チョコとケーキの夢で目覚めた朝
私はふと ある夢を思い出した
それは2回目に台湾へ渡った最初の夜に見た夢だった

あの日桃園空港からホテルに着いたのは
もう深夜1時を回っていた
私と世話人のSさんは
市内行きのバスを探して深夜の空港を歩き回り
生ぬるい雨がそぼ降る台北の街へと向かった
人がひとり押し込めそうなほど大きな旅行カバンは
人より大きい私の手にすら余り
ごろごろ押して歩くだけでもちょっとした重労働
ピラミッド建設の虜囚にでもなった気分で
自分勝手にも気が滅入る
雨と蒸気と八角の臭いが交じり合うむっとした空気の中
ようようホテルまでたどり着いたのだった

私達の間で「いつものとこ」で通るほど御馴染みの
深夜営業のある食堂から
テイクアウトにしてきた夜食用の蛤粥は
濃厚な貝だしに生の生姜の鮮烈な香り
台湾に帰ってきたなぁとうっとりさせる香りだ
馴染みの7-11(セブンイレブン)で買った
阿里山烏龍の日式でアツアツの蛤粥を流し込む
五臓六腑に染み渡るとはまさにこのこと
そのままベッドに倒れこめば
もう目を開いていられなかった
なにしろ家から東京まででも 結構な長旅なのに
休む間もなく東京でセッション会をして
そのままその足で台北へとやってきた私
体力のない私には限界だったんだろう

どれくらい寝ていたのか分らない
ふと気が付けば私は
真白き空間の中にいた
いや 私は本当は眠っているのだった
自分の肉体が眠っていることは
どうしてなのだかはっきりと自覚していた
けれど 私の意識がいるところは真白の世界
足元は あまりに濃いためにいっそ黒に見えるほどの藍色で
それが膝のあたりから白と混じって消えていく
誰もいない 何もいない
閉ざされた私の眠りの空間
そうこれは
寝ているような起きているような
うつつの世界だと 私は夢の中で感じていた

唐突に私の頭上に光が現れた
それは 強き輝きのためにいっそ白に見える光だった
そしてそんなに強いのに熱を感じぬ光なのだった
いっそ その光の圧力で涼やかな風を感じるほどだ
やがて その光は高きところから私の正面へと降りてきた
いや 降りてきただけではない
その光は空間の中を満たすほどの大きな強い光となり
その中心には人影がいるのがわかった
そう 誰かが光を放っているのだ
その人は白と青の長いローブのような服を身にまとい
その輝きで輪郭は見えないながら 光る長い長い髪をして 
薄く桃色に上気したような それでいて滑らかな白い肌をしていた
その人は私の目にはとても女性的に見えた
実際は全ての輪郭が光輝きまばゆくて
ところどころしか私には見えていなかった
顔だちも何もよくわからないのに
何故そう思ったのかはよく覚えていない

やがてその人は宙より手を伸ばすと
私の両の頬をその真っ白い両手で持ち上げ上を向かせた
なぜか私は怖いともなんとも思わず
まるで子供のようにされるがままになっていた
そして顔が近づいてきたかと思うと
私は口づけをされたのである
そして口づけをされた私の口の中に何かが入ってきた
それは丸くて大きくて硬いものだった
まるでドラゴンボールに出てきそうな
丸くて滑らかな大きい大きい珠のようだった
口づけというより 口移しをされたのだ
私の口の中へ入れられた珠は
しばらくするとふっと感触がなくなった
物理的な形を失い 私へ溶けてしまったようだった
ふと意識をその人に向けると
表情はわからないけれど 
なんだか微笑んでいるように思えた
そして微笑みながら光の中へ消え始めたと思ったとき
私は現実の肉体で目が覚めた

体を起こすと
妙に体がすっきりとしていた
時計を見れば まだ早朝だ
短時間にぐっすり寝たのかなと思いつつ
実際は寝ていたような気がしなかった

天のみ使い・・・?
変わった夢だな

明らかに 西洋的なイメージの夢だった
普段私は殆ど夢は覚えていないのだが
こういった西洋キリスト教的イメージは浮かびにくいらしく
私の夢にはないものだった

あぁ そうか  hijiringさん の影響か

シャワーを浴びながら苦笑する
成田へ向かう直前に 
私は hijiringさん のセッションをさせていただいた
hijiringさん はとても素晴らしいヒーラーで
その背後には西洋的エネルギーが満ち溢れておいでだった
きっと私にはその印象が残っていて
それでこんな夢を見たのだろう
なんて私は単純なんだと
そのとき自分にげんなりしたのだが

チョコとケーキの夢をみた後
この天使の口づけの夢は形は違うけれど 
実は同じようなことを
私にメッセージしてきていたのだと
はっとした

もちろん夢はひとつの象徴に
多層のメッセージを含めていたりする
チョコはご褒美であり テオブロマであり 
かつヒトとの出会いであり・・・
(もしかしたらお名前にチョコがつく人とかw)
何にせよ この道を進む私には
有り難い夢でした (*´∇`*)