呑みに付き合わされるとウザいことで有名な乗松パイセン(noribooooone from pygmy with bitter ends、TAPE ME WONDER)と久々に呑んだ。
同級生のバンドマンが集まるイベントで14時から10バンドも出演する長丁場のトリでHANZI BANDをぶちかましてからの終電逃しちゃうコース(笑)
今年44歳を迎えるバンドマン、まだまだ元気だら?(笑)
ちなみに乗松パイセンは同じ48年生まれでも早生まれだで学年としては1つ上になるけど、まあ同級生みたいなもんってことで出演してもらった。
この日の乗松パイセンの講演(飲みでのウザい有難い語り)のメインテーマは
「判治大介は作詞家として天才なのだ。でもバンドのアレンジャーとしては俺が絶対勝つ。だから爆音のバンドより言葉が伝わるソロが一番判治大介の魅力が出せるのである。」
サブテーマは
「判治大介はSNSとの関わり方が下手で損をしている。もうこのまま進むなら選挙に出た方がいい」
とのこと(笑)
ちなみにワシは絶対に選挙に出ることはないもんで安心して(笑)
このノリのブログでも書かれとるように、なぜかいつもワシのバンドに対するライバル意識が強く、ワシがその場に居る居らんに関係なく判治大介論を展開してくれとるらしい乗松パイセン。
だで判治とノリは仲が悪いとか思われることもあるみたいだけど真逆。
愛が溢れすぎて困るってこと(笑)
たまに対バンしても打ち上げの1次会じゃ語る雰囲気でもない腐れ縁だもんで、この日みたいに終電を逃して少人数で飲まん限りじっくり語る機会もなくなった。
だで久々に語れて楽しかったわ。
ノリとは同じくバンドリーダーとして長年切磋琢磨してきた。
お互いのバンドの浮き沈みを間近で見せ合ってきたし、メンバーの脱退とか解散とかの節目では涙も見せ合ってきた。
宮ちゃん亡き今、一応年上のバンド仲間としてはノリが一番近い存在なのは間違いない。
だで、もちろんリスペクトしとる。
見た目はおばさんみたいだけど(笑)
でもノリも言うようにバンドリーダーのタイプは真逆。
これをジャズオタク的に分かりやすく説明するなら
「マイルスデイビスとギルエバンスの違い」なんよ。
もちろん言うまでもなくワシがマイルスでノリはギルエバンスタイプ。
60年代前半までのギルエバンスのアルバム(編曲として関わったアルバム)を聴くと、トータルでの世界観が緻密に作り込まれとって感心させられる。
たぶん、ギルエバンスが全てのメンバーに細かい指示を与えて作り込んどるんだと思う。
だで逆にギルエバンスオーケストラのメンバーで際立つ存在ってほとんどおらんだよ。
それぐらいギルによって統率されたチームプレイなんよな。
一方マイルスのバンドリーダーとしてのスタンスは
「ワシが吹く音はこれしかない。お前らは好き勝手にやれ。ただし、ワシが聞いたことがないようなヤバいプレイが出来ん奴はクビだ」
ほぼワシの口調だけど、たぶんこれ(笑)
マイルスってジャズの帝王と言われるぐらいのジャズ史上最重要なトランペッターなんけど、実はトランペッターとしてのテクニック自体は並というかむしろ下手。
だで曲によってラッパの吹き方を器用に吹き分けたり、他のソリストと絡み合って有機的にソロパートを作り上げることが出来んモノローグなソリスト。
(モノローグってのは一人芝居とか独白とかそんな意味。)
だで、リーダーとして独立する前の若手時代はチャーリーパーカーという天才的なテクニックを持つサックスプレイヤーのサイドマンとして音数が異常に多いチャーリーパーカーの引き立て役をやりながらも研ぎ澄まされたワントーンでオイシイとこを持っていったり、自身のバンドを率いるようになってからはサイドに凄腕ミュージシャンを配置してバンド全体をカラフルにすることで、自らが持つ唯一無二なモノローグな存在感を際立たせるという手法を使ったバンドリーダー。
だで、マイルスのバンドからはジョンコルトレーンとかビルエバンス(ギルエバンスではない)とかトニーウイリアムズとかハービーハンコックとかキースジャレットとかチックコリアとかマーカスミラーとかその後のジャズシーンの大スターがいっぱい輩出されとるんよ。
ワシとノリの違い、伝わった?(笑)
でも残念ながら、ワシもノリもまだ世界に名を残すような作品は残せとらんし、ワシのバンドから世界的なミュージシャンも輩出できとらん。
だで、今もお互いにスタンスは違えどもバンドをやっとるんよな。
実はマイルスとギルって一緒にアルバムを何枚も作っとるんよ。
有名どこではサマータイムの名演で知られ大ヒットしたポーギー&ベスとかスケッチオブスペインとかの3部作があったり、マイルスの実質的な初リーダー作とも言われるバスオブザクールも編曲や原案はギルだったりするぐらい60年代前半までは深い関係だった。
その後はいったん離れるんけど、80年代にまたマイルスのアルバムの中の曲のアレンジとかで軽く関わり始めて二人の本格タッグが復活かと期待が高まったんけどマイルスの健康状態とかもあって二人の本格タッグは実現できんかったみたい。
見たかったやあ。
ギルのオーケストラをバックに死にそうなマイルスが命を削ってラッパを吹く姿を。
二人はタイプが真逆だったからこそ、相性がよかったんだと思う。
ワシもそろそろ、ノリとアルバム作ろうかな。
ワシのソロアルバムのプロデュースやらせてあげたらオモロイかもな。
いや、面倒くさそうだでやっぱやめとこ(笑)
ちなみに、ギルエバンスの息子の名前はマイルスエバンス。
それぐらいギルにとってもマイルスって大切な相棒だったんよな。
なんならノリに息子が生まれたら判治の名前をあげてもいいよ(笑)
乗松判治。
どっちが名前か苗字かわからんくていい(笑)
ワシの一番新しい推し曲ロックスター。
この曲が生まれてからはソロライブでも人生大丈夫ンブンブンをやらんで済む日も増えた。
25年前にバンドを始める前に作った人生大丈夫ンブンブンはワシの人生のテーマソングであることに変わりはないけど、これから先のバンド人生のテーマソングとしてこのロックスターが躍り出てくれた。
人生大丈夫ンブンブンは基本的にはリアルなアンコールをもらった時だけやることにした。
日々、自分を進化させることが一生音楽を続けられる唯一の手段。
ノリも言うようにウクレレを抱えて歌う歌手としては他に比べられる存在は世界中探しても一人もおらんという自負はある。
でも今もワシは、“究極のロックバンド”を率いてロックスターを目指しとる。
バンドがあるから自分を進化させられるんよ。
むしろ、自分を進化させるためにバンドを利用しとるんかもしれん。
だでワシがバンドやるならスタンスを変える必要はない。
そのスタンスが出来んくなったらそのバンドで活動する必要がなくなるってだけのこと。
バンドをやれるかやれんかの理由ってそんなシンプルなもんなんよな。
HANZI BANDのメンバーもそう。
TAHのドラムの破壊力はHANZI BANDみたいなシンプルな曲でこそ一番発揮できると思うし、逆にワシぐらいの声量がないとTAHの全開なドラムでバラードは唄えん。
猫背はスタジオミュージシャンが本業だでめちゃくちゃギターが上手い。
でもアイツの凄みはHANZI BANDで弾く時が一番出せとると思う。
上手いだけのギタリストなんか他にも腐る程おるけど、猫背レベルのやばい奴はそうはおらん。
安西はそんなキチガイばっかなメンバーの中で、最高のムードメーカーとして機能しまくっとる(笑)
なんてもちろん安西の爆発力は他になかなか居らんってことを分かっとる上での安西イジリ(笑)
力があるミュージシャンならワシとバンドやれば輝けせてあげられるって自信はあるし、実際ライブでもそれは証明できとると思っとる。
だってマイルスの後継者はワシだでやあ。(笑)
いつかバンドメンバーに対してそう思えんくなる日が来るとすれば、その日がバンドをやめる時だと思う。