日増しにてっちゃんの事を書かなければと言う気になって来た。
自分にとってはつらい話でも
てっちゃんを無視するわけにはいかないのだ。
初めて会った朝、
てっちゃんはお隣のおばあちゃんについてきた。
“あれ?”と言ったら今度は私についてきた。
仕事に出かけるところだったので
その子を残して走って行った。
その夜、気にしながら帰ってきたけれど、
見つからなかった。
翌朝近所のアメリカン・ショートヘアに
狙われているのを見つけた。
「お~危ない。家へおいで。」
恒例の洗礼。
お風呂で洗ってもらい
てつおちゃんと命名された。
夜は必ず私の腕の中で寝たがった。
それまで自分だけが私の腕の中で寝ると、
決めていたハンタは
生まれて初めて「ウ~~、シャ~ッ!」と
獣丸出しで怒った。
穏やか過ぎるほどのハンタを怒らせた
てつお。
それほどてっちゃんは拾った私を
慕ってくれた。
穏やかなハンサムボーイだった。
てっちゃんが死んだとき
私は長いこと立ち直れなかった。
いまでも余り口には出せない。
自分の過失で死なせてしまったと言う
心残りは一生付きまとう。
それでもてっちゃんと言う子がいたと言うこと。
その子が本当に穏やかな男の子だったと言うことは、
記しておかなければ。
時々「あれ~!てっちゃん何したの?」
と言うようなおかしなことをしてくれた。
たとえば
お風呂場をトイレと間違えたり、
台所をトイレと間違えたり、
そのときのてっちゃんの、ちょっと困ったような
顔を思い出すと、今でも笑いが、こみ上げる。
今ではそんなてっちゃんの
おかしな話を時々持ち出して、
「ハンサムだったね~」
「おかしかったね~」
「ホントにきれいな子だったね~」
などと話せる様になりました。
でもやっぱり心の奥の奥の方で
つぶやいてます。
「てっちゃんごめんね」って。
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