お待たせしました
岐阜でシャーマン
に出会ったシリーズ第4弾です
岐阜でシャーマンに出会ったはなし。(第一回)
シャーマンにダウジングロッドを使われるの巻。(第二回)
シャーマン1分キッキング。(第三回)
















ぺちん!ぺちん!ぺちん!
小さな夢殿のような小屋の中で
安江さんが杓文字もどきの謎の物体を
私へと振り下ろす
少し高い音が響いていた
ばちん!ばちん!ばちん!
同じように今度は背中の右側を叩くと
私の体は
先ほどより少しくぐもった
鈍い詰まった音を立てる
「どうやね 音の違いがわかるやろ?」
「はい さっきと違います」
「こっちがな 詰まってるんよ」
そういうと安江さんは
同席しているNさんにも杓文字を手渡すと
「あんたも一緒に叩いてやりなさい
人を叩いてあげればその分あんたも良くなるでね」
と 言い
私はうつ伏せに寝転がされたまま
体の右から左から二人に挟まれて
べしんべしんと叩かれることになったのだった
(・・・臼で突かれている餅はこんな気分なのか?)
頭の中では
すっかり年末の持ちつき気分である
もちろん 突かれている餅が自分なわけなのだが
それにしてもかなりべちべちと
音は派手に立てているけれど
実際のところは
まったく痛みは感じなかった
あくまでも それはまるで
私の体に向かってスタッカートをしているような
歯切れよく軽い心地よい振動なのだった
腰 背中 首 太もも 足先と
全身いたるところを叩かれまくり
なにやら ほんわりと体が温かくなってくる
すっかり 体の力ガ抜けて顔まで緩み
よだれが垂れそうになっていると
安江さんは 自分が何をしているのかを
問わず語りに語りだした
(これだけ叩かれてたら
マッサージや肩たたきされてるのと
似たような効果もあるだろうな)
部屋の中を流れる風に乗った
安江さんの言葉はまるで
何かの呪文のように
私をどんどん弛緩させていく
私はどこかぼんやりとした頭の隅で
安江さんの話を聴いていた
安江さんが行っている「これ」は
コスモニー健康法という
その始まりは 今から何十年か前のこと
その頃安江さんは
ひどい腰痛に悩まされていたのだという
その痛みは何をしても良くはならず
ついには寝起きもままならなくなってしまった
我とわが身のために
古今東西 様々な物事を試していくうちにやがて
自らの体を自らによって改善できる方法を編み出した
それが コスモニー健康法の元となるものだったという
寝起きもままならなかったはずの安江さんが
すっかり元気になったどころか
以前よりも健康的に見える様子をみて
不思議に思った人々が安江さんの元へ通うようにるのに
さほど時間はかからなかった
何しろ田舎で病に冒されても
病院はあまりに遠い
車で30分 1時間かかるのは当たり前のことで
緊急性はないけれども
じねじねと痛むような慢性の病や不調は
たいていの老人は我慢をしているものだった
そうこうするうちに
いよいよ具合が悪くなり寝たきりになれば
それは「年寄り病」と呼ばれるようになる
自分で運転のできないものにとって
安江さんの存在が
いかに無視できないものだったろうことは
想像に難くない
やがて 安江さんは請われるままに
人々へこの健康法による癒しを与えるようになっていった
そうして 名古屋 東京 大阪など
さまざまな場所で待つ人々のところへ出かけていくうちに
ある日気がついたことがあった
「どうして他所では
自分の家のような癒し効果がでないのだろう?」
そう 同じことを行っているにも関わらず
安江さんがご自宅で行っているときと比べて
明らかにお客さんの体がすっきりとしてこないのだ
それが何故なのか
安江さんは 再び研究をはじめた
そして 安江さんはその原因が
自分の家の松ノ木にあったことに気がついたのである
「松ノ木がな アンテナになってたんよ」
「アンテナ?」
「うむ 宇宙の『気』を受ける受信機やったんや」
私はうつぶせたまま
安江家の玄関先にある1本の松を頭に描く
「人間はな 気が滞るとおかしくなる
そんであの松ノ木が強く『気』を集めてくれてるおかげで
他でやるのとはまったく違うことがわかったんや」
(へぇ・・どっかで聴いたような話やなぁ)
私は心の中で小さくつぶやいた
不遜ながら ある意味オカルト畑でそだった私には
そういう話は食傷気味に感じてしまったのだ
ところが である
そこからの話が
これまた学研ムーの付録漫画にでもなりそうな
そんな話だったのだ
「松ノ木はな 実はピラミッドと同じやったんや」
「へ?」
「松ノ木の構造を調べてな
それでワシは
『気』と『ピラミッドパワー』のことがわかったんや」
(出たーーーー!オカルトやーーー!!!)
噂に聞いていた『ピラミッドパワー』という一言が
ついに 安江さん自身の口から現れた瞬間だった
















(5へ続く)

岐阜でシャーマン





















ぺちん!ぺちん!ぺちん!
小さな夢殿のような小屋の中で
安江さんが杓文字もどきの謎の物体を
私へと振り下ろす
少し高い音が響いていた
ばちん!ばちん!ばちん!
同じように今度は背中の右側を叩くと
私の体は
先ほどより少しくぐもった
鈍い詰まった音を立てる
「どうやね 音の違いがわかるやろ?」
「はい さっきと違います」
「こっちがな 詰まってるんよ」
そういうと安江さんは
同席しているNさんにも杓文字を手渡すと
「あんたも一緒に叩いてやりなさい
人を叩いてあげればその分あんたも良くなるでね」
と 言い
私はうつ伏せに寝転がされたまま
体の右から左から二人に挟まれて
べしんべしんと叩かれることになったのだった
(・・・臼で突かれている餅はこんな気分なのか?)
頭の中では
すっかり年末の持ちつき気分である
もちろん 突かれている餅が自分なわけなのだが
それにしてもかなりべちべちと
音は派手に立てているけれど
実際のところは
まったく痛みは感じなかった
あくまでも それはまるで
私の体に向かってスタッカートをしているような
歯切れよく軽い心地よい振動なのだった
腰 背中 首 太もも 足先と
全身いたるところを叩かれまくり
なにやら ほんわりと体が温かくなってくる
すっかり 体の力ガ抜けて顔まで緩み
よだれが垂れそうになっていると
安江さんは 自分が何をしているのかを
問わず語りに語りだした
(これだけ叩かれてたら
マッサージや肩たたきされてるのと
似たような効果もあるだろうな)
部屋の中を流れる風に乗った
安江さんの言葉はまるで
何かの呪文のように
私をどんどん弛緩させていく
私はどこかぼんやりとした頭の隅で
安江さんの話を聴いていた
安江さんが行っている「これ」は
コスモニー健康法という
その始まりは 今から何十年か前のこと
その頃安江さんは
ひどい腰痛に悩まされていたのだという
その痛みは何をしても良くはならず
ついには寝起きもままならなくなってしまった
我とわが身のために
古今東西 様々な物事を試していくうちにやがて
自らの体を自らによって改善できる方法を編み出した
それが コスモニー健康法の元となるものだったという
寝起きもままならなかったはずの安江さんが
すっかり元気になったどころか
以前よりも健康的に見える様子をみて
不思議に思った人々が安江さんの元へ通うようにるのに
さほど時間はかからなかった
何しろ田舎で病に冒されても
病院はあまりに遠い
車で30分 1時間かかるのは当たり前のことで
緊急性はないけれども
じねじねと痛むような慢性の病や不調は
たいていの老人は我慢をしているものだった
そうこうするうちに
いよいよ具合が悪くなり寝たきりになれば
それは「年寄り病」と呼ばれるようになる
自分で運転のできないものにとって
安江さんの存在が
いかに無視できないものだったろうことは
想像に難くない
やがて 安江さんは請われるままに
人々へこの健康法による癒しを与えるようになっていった
そうして 名古屋 東京 大阪など
さまざまな場所で待つ人々のところへ出かけていくうちに
ある日気がついたことがあった
「どうして他所では
自分の家のような癒し効果がでないのだろう?」
そう 同じことを行っているにも関わらず
安江さんがご自宅で行っているときと比べて
明らかにお客さんの体がすっきりとしてこないのだ
それが何故なのか
安江さんは 再び研究をはじめた
そして 安江さんはその原因が
自分の家の松ノ木にあったことに気がついたのである
「松ノ木がな アンテナになってたんよ」
「アンテナ?」
「うむ 宇宙の『気』を受ける受信機やったんや」
私はうつぶせたまま
安江家の玄関先にある1本の松を頭に描く
「人間はな 気が滞るとおかしくなる
そんであの松ノ木が強く『気』を集めてくれてるおかげで
他でやるのとはまったく違うことがわかったんや」
(へぇ・・どっかで聴いたような話やなぁ)
私は心の中で小さくつぶやいた
不遜ながら ある意味オカルト畑でそだった私には
そういう話は食傷気味に感じてしまったのだ
ところが である
そこからの話が
これまた学研ムーの付録漫画にでもなりそうな
そんな話だったのだ
「松ノ木はな 実はピラミッドと同じやったんや」
「へ?」
「松ノ木の構造を調べてな
それでワシは
『気』と『ピラミッドパワー』のことがわかったんや」
(出たーーーー!オカルトやーーー!!!)
噂に聞いていた『ピラミッドパワー』という一言が
ついに 安江さん自身の口から現れた瞬間だった
















(5へ続く)