朱珠ちゃんの運転する車は
犬山までびゅんびゅん走っていきます
朱珠ちゃんのことを
ご存知の方もいるかもしれませんが
彼女は私の蜻蛉玉(ハヌル玉)の先輩であり
私のもうひとつのブログによく登場していた
あのヨンちゃんです
(朱珠ちゃんの作品は島時間へようこそでみることが出来ます)
朱珠ちゃんは
かつてまったくの偶然で蜻蛉玉を始めました
たまたま通りかかった場所でであったのが
高名な蜻蛉玉の先生だったのです
しばらく先生のもとへ通っていたのですが
様々な事情で通えなくなり
そしてそのまま先生とも
連絡が途絶えてしまいました
そうしてそれきり会うこともありませんでした
ところが朱珠ちゃんは
犬山へ行く前日の夜
突然その先生のことが気になりました
先生の蜻蛉玉の技術は
博物館に収蔵されるほど
素晴らしいものなのです
更なる高みへと進みたい朱珠ちゃんは
もう一度先生の技術を学びたいと思ったのです
思い立ったが吉日で
早速連絡をとろうにも
連絡先がわかりませんでした
ネットでようやく見つけても
「放浪の旅に出ているので連絡は取れません」とのこと・・
世界を旅している先生だったので
今頃どこの空の下にいるのかも分からず
もう会えないのかもしれませんでした
朱珠ちゃんは
先生と作った玉が急に美しく思えて
その日私と会う前に大切に握り締めてきたのでした
そうこうするうちに犬山へと到着しました
犬山城下は桜吹雪でなんとも美しい眺めです
すっかりお腹が空いていたので
まず喰い気な私たちは
早速そのシルバーを扱っているカレー屋を探すために
お城の駐車場に車を止めて歩き出しました
柔らかな春の風に優しく揺れる桜の枝から
はらりはらりと花びらが舞い
芽吹いた若葉を透かす日差しは
まだ柔らかく心地よく
木々の向こうに見える青い青い空までもが
なんとも心和む色あいです
歩きながら二人とも
この妙なる自然に感嘆し
この薄墨を刷いた独特の春の色調を
硝子で表現できたなら
どんなによいだろうとつぶやきあいました
ところが歩けど歩けど
目的の店がありません
長い間来ない間にどうやら
違うお店になってしまっているようでした
仕方がないので
町の駅でもらったチラシに載っていた
通りのはしっこのお店でお昼を・・と
二人が歩き始めたとたん
朱珠ちゃんに電話がかかってきました
普段だったらすぐ切るのですが
かけてきたのが久しぶりの相手だったので
切るに切れない様子
しばらく待っていましたが
なかなか話が終わらないので
ぶらぶらと歩きだしました
朱珠ちゃんは話しながらなので
ゆっくりゆっくり着いてきます
このままじゃランチの時間が終わっちゃうかも と
私は少しあせりました
(1時30過ぎだったのです)
ふと 何気なく見ると
一見よく観光地にあるみやげ物やのようなお店の壁に
「ランチ600円珈琲付き」と
書いてあるではありませんか
ちょっと見た目どうかなぁと思いましたが
何しろお腹が空いています
いつもだったらそんなことしないのですが
私は勝手にそこに決めてしまいました
目で合図をすると
朱珠ちゃんはまだ携帯で話していましたが
そのまま話しながら席までやってきました
二人とも日替わりのランチを頼みました
店内は私たちとご婦人がお一人だけ
のんびりとくつろぎ始めたそのとき
一人の男の人が入ってきました
「え?! せ 先生!!」
朱珠ちゃんが突然大きな声を出しました
「ハヌちゃん! 先生!先生だよ!!!」
そうです
さっき車の中で話しをしていた
あの蜻蛉玉の先生が
突然お店に現れたのでした
朱珠ちゃんは
あまりのことに仰天していました
この2年あまりなんの音沙汰もなく
一度もう一度習おうと思い調べても
そのときは教室も無くなり
連絡先も分からずじまいでした
それからは
朱珠ちゃん自身も
連絡を取ろうと思っていませんでした
しかも上に書いたとおり
もう一度連絡をとろうと思っても
先生は旅に出ているらしく
日本にいるのか
チベットにいるのか
アフリカにいるのか
もうとにかく連絡は取れないという状態だと
わかったその次の日の再会劇です
ところが何故か
私はまったく驚かなかったのでした
それが何故なのかは分かりません
今こうして昨日の出来事を書いていると
いまさらながら少し驚いています
何しろ犬山なんて
私と朱珠ちゃんにとっては
いつも通りすぎるだけの町なのです
そこへわざわざこうして来たこと
しかも違うお店に食べにいくはずが
携帯で話していたために
目についたところへ入ったこと
先生もちょうどそのタイミングでお店へきたこと
すべてすごい偶然ですよね
でもまぁ
偶然というのは
そういうものかもしれません
+++++++++++++<続く>
犬山までびゅんびゅん走っていきます
朱珠ちゃんのことを
ご存知の方もいるかもしれませんが
彼女は私の蜻蛉玉(ハヌル玉)の先輩であり
私のもうひとつのブログによく登場していた
あのヨンちゃんです
(朱珠ちゃんの作品は島時間へようこそでみることが出来ます)
朱珠ちゃんは
かつてまったくの偶然で蜻蛉玉を始めました
たまたま通りかかった場所でであったのが
高名な蜻蛉玉の先生だったのです
しばらく先生のもとへ通っていたのですが
様々な事情で通えなくなり
そしてそのまま先生とも
連絡が途絶えてしまいました
そうしてそれきり会うこともありませんでした
ところが朱珠ちゃんは
犬山へ行く前日の夜
突然その先生のことが気になりました
先生の蜻蛉玉の技術は
博物館に収蔵されるほど
素晴らしいものなのです
更なる高みへと進みたい朱珠ちゃんは
もう一度先生の技術を学びたいと思ったのです
思い立ったが吉日で
早速連絡をとろうにも
連絡先がわかりませんでした
ネットでようやく見つけても
「放浪の旅に出ているので連絡は取れません」とのこと・・
世界を旅している先生だったので
今頃どこの空の下にいるのかも分からず
もう会えないのかもしれませんでした
朱珠ちゃんは
先生と作った玉が急に美しく思えて
その日私と会う前に大切に握り締めてきたのでした
そうこうするうちに犬山へと到着しました
犬山城下は桜吹雪でなんとも美しい眺めです
すっかりお腹が空いていたので
まず喰い気な私たちは
早速そのシルバーを扱っているカレー屋を探すために
お城の駐車場に車を止めて歩き出しました
柔らかな春の風に優しく揺れる桜の枝から
はらりはらりと花びらが舞い
芽吹いた若葉を透かす日差しは
まだ柔らかく心地よく
木々の向こうに見える青い青い空までもが
なんとも心和む色あいです
歩きながら二人とも
この妙なる自然に感嘆し
この薄墨を刷いた独特の春の色調を
硝子で表現できたなら
どんなによいだろうとつぶやきあいました
ところが歩けど歩けど
目的の店がありません
長い間来ない間にどうやら
違うお店になってしまっているようでした
仕方がないので
町の駅でもらったチラシに載っていた
通りのはしっこのお店でお昼を・・と
二人が歩き始めたとたん
朱珠ちゃんに電話がかかってきました
普段だったらすぐ切るのですが
かけてきたのが久しぶりの相手だったので
切るに切れない様子
しばらく待っていましたが
なかなか話が終わらないので
ぶらぶらと歩きだしました
朱珠ちゃんは話しながらなので
ゆっくりゆっくり着いてきます
このままじゃランチの時間が終わっちゃうかも と
私は少しあせりました
(1時30過ぎだったのです)
ふと 何気なく見ると
一見よく観光地にあるみやげ物やのようなお店の壁に
「ランチ600円珈琲付き」と
書いてあるではありませんか
ちょっと見た目どうかなぁと思いましたが
何しろお腹が空いています
いつもだったらそんなことしないのですが
私は勝手にそこに決めてしまいました
目で合図をすると
朱珠ちゃんはまだ携帯で話していましたが
そのまま話しながら席までやってきました
二人とも日替わりのランチを頼みました
店内は私たちとご婦人がお一人だけ
のんびりとくつろぎ始めたそのとき
一人の男の人が入ってきました
「え?! せ 先生!!」
朱珠ちゃんが突然大きな声を出しました
「ハヌちゃん! 先生!先生だよ!!!」
そうです
さっき車の中で話しをしていた
あの蜻蛉玉の先生が
突然お店に現れたのでした
朱珠ちゃんは
あまりのことに仰天していました
この2年あまりなんの音沙汰もなく
一度もう一度習おうと思い調べても
そのときは教室も無くなり
連絡先も分からずじまいでした
それからは
朱珠ちゃん自身も
連絡を取ろうと思っていませんでした
しかも上に書いたとおり
もう一度連絡をとろうと思っても
先生は旅に出ているらしく
日本にいるのか
チベットにいるのか
アフリカにいるのか
もうとにかく連絡は取れないという状態だと
わかったその次の日の再会劇です
ところが何故か
私はまったく驚かなかったのでした
それが何故なのかは分かりません
今こうして昨日の出来事を書いていると
いまさらながら少し驚いています
何しろ犬山なんて
私と朱珠ちゃんにとっては
いつも通りすぎるだけの町なのです
そこへわざわざこうして来たこと
しかも違うお店に食べにいくはずが
携帯で話していたために
目についたところへ入ったこと
先生もちょうどそのタイミングでお店へきたこと
すべてすごい偶然ですよね
でもまぁ
偶然というのは
そういうものかもしれません
+++++++++++++<続く>