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紅白がおめでたい、その名もズバリ開運用湯圓



前回の記事でも少し書きましたが、

中国は広い国ですので北と南では随分違った習俗を持っています。

まず北方の地域での冬至の食べ物は 何と言っても餃子です。

中国ではお正月に餃子を食べる事は近頃よく知られてきましたが

餃子はお正月だけでなく冬至にも食べる行事食であり

勿論日常でも中国の人に愛されている料理のひとつ。

「餃子ほど美味しいものはない」と言われるぐらい

人々にとっては古里の団らんの思い出を呼ぶ料理となっています。


特に北方では「冬至は餃子、夏至は麺」と言う言葉があるほど、

冬至に餃子は欠かせない食べ物です。



さて 冬至に餃子が食べられるようになったのには

こんな理由があると伝えられています。


南陽(今の河南省)の医聖、張仲景という人がいて
長沙で役人を務めていた。
隠居して故郷に帰ったのは大雪の舞う冬の日で、
それはそれは骨身にしみるような寒さであった。

張仲景が帰ってみると、
同郷の人々は貧しい身なりで、耳が凍傷になっている人も多かった。

見かねた張仲景は、南陽の関東に臨時の診療所をつくり、
羊肉、唐辛子と寒気を取り除く作用のある薬を鍋でゆで、
小さく刻んだものを小麦粉の皮で包んで耳のような形にし、
それを再び鍋でゆでて、「駆寒矯耳湯」を作って人々に与え、
これで凍傷になった耳を治療した。

それ以降、毎年冬至になると人々はこれをまねて作るようになり、
「冬至に餃子を食べると凍えない」という言い伝えが生まれた。



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冬至の日は家族みんなで餃子を作る


しかし実は 餃子を食べるようになったのは

ほんのここ100年の風習であり、

元来は「餛飩」 つまり ワンタンを食べていたようです。

先ほどの「冬至は餃子、夏至は麺」という言葉も

「冬至餛飩,夏至麺」という言葉が本来の言葉でした。

例えば清・光緒三十二年(1906年)

敦崇によって書かれた『燕京歳時記』(燕京:北京の雅名)には



冬至は郊天の佳節である。 百官は天子に賀表を捧呈する。
民間では節会を行はず、唯だ餛飩 (わんたん) を食べるのみである。
夏に麪 (うどん) を食べるのと同じだ。
だから京師の諺に 「冬至は餛飩、夏至は麪」 と曰ふ(中略)

そもそも、餛飩の形は鶏卵の如くであつて、
頗る天地混沌 〔たる時の〕 現象に似て居る。
それで冬至にこれを食べるのだ(後略)



と このように、
饂飩を冬至に食べることが風習だと書いています。

清代末期にあたる1906年は日本でいえば明治39年のこと。

この頃日本では煙草のゴールデンバットが売り出され、

夏目漱石が小説坊ちゃんを発表した年になります。

またマハトマ・ガンディーが南アフリカで非暴力の抵抗運動を組織していたり。

つまり、100年前とは案外最近のことなのですね。

しかしこの餛飩は

餛飩の形は鶏卵の如くであつて、
頗る天地混沌 〔たる時の〕 現象に似て居る。
それで冬至にこれを食べるのだ


とあるところからして私達が今一般的に想像するものとは違い

よくスーパーで売っている

鍋物用の団子状になった水餃子のようなものだったのではないでしょうか。



とはいえ冬至にそのワンタンを食べる理由が

天地を形成する以前の陰陽の対立物が混沌としながらひとつになっている状態である

『宇宙卵』を食べるのを模しているというのですから

なんとも壮大な話です。

つまり冬至において

この世の始まりのエネルギーを体に取り込む呪術のひとつとして

ワンタンを食べていたという事になります。

(このように類似したもの同士は互いに影響しあうという発想

即ち似たものが力を持つという考え(類似の法則)に則った呪術を類感呪術と呼びます。)


この冬至に餛飩を食べる習俗は現在でも似たような風習が

中国南方や台湾などに残っており、

ごまの入った小倉餡を白玉粉で丸い団子状に包み

茹でてスープに浮かべる『湯圓』というものがそれになります。


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趙雲、張飛などの武将が湯圓を作っている(映画レッドクリフⅡより)



この湯圓は現在では肉が入ったものやピーナッツ餡に

桂花糖やゴマ·椰子·豆の餡のものがあるなど様々なバリエがありますが、

基本は小豆の餡の団子のようです。

これはこの湯圓が、前々回に書いた韓国のパッチュク同様に

小豆の赤い色によって邪なものを避ける意味を持っている事を表しています。

つまり丸い団子=宇宙卵のエネルギー 小豆=避邪 というわけです。


この丸い団子である湯圓は特に、

冬至の時には『冬至圓』という名前でばれます。

圓は丸という意味なので冬至の丸餅とでも言う感じでしょうか。

私達が普段「あんころ餅」を 

お彼岸やお盆の時には『お萩』『ぼた餅』と呼ぶのに似ていますね。






※冬至の開運のお話はもう少しだけ続きます

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