
冥界の門が開いて
市中のあちこちに霊がいるという鬼月の期間は、
当然、霊と出会う度合いがUPしている期間です。
昨日の記事にも書きましたが、
台湾では、親族がいなかったり、忘れられてしまったりして
拝んでもらえない行き場の無い霊達を
家の入り口で施し歓待をすることによって
家屋には入らせず、
逆に良い運を運んでもらおうとする風習をもっています。
そして霊の事を「好兄弟」と呼び習わしています。
これは、そういった存在を指す単語(鬼)を
直接呼ぶことによる害を避けることと、
親しみを持っていることを表現しているのだろうと思います。
中華文化圏には、親友以上の存在としての、
血がつながらない兄弟という観念が見られます。
この「好兄弟」というのもとても良い言葉になるのでしょう。
そんな文化がある台湾では、
この鬼月の間は
してはいけない事がたくさんあると言われています。
その中で代表的なものをご紹介してみましょう。
★「鬼」という言葉を口に出さない
霊が呼ばれていると勘違いしてやって来るそうです。
(その代わりが好兄弟ですね)
★夜間に口笛を吹いてはいけない。
日本ではお盆期間に関わらずしてはいけないと、
昔からよく言われることですね。
私の実家では蛇が来るとか泥棒が来ると言っていました。
台湾では、夜の口笛は霊が喜ぶのだそうです。
彼らはその音を辿ってやって来るので、
吹いてはいけないのです。
★茶碗に盛ったご飯の上に箸を立ててはいけない。
日本でも死者のためだけのご飯になるので、
日常ではしてはいけないと言いますね。
(日本では日常しない事を行う事によって
弔いを示す習慣があります)
台湾でもまずしてはいけないことの基本です。
盛られたご飯の上に刺さった箸は、
香炉の上に立てられた線香に似ているので、
食べ物を分け合う意思があると靈が誤解し
憑りつかれてしまうとしています。
★夜寝る前に髪の毛を乾かさなかったり、
ザンバラにして寝てはいけない。
濡れたままだったり乱れた状態の髪の毛は、
霊に同類と勘違いされ憑かれやすいそうです。
(ザンバラ髪というと
映画の貞子を思い出しました)
★夜に服を干してはいけない
霊達が干された服を自分の形代にして
憑依するそうです。
これは濡れた洗濯物に限らず、
乾いたものを片付けずに
部屋の中にかけっぱなしにしていても同じですね。
★枕元に近い所に風鈴をかけてはいけない
台湾では風鈴は、
もともと陰の気を招くものとされています。
枕元で風鈴が鳴る事によって
霊が招き寄せられて憑かれてしまうそうです。
★部屋の中で傘を広げておいてはいけない
台湾では、あの世へ帰りたくない霊達は、
室内に置かれた傘に棲みついていると言われており、
部屋の中で傘を広げておく事は
霊達に憑依先を与えていることになるのだそうです。
(中国の祓魔師は霊を傘の中に収納するんだとか)
★水辺の近くに行ってはいけない。
ちょうど夏真っ盛りで、日本では、
海遊びや川辺でのバーベキューを楽しむ時期なのですが、
台湾では鬼月の間、
海・池・河川には近づいてはいけないと言います。
そういった所には水鬼(水死者の霊)がいて、
自分の代わりに沈む人間を探して
捕らえた人間を殺してしまうからだそうです。
★御供えされた食物や果物を盗み食いしてはいけない。
それらは亡者の為に供えられたものなので、
霊と食べ物を奪い合う事になり、
非常に恐ろしい厄運がやって来るそうです。
日本では家にやって来るのはご先祖様ですので、
早めに「お下がり」を頂く事は結構あると思います。
この「お下がり」を食べても
先に仏様方が食べてしまって味が薄くなっているので、
大抵あんまり美味しくないなと思うのですが、
その事を思うと亡者と奪い合うというのは
かなりリアルな気がしませんか?

★深夜に誕生日パーティをしてはいけない
誰にも誘われない客・・・
つまり霊が参加してしまうそうです。
★深夜にジョギングをしたり
寂しい所に行ったり写真を写したりしてはいけない
鬼月の期間の深夜のジョギングは
後ろから霊がついて来てしまったり、
寂しい所に行くと、
霊が仲間としてついて来てしまうそうです。
写真は・・・おわかりですね?

★落ちているお金やご祝儀袋などを
拾ってはいけない
伝統的な風習のひとつに冥婚というものがあります。
主に若くして結婚せずに亡くなった親族を
同じ様に亡くなったものを配偶者として結婚させ
あの世で家族として暮らさせる風習です。
台湾では伝統的にご祝儀袋やお金を道へ投げ捨てて
それを拾った生きている人間を霊の配偶者にする風習があり、
鬼月にうっかり拾ってしまった場合、
浮遊する霊と結婚をしてしまう可能性があるのだそうです。
これは高雄の友人から聞いた話で、
他の地方や原住民は違う風習かもしれません。
ただし、この期間に落ちているお金を拾うのは
良い事ではないそうです。
一例をあげると、
道に投げられたお金は、
霊へのお小遣いであると見なされている場合もあり、
その場合は、先ほどの御供えと同じで、
霊のお金を奪うものとして
災厄が与えられるかもしれないとのことでした。
いかがでしたか?
所変わればなお話とはいえ、
日本に住んでいる私たちにも、
成る程な部分がきっとあると思います。
参考にしてみてくださいね。
画像/宅女日記















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