広瀬香美さんのしくじり先生、おもろかった。
久々にテレビ番組をちゃんと見たけど、ガチなクラシック上がりではみ出しちゃった人ってどヤバい(笑)
バイオリンの高嶋ちさ子さんもヤバイぐらいおもろいじゃん。
その辺のロックバンドの奴よりよっぽどロックだ(笑)
番組で話題になった絶対音感とワシがよく言う相対音感は何が違うのって聞かれたもんで今日はその辺りを改めて。
よく似た言葉だで一緒になっとる人もおるみたいだけど、実は全然違う音感なんよな。
まず絶対音感は記憶の音感。
音は周波数で音の名前が決められとる。
例えば440ヘルツがAの音ってことが国際的に決められとる。
だで、周波数測定器で測れば音の高さ=音名は判明する。
チューナーは周波数測定器は同じ原理だよ。
絶対音感はいわばチューナー人間的能力ってこと。
この能力は子供の頃に訓練を受けんと身につかんらしい。
だでピアノを小さい頃から習った人しか持っとらん能力。
って言われるで「なんと優れた能力か!憧れの絶対音感!」って思う人がまだおる。
でも実際はそんな使える能力じゃなかったりする。
チューナー人間って表現したのはいい意味じゃなく、悪い意味。
前後の音の流れに関係なく、「機械的」にその音の高さだけが分かってもあまり意味なかったりするでね。
だで友達が「生まれた子供に絶対音感を身につけさせたい!」って息まいとったけど、やんわり止めといた。
簡単に言えば絶対音感はクラシック向き。
楽譜通りに再現することが最重要な音楽にはあると便利。
でも逆にクラシック以外をやる上では融通がきかなくなる短所の方が問題になりがち。
実はこの融通の部分がクラシック以外の音楽には一番大事だでね。
440ヘルツがAなのは今だけであって、バロック時代は半音下だったらしい。
つまりバロック時代のAは今の時代ではA♭ってことか。
ややこしいけど、ヘルツで音名を判明する能力ってのは実は絶対的でもなんでもなく、時代によって曖昧なんよな。
現在のピアノの音は平均律って調律方法で音を合わせとるけど、絶対音感はその平均律でのピアノの鍵盤の音の高さを記憶しとるだけって言ったら怒られるかな。
でも鍵盤の音じゃないところに本当に気持ちいいメロディーはあると思っとるもんで、それが使えんくなると機械的な音楽になりがちなんよな。
これは身近に絶対音感を持っとる人が複数おって、一緒に音楽を合わせようとした時にいろいろ大変なことがあって実感したこと。
だで、クラシックをガチでやる以外は絶対音感って必要ないんよ。
逆に相対音感はクリエイティブな音感だと思う。
音楽は音の組み合わせで出来とる。
横に組み合わせてメロディーができて、縦に組み合わせてコードができて、それらがさらに三次元的に組み合わされて、四次元な音楽として人は感動する。
四次元って言ったのは理屈じゃないとこで人は感動するってニュアンス。
つまり音楽は音同士の相関図が大事なんよ。
この音をドって決めた時に、気持ちよく響くミの音を歌えるかが大事。
その気持ちよく響くミってのは鍵盤の音とは少しズレとるらしい。
つまり鍵盤の音を記憶しちゃっとると、本当に気持ちがいい歌がうたえんくなるって言えんかな?
例えばウィーン少年合唱団の音の取り方はピアノの鍵盤の音じゃないらしい。
平均律じゃなく純正律であわせるんだって。
それはコーラスという声をあわせて響かせる上で平均律じゃ本当に気持ちがいいハモリにならんから。
バイオリンの人とかも純正律で弾いたりするらしいし。
純正律というより、鳴っとる他の音に対して美しい響きになる音に自分の耳をチューニングしとるってことなんかも。
当然、歌手はもっとそうだと思う。
ワシは歌が下手なことで有名な歌手だが、下手なのにズシンとくるいい唄を唄うことには定評がある。
あえて自分で言っちゃうが(笑)
圧倒的なパワーとか作詞センスもあるけど、それは多分、ワシなりの鍵盤を持っとるからってのもデカいだと思う。
若い頃、レコーディングでエンジニアさんに、「判治くん、この音って外れてる?」って聞かれても「いや、これが正しいです」って答えることが多かった。
周波数的にみると半音の半分ぐらいズレとるんけど、ワシはこのメロディーを作曲したんだでしょーがない!
これは純正律ってよりもブルーノートって言って、ブルースとかジャズでは当たり前に出てくる音なんけどね。
ピアノの鍵盤にはない音だもんでクラシックの人にとっては外れた音になっちゃう。
絶対音感は子供のころに訓練せんと身につきにくいけど、相対音感は大人になってからでも余裕で鍛えられる。
20年以上、理論はなんも知らんかったとは言え、年間100本以上のライブをバンドで歌ってきとるもんでそりゃ下地はある。
でも、移動ドや相対音感を意識するようになったのは40歳すぎてからだでね。
そんなワシでも、今じゃドの音が把握できれば、レミファソラシドのどれでも一発で音を出せる。
つまり、頭に浮かんだ出したい音をギターやウクレレでも出せるってこと。
固定ドと移動ドの話と絡めるなら、固定ドは絶対音感的な考え方だで、絶対音感がない人が固定ドでやってもなんのメリットもない。
でも音楽の先生のほとんど全員はクラシック出身で絶対音感がある人が多いもんで、どうしても固定ド教育になっちゃっとるんよな。
相対音感はずばり移動ドと相性がいいもんで大人になってから音楽を始めた人なら100%移動ドが断然有利。
だでしつこいぐらい移動ドを推しまくっとる!
今は自粛の時で本業のライブの仕事が激減しとるもんで、趣味である音楽理論(移動ド相対音感)の話ばっかになっちゃっとるけど、それぐらい移動ド相対音感が音楽を生み出す上で大事なことだって確信しとるからなんよね。
絶対音感に対して否定的な書き方しちゃったけど、
もちろん絶対音感がある上で、いろいろ融通のきく人はおって、そんな人はマジで最強の音楽的音感の持ち主だと思う。
簡単に言えば、絶対音感があるのに移動ド相対音感が使えるって人が最強ってわけ。
だで絶対音感がある人も是非移動ドを意識して相対音感に注目して欲しい。
そんな人こそ、まさに選ばれし者になれるってことだでね。
ワシら絶対音感がない人間は、相対音感を鍛えることが音楽を今より楽しめる様になる一番の近道だと思うけど、実は絶対音感の持ち主にとってはそれ以上に移動ド感覚が大事なんよな。
つまり、全ての人間にとって、移動ドが大事ってわけ。
炎上ジャズギター は5弦6弦を封印することばっか目立っとるけど、実は移動ドに特化したジャズギター 教本なんよな。
元々はウクレレ用に書いたんけどギター用の方が10倍以上売れとるんよな。
ウクレレこそ、移動ドだけで十分なのになあ。