近頃は 
もはや古典に属するといったほうがいいような
そんな書籍ばかり読んでいる。

幼い子供の頃 
私の住む田舎町には
ちょっぴりの雑誌と
バトミントンのラケットにタバコが
ごたまぜに一緒にならべてあるような
そんな雑貨屋しかなかったので
極まれに隣の市の本屋に行ったときには
舐めるように本棚を見て回ったものだった。
今の私からは想像もつかないだろうが
当時は何しろ
おやつを食べるより何よりも
本を読んでいるほうが良かったのだ。

幼い私にとって
本屋は魅惑の宝箱だった。
けれど子供の私には
やっぱりどれも高額すぎて
ただ 眺めて我慢するほうが多かった。
それが 今 
隣の市にできたブックオフに行けば
そんな昔の憧れ本が
どれもこれも105円で手に入る。
有難い時代になったものだ。
シャーリー・マクレーンだとか
かつて一世を風靡した時代には
指を咥えて眺めていたけれど
「本との出会いは一期一会」が信条の私としては
とりあえず105円なんだからと
ついつい大人買いをしてしまうのだ。
まあ どれもこれも
今更手に取る人も少ないような
そんな本だけれども。
その上 部屋の片隅で
読む順番待ちの本が
ピラミッドを形成しかけているので
いったい何時読むのだか
自分でも良くわからないのだが。

 


ところで今読んでいるのは
図書館で借りてきた
世界オカルト事典という書籍。
奥付の発行年月日が
昭和末期の本なので
これまた新しくは無い本だ。
しかしこれが 今読むと 
私にはとても面白く感じている。


例えば 
現在ではヒーリングといえば
何かのエネルギーを操作していることが
暗黙の了解っぽくなっている。
心霊 神仏 本人 宇宙 等々なんにせよ 
かなり乱暴にいうならば
それはいうなれば
目に見えぬ何かのエネルギーを
対象に注入するか 操作するか
まあ そういったイメージが
一般的に流布しているのではないだろうか。
実はかつてそこには
マグネティズムという考えが存在していたのだ。


このマグネティズムは
宇宙を満たす帯磁性の液体
=動物性磁気であり
それが霊力、生命力の本質とみなす考え方だった
つまり 
「磁気を豊富かつ協力に保有する者が
病人に一部を分け与えることで、
治療効果があがる」という考え方で
実際に 医術として使用され
ある程度の効果をあげていたのだという
19世紀に大流行したこの医術は
しかし その後やがて
スピリチュアリズムへと乗り換えられて
今ではすっかり忘れ去られたそうだ

磁気というと
肩こりのネックレスなどを
思い浮かべる私だが
それでも人体は
一種の磁力を発し帯電したりもするし
それによって健康状態が
左右されることもあるとも思う
私がマグネティズムが面白いと思うのは
今一般的に言われるヒーリングのエネルギーが
あくまでも 非科学的な存在として
意識的に分類されているのに対して
マグネティズムは
科学というファンタジーによって
分類されているところだ
例えば テスラの永久機関とか
何かそういうものと同じに響きに聞こえて
なんだかわくわくしてしまう

ただ 誤解を恐れずに言うのならば
人を癒すエネルギーは 
今流布している考えとは別に
確かにマグネティズム的なものも存在していると思う
それが磁気という言葉で示すのは
さすがに乱暴な気がするが
私の少ない語彙と足りない頭では
うまく表現ができないので
「マグネティズム的なもの」としか言いようがない。
それは 私には電気の波動にも似ているように感じ取れ
そしてやはり宇宙に広がっており
時にそれによって
不調を起こしている人もいる気がしている。
そう まるで過充電をしてショートしているかのように。
砂鉄が磁石によって磁力を帯びて指向性をもつように。

この本には
ズピリチュアリズムが
現代的なものとして誕生したきっかけとされる
ハイズビル事件も
スピリチュアリズムの項目に記載されていた
これは 通称フォックス姉妹事件として
呼ばれたりもしているので
ご存知の方も多いだろう
この事件の一連の流れをみれば
科学が進んだ今の時代と
さほど結局は大差がなく
スピリチュアリズムに対する態度は
古今変わらないのだと思わされたりもする。
そういった 
歴史の流れを見ることができるのも
こういった古い書物のおかげなのだ


ただ 問題は
この本を読むと
とにもかくにも眠くて仕方がない。
少し読むと 1時間ほど眠ってしまう。
おかげで ちっとも進まない。
いったいいつ読み終わるのだろうか。