合気道は、王道の道。正々堂々と勝つものである。 | 師範日記 行く川の流れは絶えずして、淀みに浮かぶうたかたは、久しくとどまりたるためしなし

師範日記 行く川の流れは絶えずして、淀みに浮かぶうたかたは、久しくとどまりたるためしなし

日本でも有数の狭い道場・仙台合気会の師範が心に浮ぶうたかたを、つれづれなるままに、そこはかとなく書いています。

恩師、半澤義巳先生の教え

合気道は、王道の道。正々堂々と勝つものである。

 

 正面打ち第一教表技を指導された時ですが、人に勝つためには、いくらでも方法はある。(と言いつつ、秘中の急所を指先でしっかりと責められました。受けた私については、想像におまかせいたします(≧▽≦))。その後に、しかし合気道は王者の道である。正々堂々と勝たなければならないと、開祖が教えられた、我より呼び出す正面打ち打ち第一教でしっかりと押さえられました。

 本来の格闘術、又は現代スポーツは、生き残りのため、試合に勝つためにと虚実を諮り、フェイントをかけて技を掛けます。しかし、合気道はそれを超越した教えですので、勝つことではなく、勝っていることを教えています。そのため、正面より正々堂々と相手に打ち勝つことを門下生に教えられたのだと思います。

 

 その時以外にも、入り身投げの原型として、入り身に入った瞬間に首をしっかりと絞めつつ裏膝を蹴られ堕ちる寸前になったり、一教裏技の時には脇腹に蹴りを入れられた時もありました。師の高校の教え子であった私は、他の受けの方では経験しないことを、都度々々経験していたのですね、今考えると。

 その経験の中で、殺傷するための武術と、王道の道の合気道を身を以って教えた頂いたことは、大変に貴重な経験であったと思います。