「えぇ!?無理です!!」

深夜2時の台北 小さな夜市のテーブルで
ビールを堪能していた私ハヌルは
強引な漢方女医のごり押しを断れず
ついに言葉も通じない相手を霊視リーディングをすることに…

公開リーディングin台北 こちらから一気にどうぞ →第壱話  →第弐話


もう11月も中旬すぎとなれば
さすがの台北でも吹いてくる夜風は冷たい
ましてや深夜過ぎである
小さな 雙城街夜市 のど真中に座する私たちのところへ
端の屋台をくぐってきた風が
臭豆腐の独特のあの臭いを運んでいた

「林さん あなたが結婚できないのは 
ある女性の生霊があなたに憑いているからです」

私の言葉を聞いた宋老師はぎょっと眼を見開き
強張った顔つきで林さんに私の言葉を告げた

「背格好は中肉中背 157~160程度です
でもどちらかというと痩せ気味 
太ってはいません
黒髪でストレート 前髪はワンレンのようにあごまで伸びています
胸より少し短い長さで毛先はザンバラ そろっていません
白いシャツにフレアーのグレーのスカートをはいています
は素足で先のないパンプスをはいています
全体に派手な印象はありません」

宋老師が伝える言葉を聞いている林さんの顔つきが
みるみるうちに変化していく

「その女性は台北の人ではありません もっと南で
台北~台中の真中より台北よりの出身です
あなたはこの女性と4年前まで関係をもっていたはずです
でも2年前には別れて連絡はとっていないでしょう」

林さんの表情は今にも泣き出しそうに見えた

「肌の色は白く 化粧はしていません
眼は一重 でも怒るとその眼を見開いて怒り狂うので
大き眼の印象になります
あなたはこの女性をしっていますか?」

すうっ
私たちの周りの温度が
急に下がったような気がした

「・・知っていまス 知っていまス」

「この人はあなたを愛しすぎたのです
別れたくなかったのです
でもあなたたちは愛し合っても
なぜかうまくはいかなかった」
だから別れるときも彼女は反対しませんでした
でも本当はいやだったのです
その凝り固まった想いが執念と化して
彼女の意思と関係なく
あなたにとり憑いてしまったのです」

私と林さんを取り囲む男たちは
一言も発せず
ただただ この成り行きを凝視している

「あなたの言っているコト 正しい思いまス」

宋老師の伝える声がかすかに高く響く

「林さん こう言っていまス
林さんいままでに 何人か台湾の導士観てもらいましタ
あなた同じコト言ってると言っていまス
みんな女憑いてるいいしたそうでス」

宋老師が言葉を切るのを待って
林さんが何かを早口で畳み掛けるように話す
それを聞いた老師も
囲んでいた男たちも
みな一様にとても驚いた表情で私をみた

「ハヌルさん その女を特定して言い当てたのは
アナタだけだそうでスっ」

あぁ 寒いな・・・
酔いが抜けてきたのかな・・・
どこかで私はぼんやりとそんなことを考えていた

「あなた林さん助けテあげてくださイ!」

私を囲む男たちまでが
みな私に大声で何かを訴え始める
どの顔も眼も真剣そのものではあるものの
口々に叫ばれても
私には台湾語はわからないのだ

あぁ 体が燃える

手のひらが 頭があつく揺らめきだしていた

---------------------------------------------(続く)



精神世界ランクばなー
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