「アーティスト」は自分自身を表現する人のこと。

 

だで誰々みたいな声を出したい、とか考えとるうちはアーティストにはなれんだよ。

 

ミックスボイスとかファルセットとか特定の発声テクニックなんか当面は不要なんよ。

 

まずは自分の声、唄をしっかり見つめて自分を表現することを目指さんと。

 

特定のテクニックを身につけて表現の幅を広げるのはそれができてから。

 

この順番がぐちゃぐちゃなボイトレが多いのがずっと気になっとるんよな。

 

こんな思いからボイトレという一見ワシとは無関係な分野も手掛けとる。

 

 

ワシが思う、プロになるためのボイトレで一番重要なのは

 

相対音感!(そうたいおんかん)

 

絶対音感じゃなく、相対音感!

 

そのメロディーの中で中心になる音がどれなのか?

 

その中心の音から見た相対的な音の階段を把握する力を相対音感という。

 

そのために頼れる武器になるのが炎上ジャズ移動ドって訳。

 

 

中心の音を「ド」と決めて、そこからこのメロディーがドレミファソラシドでいえばどう作られとるのかを意識することがとにかく重要。

 

絶対音感は音の物理的な高さを判別できる能力で、音を別々にとらえがちになる。

 

でも音楽は音の相対的な並びが重要で、各々の音をバラバラに把握できるだけじゃあまり意味がない。

 

 

まずやるべきことは、どの音からでも、その音を「ド」とした時にドレミファソラシドがそれぞれ聴き取れるようになること。

 

そしてその音をズバッと発声できるようになること。

 

つまり自分の中で「音の階段」を作るということ。

 

これだけでだいぶ変わる。

 

 

やり方は簡単。

 

まずはこれが出来るようになることを目指そう。

 

 

最初は例えばソを発声する時に、心の中で

 

レミファ

って感じで間の音「レミファ」も歌いながらでいい。

毎日やればたぶん1ヶ月もせんうちにドから見たドレミファソラシドのそれぞれの音の雰囲気が身につくと思う。

 

これと並行して、好きなメロディーを移動ドのドレミに直して移動ドで歌う。

 

その時に、例えば「この音はやっぱりソなんだなあ」って意識しながら歌う。

 

これを続けることで自信持って歌がうたえるようになるよ。

 

 

この効果はワシ自身で実証済み!

 

今まで28年間の歌手人生で低い声で歌うことはまずなかったもんで、自分の普段の声域意外では発声に自信が持てんかったんよ。

 

でもこのコロナ禍でライブができんくなって、家では普段のキーでは歌えんからキーを下げざるをえんかった。

 

でもこの練習のおかげでマイナス7のキーでも気持ちよく楽しく歌えるようになったでね。

 

これが証明!

 

相対音感を