「この世界の片隅に」があまりにも素晴らしすぎたもんで改めて書かせてくれ。

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あれから3回読んだ。

とにかくどすげー作品だ。

戦時中の広島を描いた作品だけど、単純に戦争とか原爆の怖さを描いただけの作品なんかじゃない。

改めて書こうと思ったけど深すぎてうまく言葉にならん。

絵のタッチや、登場人物のキャラクターや、ストーリー展開は一見ゆるゆるなのに、伏線を張りまくっとって全てが繋がってきたり、ふと気づいたら自分の感情の見たことがない深い部分に突き落とされとったりする。

一見何でもない展開の裏に隠された、時空の歪みともいえる表現方法には恐ろしささえ感じた。

作者の「こうの史代」という女性は本物の天才だ。


拙い落書き風のページを頻繁に挟む意図とか、

背景だけ歪んだ画になったりする意味とか、

最終話でのセリフ以外の言葉の主が誰なのかとか、

最後だけカラーになる意味とかに気づいた瞬間、


毎回鳥肌が立ちまくった。

表紙の美しい絵と、カバーを外した時に出てくる違うタッチの絵を見るだけでもいちいち深読みしちゃってビクッとなるぐらい過敏になっとる。


ワンピースで感動しとる場合じゃない。(ワンピースも相当面白いけど)

2011年に出会った多くの人たち=大震災から復興にむけて重たいもんを背負いながらも前を向いて生きとる人たちの姿にも重なる部分があって余計に思うところが大きいのかもしれんが、今までに漫画を読んで感じたことがない新しい感情に出会った。

「夕凪の街 桜の国」とあわせて何度読んでも底が見えない素晴らしい作品だ。


言葉で書くと安っぽくなっていかん。

読んで感じてくれ。



「こうの史代」の作品はまだ2作目だけど、コンプリートせんといかんわ。



一回目を読んどる時に気づいたんけど、ちょっと前にドラマ化されたのを見たことを思い出した。

原作を知らんかったあの時は、戦争時に生きる人たちのとして普通に見たけど、原作を知っちゃった今は。。。

ワシ自身もドラマに出とったり、テレビを制作する会社の会長だったりするもんで言いにくいけど。。。


何であーなっちゃったんかね?

テレビという最大公約数をターゲットにしたメディアの宿命かもしれんけど、
ドラマ版では「この世界の片隅に」の中でワシが震えた部分が全く描かれとらんかった気がする。


北川景子が美穂純に似とって意外と好みだったってことに気づいたからヨシとしよう(笑)