ガイドは様々なメッセージを伝えてくれる


けれど そのメッセージは
決して命令ではない 
なぜなら彼らには本来命令をするという
意識感情が無いからだ

そして 彼らは
私たちの成長に必要なことを伝える
それは ときに
ひどく厳しいものだ
苦渋に満ちた結果を知らされることもあれば
到底自分には無理だと思えるような
そんな場合もある

けれど それを厳しいと感じるのは
聴く私たちの感情の問題であるような気がしている


例えば 子供を強く愛している母がいたとしよう
子供は成長し 自分の人生を歩みたがる
しかし 母はそれを受け入れることが出来ない
母は子供を愛しており 
自分の傍から離れるなど到底受け入れられないからだ
そうして 全ての責任や行動の自由を
心配という名前によって奪い去っていく
そのために子供は自立することができなくなり
ただただ引きこもり 母のために家にい続ける
「面倒をみなくてはいけない困った子供」という役割を
母のために演じることになるのだ

この母がこんな質問をしたとしたらどうだろう?

「子供がひきこもりで困っているんです 
 どうしたらいいですか?」
 
それに対して 

「子供を捨てなさい 
ご飯を作るのをやめなさい
全てを用意して部屋の前におくのをやめなさい
暴力を振るわれたら警察にいき 
きちんと第三者をいれるべきです
あなたは 子供を自分のために飼っているのですよ」

もしもこんなメッセージを受けたなら
おそらくこの母は受け入れることは出来ないだろう
『子供が心配だし そんなことできない』
おそらくそんな感情が湧くのではないだろうか
外からみたら 家族のために献身的で
犠牲者となっている母の図は
彼女にとっては心地よく
そして何より子供は
「自分の思い通りに」なっていないと不満なのだ
自分の思い描いた成長した子供の図から
はみ出すことは許せないのだ
暴力も 引きこもりも 金の無心も
全て 自分が招いていることであり
依存をさせることにより
子供を支配しているというのに

きっと彼女が求めているのは
一振りで解決す魔法のステッキ
彼女が思い描く子供の図を
たった一瞬で実現してくれるような
そんな都合のよい魔法なのだ


実際には 様々な要因があるし
引きこもりも様々な原因があることなので
あくまでも これは
例え話だと理解していただきたい 
(実際に こういう相談もいただいてはいない)
 
ただ 私が言いたかったのは
ガイドというのは
時に 一見受け入れがたいような
そんなメッセージを与えることがあるということなのだ
そして 私たちを甘やかし
そこに留めおくような
そんなただ気持ちの良いだけの言葉や
自分の感情を 
ただ肯定してくれるだけというような
そんなことは私はしないと感じている
彼らは いつも 
私たちのねじくれた感情を解くための
その方法を知らせてくれているのだと思う


傷つくことが嫌さに
人をコントロールしようと思うのは
間違いだと私は思う
いつか それは必ず歪みを生むだろう
だから 私は何かを呪ったり 
人をコントロールするための術を使うことは
したくはないし してはいけないと思っている
どんなにそれを望んでも
それが正しい道から外れているとき
ガイドはそれを告げるだろう
そして それを 
どう受け取るかは自由なのだ
彼らは 私たちの自由意志を尊重しているのだから

ただ 私の個人的な思いとして 
そのような望みを叶えて差し上げることはできない
理から外れた願いを叶える手助けは
私には出来ないのだ


欲望という名前の魔物は
いつもこぎれいな顔をしている
そして愛というマントを羽織って
甘い言葉をささやき続ける