太平洋戦争によって日本が欧米の植民地だったアジアを解放したという側面も場所によってはあったのかもしれん。

メディアではその日本にとって都合のいい側面だけをクローズアップして「アジアの人たちは今でも日本が大好きで日本軍に感謝している」というニュアンスの番組や現地の人の声が流れることが多い。

そりゃ視聴者の大半が日本人である日本のメディアなら当然といえば当然のこと。
わざわざ視聴者の気分を害するような番組を積極的に制作するわけがないもん。

昨日のNEWS23を見て、自分もそんな風潮に麻痺させられとったんだと気付かされた。

学徒出陣によって無理やりフィリピンに行かされて終戦直後に自害した音楽大生だった叔父さんの生死の真実を探しにフィリピンにいった日本人女性が、日本との戦闘で夫を殺されたフィリピン人のお婆ちゃんから
「日本兵はこの山で多くの住民を殺しました。皆、日本兵を見ると逃げました。彼らは住民を見つけると銃撃してきました。あなたは日本から何しに来たのですか?私を殺しに来たのですか?」
という強い言葉をぶつけられとるのを見て愕然とした。

テレビ番組で日本軍に対するここまで否定的な言葉を聞いたのは初めてかも。

でも戦争だもん。これが当たり前なんよな。
街で一番の優等生だったお兄ちゃんや、近所に住んどってよく遊んでくれた優しいお兄ちゃんが戦争という異常な状況下におかれて正常じゃなくなって現地の人を殺戮したという事実も多々あったんだと思う。

戦争で殺された多くの住民と日本兵。
この状況に耐えきれず自ら命を絶ったかもしれない日本の若者。

やられた側は70年経っても消せない記憶。
やった側も忘れちゃいかん事実。

戦争は市民にとって勝っても負けてもいいことは何一つない。
得するのは一握りの特権階級の人だけ。


公式サイトにこの特集の動画があったもんで興味あれば観てみて。
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2560350.html


そう言えば「野球をひとつもしたことがないのに「巨人からドラフト1位指名されたらどうしよう」という心配をするぐらい徴兵制はあり得ない」と言い切ったコラムニストがおったけど、野球するのは野球選手だけじゃない。
グランドを整備したり照明を管理したり審判だって必要だし客席のビールの売り子だって必要。
選手以外にも多くの人が関わってプロ野球の興行が成り立っとる。
戦争も同じだと思う。
最新兵器を使いこなしたり、特別な身体能力や頭脳を持つエリート兵だけじゃなく、いろんな役割があるはずじゃん。
兵士が足りんくなって音楽科を目指しとった学生までもが招集されたという過去もある。
今の戦争は昔と違うとかいう意見は無視。
戦争に今も昔も未来も変わりはない。


高校の一つ先輩がこのNEWS23のディレクターをやっとるんよ。
去年から同窓会関係で交流を持たせてもらうようになったんけど、今度じっくり話を聞いてみたい。