3.11以降も何も変わらずノウノウとダラダラと中途半端にバンドをやっとるだけなんてワシは嫌だったんよ。

こんな時代に音楽をやらせてもらえるなら死にものぐるいでやらんと。


数年前のハンサム兄弟みたいに気が狂ったように全国ツアーやったり、アホみたいな世界進出が出来るんなら、ハンサム兄弟に全てを懸けれるんけど、今はまだメンバーの都合もあって難しい。

しかも唄い手としてワシが今一番重きを置いとる「東北のために具体的に動きたい」って想いもバンド単位で動くのは難しい。

ソロならウクレレ1本あればどこでも唄えるけど、バンドでライブやるのっていろいろ大変なんよ。

だもんでどうしてもソロ活動の本数の方が多くなっちゃう。


本物の「バンド」をやり続けるというのは本当に難しい、が、もの凄く面白いんよ。

「バンド」とバックバンドは全くの別物だで誤解せんで欲しい。

例えば唄い手としてワシが去年から一番大事にしとる「光る石ころ」は判治大介バンドなら唄えるがハンサム兄弟では未だに満足に唄えん。

理由は簡単にして複雑、この唄は判治大介個人の濃すぎる活動から生まれた唄だもんでハンサム兄弟でやってもリアリティーが生まれんから。

これに気づいた時から、ハンサム兄弟とウクレレ大使は全く別モンとしてやって行く事を決意した。

「判治大介 with ハンサム兄弟」だったらハンサム兄弟をやる意味がない。


じゃあ、こんな時代に、ハンサム兄弟のボーカルとして何を唄えばいいのか?

その答えをずっと模索しとった。

15ヶ月連続で毎月新曲をリリースするというアホな企画もそんな想いから生まれた挑戦でもあったりする。

毎月毎月新しい曲と歌詞を生み続けて自分を追い込んである種のトランス状態にせんと見えてこん領域があると思ったんよ。

今日東京、明日大坂、明後日福岡、、、みたいな過酷なツアーに出とる頃のトランス感が欲しかった。


その答えがやっと今回レコーディングした「防弾ガラス」で少しだけ見えた気がした。

連続リリース企画を始めてから11曲目にしてようやくだよ。


『防弾ガラス』

迷子の唄よ
何処へ往く?
誰のための
唄なの?

旅に出たとて
あの日の唄
唄える訳
ないけど

防弾ガラスみたいに
割れても崩れられない
傷だらけになりながら
鼻唄うたうよ

上手く笑えなくて
思わず笑っちゃった
口笛吹けなくて
空を仰いだ

防弾ガラスみたいに
割れても崩れられない
傷だらけになりながら
鼻唄うたうよ



今のハンサム兄弟での自分をそのまま唄えた気がしとる。

カッコ良く言っちゃえば、どんだけ傷だらけになっても走り続けんといかんこの伝説的なバンドのボーカリストとしての宿命みたいなもんかな。(笑)


毎月毎月必死で新曲を作ってレコーディングしとるもんで、そりゃどの曲も可愛い。

その中でも特に自分として手応えがあって今後のハンサム兄弟にとって重要な役割を担う曲もいくつか生み出せとる。

でもハンサム兄弟の判治大介としてバンドと真っ向から向き合えた唄はまだ生み出せとらんかった。

だから充実感は感じながらも何かが足りんってずっと感じとったんよ。


やっと出来た。

ワシが今、ハンサム兄弟の中で一番好きなこの唄を早くみんなの前で唄いたい。

8/24(金)下北沢CaveBeでこの唄の無料リリースするので是非感じに来てくれ!


photo:02

秋にリリースのアルバムに収録する曲も全て揃ったので早速昨日マスタリングしてもらったよ。

1月に病気で亡くなってしまったバズーカスタジオの加瀬さんにマスタリングしてもらうという約束は果たせんかったけど、最高なアルバムが出来たよ。

photo:01

結成15周年企画として始めたけど11ヶ月目ともなればハンサム兄弟はもうすでに16年目に突入しちゃっとる。

こんだけ長いことやっとれば、栄光も挫折も酸いも甘いも涙も笑いも、たいがいの事は味わった。

その全てを経た今のハンサム兄弟がこのアルバムに詰まっとるだよ。


アルバムタイトルは「傷だらけのハンサム」に決めた。

このアルバムが完成してハンサム兄弟としてやるべき事はハッキリ見えた。

秋のレコ発ツアー、そして12月8日のワンマンが楽しみだ。


ほんじゃー今日から1週間はウクレレ大使として東北にウクレレで元気を届けてくるぜ!

もちろんその旅の間も次のハンサム兄弟の新曲を作っとるぜ!