そこには、女がいた。
「優くん」
「ひなた・・」
斉藤ひなたが、そこにいた。
・・・・・・・・・・・・・
川上優太は驚き。
道子のいる丘に目をやりながら、斉藤ひなたに話しかけた。
「ひなた、どうしてここにいるの?」
斉藤ひなたは戸惑いながら言った。
「工藤道子さんという人からメールが来たの
優くんがここにくるよって・・」
「どういうこと?」
ひなたは道子からのメールを躊躇いながら見せた。
FROM: 道子
送信:2011 /10/29 17:30
ひなたさんへ
ひなたさん、初めまして、工藤道子と申します。
病気は回復していますか?
ごめんなさい。あなたと優太さんのメールを読んでしまいました。
私は、ある事故で下半身が利きません。ひなたさんも知っている通り、
優太はとても優しいです。
でも、優太が本当に好きなのはあなたです。
今、優太と私は、結婚に向けて進んでいます。
いいですか、よく聞いてください。
埼玉県の所沢に、航空公園という場所があります。
公園には湖があり、小さな川が流れています。その周辺に一番大きな木を探してください。
今度の日曜日、夕方4時、そこに居てください。
優太さんが、そこに来ます。
そして強引に優太を連れて行って欲しいのです。
泣き叫んでもいい。体で誘惑してもいい。
とにかく、連れていくのよ。約束してね。
追伸、
優太があなたの前に着いたら、私はいなくなります。
安心して死んだりはしないから
私、別に好きな人がいるのよ 笑
工藤 道子
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川上優太は慌てた。
「ひなた ちょっとここで待っていてくれるかい?」
「すぐに戻ってくる」
そう言って川上優太は、工藤道子のいる丘へ走りだそうとしていた。
「待って、優くん」
「私、お腹にあなたの子供がいるの」
「えっ」
川上優太は、走りを止めた。
そして茫然とひなたを見ていた。
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さて、残り一話となりました。次回で【終幕】となります。
皆様の応援のおかげで、最終話まで更新することが出来そうです。
皆様が色々な「捉え方」「感じ方」をすることで、僕自身、
大変勉強になりました。
また、本当に感謝をしています。お礼はまた改めて。
本当に、ありがとうございました。
今夜は、この曲でお楽しみください♫
西野カナさんの【さよなら】です。
https://www.youtube.com/watch?v=hkZXbmnE9SU