定時制高校~思いがけない出来事~ | ヨーガと共に奇跡を生きる

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私の側にはいつもヨーガ~不登校・引きこもり人間の経験録~

Kさんとは年の差があるとはいえ、

同級生であることには変わりありません。

友達が出来たことで

少しずつ学校にも慣れてきました。

 

しかし休み時間はやはり苦痛でした。

定時制の休み時間は、やたら長い。。。

授業が始まる時間になっても

先生達は、必ず10分は遅れて来るし、

時には、授業が早く終わってしまったりもする。

なので、必然的に休み時間は長くなるのです。


Kさんとは席が離れていたし、

休み時間中のKさんは、教科書とノートを広げて授業の予習・復習に励んでいるので声はかけられず、

相変わらずうつむいて過ごしていました。

 

そんあある日、ふと思いついたことがありました。

 

「休み時間、折り紙を折ってみよう!」

 

不登校の時に、

家の中でいつも“折り紙を折っていたこと”を思い出しました。

花、動物、くす玉、箱など・・・

本を見ながら独学で様々な作品を作っては、

両親や知り合いに

「よくこんな凄いのを作れたね!」

と驚かれた事があります。

 

「うつむく休み時間」から、「くす玉作りの休み時間」へと変える事を決めました。

 

くす玉は一個一個のパーツを折り、

最後にそのパーツ同士を組み合わせ、

上手く合わされば

見事で美しい作品となり部屋のインテリアとしていい感じに飾れます。

 

そんなわけで、

大好きな「花のくす玉」作りを、

授業と授業の間の休み時間に

チャレンジすることにしました。

 

翌日

休み時間に入るとすぐ、

用意しておいた

色とりどりの折り紙を箱から取り出し、

黙々と折り始めました。


その時、周りの冷たい視線を感じました。

 

益々、根暗だと思われるかな、

かえって友達が遠ざかるかも・・・

 

と、他の人の冷ややかな視線を気にしながら

それでも自分の気持ちに正直に

「好きな折り紙を折ると決めたのだから、折ろう」

と、淡々と折り続けました。

 

2、3日続けていたある日、

同い年だけど、一番不良っぽく大人っぽい女の子が近づいてきて、

私の折り紙を折る姿をじっと見ていました。


何かいわれるか、いじめの対象になるのか・・・

と内心ビクビク。

 

しかし、なんとその子が、

「私も折りたい!作り方教えて!」

と言って来たのです。

これにはびっくり!

嘘かと思いました。

でも、彼女は本気のようなので、

私も急いで新しい折り紙を取り出し、

緊張しながら折り方を教えました。

 

意外と複雑で難しいので、四苦八苦してる様子。

少し時間はかかりましたが、一個完成すると

「やったー!出来たぁー!」

と教室中に響くくらいの大きな声で、

彼女は大はしゃぎでした。

 

今度はその子が、また不良っぽい仲間を二人連れてきたかと思うと、

「折り紙教えて~」と言ってきました。

さらに、近くに座っている別の女子までも寄ってきました。

意外な出来事に戸惑いましたが、

いつしか、半数くらいの女子が、

休み時間に折り紙を折る風景に変わってしまったのです。

 

こんなこともあるのかと、驚きの連続。

 

もしかしたら、同級生を大人っぽいから

自分とは違う世界の人、

不良っぽいから怖くて近寄りがたい人

と自分がただ勝手に思い込んでいただけで、

本当は違うのかもしれない…

とその時感じました。


くす玉のパーツがいくつも出来上がってくると、最初に声をかけてきた不良っぽくて大人っぽい彼女が

「出来上がったら、私にちょうだいね。」

と言ってきました。

お安いご用✨

何だか嬉しい気分になり、

くす玉の完成に力を注ぎ出しました。