台北のホテルで
ある台湾人男性をセッションさせていただいた
セッションが終わったあと
彼は私にこう告げた
「仕事柄 今まで台湾で
いろいろな人にみてもらったことがあります
でも いつも腑に落ちなかったし
どこか納得が出来なかった
でも あなたは違う
まるでパズルのピースがはまったように
全てがぴったりすっきりしたし
とても納得がいきました!
あなたは 凄い人ですね!!」
31歳の彼の職業は
日本人相手のガイドだ
私のクライアントの知り合いということで
深夜ホテルへと訪ねて来たのである
大げさな彼の言葉に
私はかなり気恥ずかしく恐縮してしまい
口の中でもごもごと
そんなことないですとつぶやいて
話題を変えようと
ふとこんなことを口にした
「そういえば 台湾も占い有名ですよね
でも私だれに占ってもらえばいいのかわかんなくって
今回は占ってもらわず帰国っぽいですねー」
すると彼は勢いづいて
「いい先生がいます!
彼は50年のキャリアの持ち主で
かなり凄い先生ですから!
ボクが明日見てもらえるよう予約とって上げますよ!!」
と言ってくれたのである
正直話題変えのつもりで
適当に口に出した話だったが
そんな凄い方なら
ぜひお目にかかってみたくなってしまう
ところが
そこにいた私のクライアントが顔色をかえた
「ちょっと それ
この前私に紹介してくれた人と別人じゃないの!
私にはあの女占い師がいいって
いったじゃない!?」
「いや だって
あなたとハヌルさんじゃレベルが違うから・・・
あなたに紹介した先生じゃ
ハヌルさんのほうが
先生にアドバイスすることになるよ
とにかくハヌルさんと話せるレベルの先生は
明日予約する先生しかいないよ」
私のクライアントはレベルが云々と言われ
すっかり気分を悪くしてしまったが
結局彼は
私とクライアントの二人ぶん
予約をとってくれたのだった
実際私はレベルがどうのというより
占い師さんとの相性の問題で
彼はクライアントさんに
最初は違う占い師を紹介したのではないかと
思っている
実際クライアントが前回鑑定してもらった女占い師も
日本から芸能人も訪れる有名な方なのだ
翌日予約の時間に少し遅れてしまったが
前のお客さんが鑑定中だったので
ほっとしながら
椅子にかけて待っていた
しばらくたち前の方が終わるや
いざなわれるままに老師の前に座った
老師はとても有名な方のようだった
なにしろその机には
数限りない様々な
日本のテレビ局や雑誌社の名刺が挟み込まれ
壁にはぐるりと
何人もの日本のタレントと写った老師の写真が
張り巡らされていた
普段日本で占いは殆どしたことが無いし
特に聞きたいことも無いのに
凄い占いの方というだけで訪れてしまった私
とりあえずアバウトに
一生の鑑定をお願いすることにした
老師によれば
生年月日と生まれた時間 そして
顔相と手相で総合判断をするのだそうだ
老師の場合今回の私が受ける占いでは
名前は殆ど関係ないとのことだった
真っ赤な紙の上を
走るように老師は筆を滑らせて
黒々とした字が踊るように生み出されていく
それはとても達筆で
私は鑑定歴史50年というその重みを
その墨の文字に感じていた
一瞬の沈黙の後
うーんと老師はうなった
「あなた 『分かる』人でしょう?」
老師はおもむろに口を開いた
「あなた『観える』人でしょう?自分で分かってますよね?」
軽く驚きながら私は
はい と小さく答える
「凄いですね あなたには
普通の人だったらひとつあれば良い金の星が
なんと3つもついています
相当の金運の持ち主ですよ
しかも ここを見なさい
これは頭の星です 凄い
あなたは何をしても必ずトップの人です
やくざなら親分 会社なら会長
何をしても必ず上になるべき人です」
いやぁ その割りに
お金全然ないんですけどぅ・・と
私は小さく抵抗するように口を挟む
実際びっくりするほど私は貧乏なのだ
そう私は
お金に困っていないときがないのだ
いつも財布にはいっているだけが全財産で
赤貧を絵に描いたような女なのだから
せっかくセッションの仕事が入っても
うっかりお金をもらえなかったり
延長のお金を言い出せなかったり・・・
変なところが気が弱くて
ただ働きもしょっちゅうだし
交通費を言い出せなかったり
セッションの前後にクライアントのための祈祷で
相当出費があってもそれも言い出せず
全部自己負担だったり
結局頂いている金額では
その方に対する仕事としては
赤字になっていることもしょっちゅうで・・
それで子供2人抱えているものだから
どうにもこうにもな生活苦
それでもなんとか生活しているのだから
まぁ金運がある・・・のかもしれ・・ない
「あなた とてもよい顔をしている」
老師は唐突に私の顔を見つめた
そして私の横に座っていたクライアントのTさんを見つめると
こういった
「見なさい あなたには神様がついています
でも この人(ハヌル)は違います」
先に鑑定を受けていたTさんは
鑑定の際にあなたには神様がついていると言われていた
実はTさんは今まで何人かに同じことを言われており
今回もやはりということだったのだが
そのTさんと私は違うという
何が違うというのか
私はどきどきして続きを待った
「この人は違います
何故ならこの人が『神様』だからです」
私は驚いた
なんてことを言い出すのだこの老師は!
私が神様?
笑止千万である
「見なさい この人の顔を
この人には天の徳が備わっている
この人は前世で神仏だったのだ
しかし人を哀れに思い衆生をその慈悲で助けるために
人間の姿になって生まれてきたのが
今のこの姿なのだ」
・・・・絶句である
私の前世が神仏?
人を助けるために人になった?
・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・
ええええええ?
いくら神様が生まれ変わって人になったからといって
こんな卑小な人間になるなんてあるだろうか?
いや ない (独り反語)
「惜しい 実に惜しい
あなたはものすごい運を持っているのに
あなたの言うことを聞いたなら
男は必ず現世の利益を得られるのに
今までの男はあなたの言うことを聞かなかった
この人を手にいれる男は栄華をものにするのに
本当に惜しい
私が若ければあなたとぜひ結婚したい」
それほどのものすごい運を
私が持っているからこそ
こうやって生き延びているのかもしれない
なにしろ私は「死ねない女」なのだから
鑑定料の1000元を支払いながら
私はいろいろなことを思った
まぁ この話は半分に聞いておけばいいだろう
いや 半分以下
いやいや1/10でいいくらいだろう
きっとこの老師は
誰にでもこういうことをいうのだろう
そうでなくとも 日本人相手だから
大げさによいことを話して
よい思い出作りをしてくれているのだろう
しかし その2日後
私は更に驚かされる出来事にであっていた
そう 私はタンキー(台湾語)即ち
台湾の道教のシャーマンであり霊媒師より
とあるご神託をいただいたのである
++++++++(タンキー編に続く)
ある台湾人男性をセッションさせていただいた
セッションが終わったあと
彼は私にこう告げた
「仕事柄 今まで台湾で
いろいろな人にみてもらったことがあります
でも いつも腑に落ちなかったし
どこか納得が出来なかった
でも あなたは違う
まるでパズルのピースがはまったように
全てがぴったりすっきりしたし
とても納得がいきました!
あなたは 凄い人ですね!!」
31歳の彼の職業は
日本人相手のガイドだ
私のクライアントの知り合いということで
深夜ホテルへと訪ねて来たのである
大げさな彼の言葉に
私はかなり気恥ずかしく恐縮してしまい
口の中でもごもごと
そんなことないですとつぶやいて
話題を変えようと
ふとこんなことを口にした
「そういえば 台湾も占い有名ですよね
でも私だれに占ってもらえばいいのかわかんなくって
今回は占ってもらわず帰国っぽいですねー」
すると彼は勢いづいて
「いい先生がいます!
彼は50年のキャリアの持ち主で
かなり凄い先生ですから!
ボクが明日見てもらえるよう予約とって上げますよ!!」
と言ってくれたのである
正直話題変えのつもりで
適当に口に出した話だったが
そんな凄い方なら
ぜひお目にかかってみたくなってしまう
ところが
そこにいた私のクライアントが顔色をかえた
「ちょっと それ
この前私に紹介してくれた人と別人じゃないの!
私にはあの女占い師がいいって
いったじゃない!?」
「いや だって
あなたとハヌルさんじゃレベルが違うから・・・
あなたに紹介した先生じゃ
ハヌルさんのほうが
先生にアドバイスすることになるよ
とにかくハヌルさんと話せるレベルの先生は
明日予約する先生しかいないよ」
私のクライアントはレベルが云々と言われ
すっかり気分を悪くしてしまったが
結局彼は
私とクライアントの二人ぶん
予約をとってくれたのだった
実際私はレベルがどうのというより
占い師さんとの相性の問題で
彼はクライアントさんに
最初は違う占い師を紹介したのではないかと
思っている
実際クライアントが前回鑑定してもらった女占い師も
日本から芸能人も訪れる有名な方なのだ
翌日予約の時間に少し遅れてしまったが
前のお客さんが鑑定中だったので
ほっとしながら
椅子にかけて待っていた
しばらくたち前の方が終わるや
いざなわれるままに老師の前に座った
老師はとても有名な方のようだった
なにしろその机には
数限りない様々な
日本のテレビ局や雑誌社の名刺が挟み込まれ
壁にはぐるりと
何人もの日本のタレントと写った老師の写真が
張り巡らされていた
普段日本で占いは殆どしたことが無いし
特に聞きたいことも無いのに
凄い占いの方というだけで訪れてしまった私
とりあえずアバウトに
一生の鑑定をお願いすることにした
老師によれば
生年月日と生まれた時間 そして
顔相と手相で総合判断をするのだそうだ
老師の場合今回の私が受ける占いでは
名前は殆ど関係ないとのことだった
真っ赤な紙の上を
走るように老師は筆を滑らせて
黒々とした字が踊るように生み出されていく
それはとても達筆で
私は鑑定歴史50年というその重みを
その墨の文字に感じていた
一瞬の沈黙の後
うーんと老師はうなった
「あなた 『分かる』人でしょう?」
老師はおもむろに口を開いた
「あなた『観える』人でしょう?自分で分かってますよね?」
軽く驚きながら私は
はい と小さく答える
「凄いですね あなたには
普通の人だったらひとつあれば良い金の星が
なんと3つもついています
相当の金運の持ち主ですよ
しかも ここを見なさい
これは頭の星です 凄い
あなたは何をしても必ずトップの人です
やくざなら親分 会社なら会長
何をしても必ず上になるべき人です」
いやぁ その割りに
お金全然ないんですけどぅ・・と
私は小さく抵抗するように口を挟む
実際びっくりするほど私は貧乏なのだ
そう私は
お金に困っていないときがないのだ
いつも財布にはいっているだけが全財産で
赤貧を絵に描いたような女なのだから
せっかくセッションの仕事が入っても
うっかりお金をもらえなかったり
延長のお金を言い出せなかったり・・・
変なところが気が弱くて
ただ働きもしょっちゅうだし
交通費を言い出せなかったり
セッションの前後にクライアントのための祈祷で
相当出費があってもそれも言い出せず
全部自己負担だったり
結局頂いている金額では
その方に対する仕事としては
赤字になっていることもしょっちゅうで・・
それで子供2人抱えているものだから
どうにもこうにもな生活苦
それでもなんとか生活しているのだから
まぁ金運がある・・・のかもしれ・・ない
「あなた とてもよい顔をしている」
老師は唐突に私の顔を見つめた
そして私の横に座っていたクライアントのTさんを見つめると
こういった
「見なさい あなたには神様がついています
でも この人(ハヌル)は違います」
先に鑑定を受けていたTさんは
鑑定の際にあなたには神様がついていると言われていた
実はTさんは今まで何人かに同じことを言われており
今回もやはりということだったのだが
そのTさんと私は違うという
何が違うというのか
私はどきどきして続きを待った
「この人は違います
何故ならこの人が『神様』だからです」
私は驚いた
なんてことを言い出すのだこの老師は!
私が神様?
笑止千万である
「見なさい この人の顔を
この人には天の徳が備わっている
この人は前世で神仏だったのだ
しかし人を哀れに思い衆生をその慈悲で助けるために
人間の姿になって生まれてきたのが
今のこの姿なのだ」
・・・・絶句である
私の前世が神仏?
人を助けるために人になった?
・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・
ええええええ?
いくら神様が生まれ変わって人になったからといって
こんな卑小な人間になるなんてあるだろうか?
いや ない (独り反語)
「惜しい 実に惜しい
あなたはものすごい運を持っているのに
あなたの言うことを聞いたなら
男は必ず現世の利益を得られるのに
今までの男はあなたの言うことを聞かなかった
この人を手にいれる男は栄華をものにするのに
本当に惜しい
私が若ければあなたとぜひ結婚したい」
それほどのものすごい運を
私が持っているからこそ
こうやって生き延びているのかもしれない
なにしろ私は「死ねない女」なのだから
鑑定料の1000元を支払いながら
私はいろいろなことを思った
まぁ この話は半分に聞いておけばいいだろう
いや 半分以下
いやいや1/10でいいくらいだろう
きっとこの老師は
誰にでもこういうことをいうのだろう
そうでなくとも 日本人相手だから
大げさによいことを話して
よい思い出作りをしてくれているのだろう
しかし その2日後
私は更に驚かされる出来事にであっていた
そう 私はタンキー(台湾語)即ち
台湾の道教のシャーマンであり霊媒師より
とあるご神託をいただいたのである
++++++++(タンキー編に続く)