年末から具合を悪くしながら考えていた
それは体の具合の悪さではなく
改めて現れた「問い」について
「問い」は言い換えれば カルマ
カルマというとどこか少し香ばしく臭うから
「業」といったほうが私にはすっきりくるけれど
同じことを繰り返す
違う回答を持って答えても
同じ問いは現れる
それはなぜか
その答えが
心の奥底から現れ出でたる真実の回答ではないからだ
表面は変化しているように見えても
心の奥底では違っている
分かったようなつもりでいても
本当は理解なんかしていやしない
だからこそ こうして問われるのだ
おまえ それで 心を割ったつもりなのかい?
神仏は にこにこと微笑みながら
残酷にも見える問いを繰り返す
いや 繰り替えすことを望むのは 私なのだ
残酷に見ているのも私だ
神仏にはそんな気毛頭ありはしない
彼らは 罰せず 誉めず 祝わず 呪わず
業は 油汚れに似ている
さっさときちんと洗えばよいものを
手荒れをするから とか
水が冷たいから とか
洗剤が少ないから とか
そんな言い訳で 適当に見てみぬふりをしていると
大掃除のときには積もり積もって もう大変
寒い風に吹かれながら 冷たい水で洗うことになって
結局風邪をひいてしまったりするのだ
業も同じだ
すっかり焦げ付いてしまう前に
心を縛り上げてしまう前に
解き放ってしまえばいいものを
御身可愛さのあまり
あれやこれやと言い訳をして
つらい いやな現実から逃げてしまう
感情や情けという甘い砂糖菓子でコーティングして
本当は汚らしい脂の塊を
綺麗なお菓子に見せかけるのだ
そうしていざ事が起こると
厳しい風に吹かれて心が引きちぎれそうになる
その痛みに耐えられず
何故その風に吹かれねばならぬのかを
考えることをやめてしまう
そうして 業は 積もりゆく
潔くいたい
自分の心の汚泥を見るたびに
潔くいたいのだと 何度も何度もつぶやく
心に剣を振るって
自分の腐れた肉を断ち切りたい
剣を持てぬなら
せめて与えられたこの二つの腕で
自ら心を引きちぎりたい
どれほど傷つこうと
体が汚されようと
本当はなにも変わらない
どれほど栄光を得ようと
どれほど清浄であろうと
本当はなにひとつ変わらないのだ
自分のちからで得られないものなら
ただのひとつも欲しくはない
私にそれを与えられるだけの努力と
誠心誠意の心が備わっていないのなら
それは まだ不必要なものなのだ
酒も芸も そして愛も
友ではあるが
もっとも大切なものとはいえぬ
もっとも大切な友とは・・・
まさしく苦痛だ
苦痛と友になり
自分の役割の敷居をさっと超えていける者
その者がまさしく真の人であり
人間なのだ
黄真伊 第4話「初恋」より
《おしらせ》
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お手数ですが ご一報願います
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「問い」は言い換えれば カルマ
カルマというとどこか少し香ばしく臭うから
「業」といったほうが私にはすっきりくるけれど
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同じ問いは現れる
それはなぜか
その答えが
心の奥底から現れ出でたる真実の回答ではないからだ
表面は変化しているように見えても
心の奥底では違っている
分かったようなつもりでいても
本当は理解なんかしていやしない
だからこそ こうして問われるのだ
おまえ それで 心を割ったつもりなのかい?
神仏は にこにこと微笑みながら
残酷にも見える問いを繰り返す
いや 繰り替えすことを望むのは 私なのだ
残酷に見ているのも私だ
神仏にはそんな気毛頭ありはしない
彼らは 罰せず 誉めず 祝わず 呪わず
業は 油汚れに似ている
さっさときちんと洗えばよいものを
手荒れをするから とか
水が冷たいから とか
洗剤が少ないから とか
そんな言い訳で 適当に見てみぬふりをしていると
大掃除のときには積もり積もって もう大変
寒い風に吹かれながら 冷たい水で洗うことになって
結局風邪をひいてしまったりするのだ
業も同じだ
すっかり焦げ付いてしまう前に
心を縛り上げてしまう前に
解き放ってしまえばいいものを
御身可愛さのあまり
あれやこれやと言い訳をして
つらい いやな現実から逃げてしまう
感情や情けという甘い砂糖菓子でコーティングして
本当は汚らしい脂の塊を
綺麗なお菓子に見せかけるのだ
そうしていざ事が起こると
厳しい風に吹かれて心が引きちぎれそうになる
その痛みに耐えられず
何故その風に吹かれねばならぬのかを
考えることをやめてしまう
そうして 業は 積もりゆく
潔くいたい
自分の心の汚泥を見るたびに
潔くいたいのだと 何度も何度もつぶやく
心に剣を振るって
自分の腐れた肉を断ち切りたい
剣を持てぬなら
せめて与えられたこの二つの腕で
自ら心を引きちぎりたい
どれほど傷つこうと
体が汚されようと
本当はなにも変わらない
どれほど栄光を得ようと
どれほど清浄であろうと
本当はなにひとつ変わらないのだ
自分のちからで得られないものなら
ただのひとつも欲しくはない
私にそれを与えられるだけの努力と
誠心誠意の心が備わっていないのなら
それは まだ不必要なものなのだ
酒も芸も そして愛も
友ではあるが
もっとも大切なものとはいえぬ
もっとも大切な友とは・・・
まさしく苦痛だ
苦痛と友になり
自分の役割の敷居をさっと超えていける者
その者がまさしく真の人であり
人間なのだ
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